ドイツで列車が遅延したら!?お金が戻ってくる裏技と請求方法

ドイツ国内を旅行するにあたって、DB(列車)はおすすめの交通機関の一つです。ただし、この列車にも問題があり、「よく遅れ」ます。乗り換えのないチケットならまだ次の列車に乗ればいいのですが、仮に乗り換えのあるチケットで最初の列車が遅れた場合、次の列車はどうしたらいいのでしょうか?諦めるべきなのでしょうか?

今回は、ちょっと複雑なDBの遅延と補償に関するルールなどを見ていきたいと思います。

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ドイツの列車が遅れたら

ドイツに住んでいてよく遭遇するのが「列車の遅れ」です。ドイツのような先進国でもこうですので、なんと日本の列車は正確なのだろうか、と改めて感心させられます。

さて、DBの規則によれば、列車が遅れた場合、または不慮の事故などによってそもそもその列車が運行されなかった場合、以下のような処置が施されます。

1.目的地にがっつり遅れた場合

ここでいう「がっつり」とは60分以上の遅延のことです。60分以上遅延するとチケットの25%、120分以上遅延するとチケットの代金の50%が返金されます。

Ab 60 Minuten Verspätung an ihrem Zielbahnhof erhalten Fahrgäste eine Entschädigung von 25 Prozent des gezahlten Fahrpreises für die einfache Fahrt, ab 120 Minuten Verspätung 50 Prozent. Bei Fahrkarten für die Hin- und Rückfahrt wird die Entschädigung auf der Grundlage des halben entrichteten Fahrpreises berechnet.

「目的地への到着が60分以上遅延した場合、25%、120分以上の遅延の場合チケット代金の50%が返金される。往路、復路の場合、合計金額の半額をもとに計算される。」

この請求は、この記事の最後にある請求フォームを参照ください。

列車ががっつり遅れたらちゃんと請求できる

2.乗り継ぎに間に合わない場合

続いて、最初の列車が遅れたせいで、後続の列車に間に合わない事態が生じた場合はどうでしょうか?この場合、DBはちゃんと目的地まで面倒を見てくれます。私も数回、最初の列車が遅延したり運行自体が中止になり、乗り換えできないことがありましたが、追加料金を支払うことなく、乗り継げました。ただし、以下のようなルールが存在します。

Bei einer zu erwartenden Verspätung von mindestens 20 Minuten am Zielort seiner Fahrkarte kann der Fahrgast:bei nächster Gelegenheit die Fahrt auf der gleichen Strecke oder über eine andere Strecke fortsetzen oder die Fahrt zu einem späteren Zeitpunkt fortsetzen, wenn dadurch die Ankunftsverspätung am Zielbahnhof reduziert werden kann oder einen anderen, nicht reservierungspflichtigen Zug nutzen. Besitzt der Fahrgast eine Fahrkarte des Nahverkehrs, muss er bei Nutzung eines höherwertigen Zuges die zusätzlich erforderliche Fahrkarte/ den Produktübergang zunächst bezahlen und kann die Kosten anschließend geltend machen. Diese Regelung gilt nicht bei stark ermäßigten Fahrkarten (z.B. Schönes-Wochenende-Ticket, Länder-Tickets).

「列車が予想到着時間から20分以上遅れた場合、1.同じルートの後続の列車か、別のルートの後続の列車を利用できる2.もしくは、それによって到着時間が前者のものより早まるのであれば、それよりもさらに後続の列車を利用できる、3.もしくは、その他の予約を必要としない列車を使用できる。近距離の乗車券を所有する場合、乗客はより高額な列車を利用するにあたり、追加料金を支払う必要があるが、後に払い戻し可能である。これらの規則は、特別な割引チケットには適用されない(例えばSchönes-Wochenende-Ticket, Länder-Ticketsのようなチケット)」

肝は、20分以上遅れた場合、ということです。つまり、もともとA列車とB列車の乗り換え時間が10分程度のもので、A列車が15分遅れB列車に乗り遅れたからと言って、後続のC列車に乗ることはできません。

ちなみに、私はこの「後続の列車」がどの列車を指すのか分からないので、よくインフォメーションセンターに確認し、ちゃんとインフォメーションセンター公認の新しい分の乗り換えスケジュールを印刷してもらっています。念のため、電車が遅れたことの証明書をくれ、といえばそこで貰えます。その場合、「Bescheinigung bitte」と言いましょう。

DBのせいで乗り継ぎできなかったら、ちゃんと最後まで面倒をみてくれる

3.その他交通機関代金の請求

上述のものは、列車の運行時間内のことですが、仮に目的地への到着が大幅に遅れ、時刻が午前0時を回ってしまった場合など、今度は列車ではなくタクシーなどが必要になります。その場合、以下のようなルールが存在します。

Bei einer planmäßigen Ankunftszeit zwischen 0 und 5 Uhr und einer zu erwartenden Verspätung von mind. 60 Min. am Zielbahnhof

Oder bei Ausfall eines Zuges, wenn es sich dabei um die letzte fahrplanmäßige Verbindung des Tages handelt und der Zielbahnhof ohne Nutzung eines anderen Verkehrsmittels nicht mehr bis um 24 Uhr erreicht werden kann

werden dem Kunden die Kosten für ein anderes Verkehrsmittel bis max. 80 Euro *) **) ersetzt, wenn das Eisenbahnunternehmen kein anderes Verkehrsmittel zur Verfügung stellt und der Kunde mit dem Eisenbahnunternehmen – aus von diesem zu vertretenden Gründen – nicht in Kontakt treten kann

「1.予定到着時刻が0時から朝5時の間で、かつ目的地への到着が予定時刻から60分以上遅れた場合、2.または最終列車が運行されずに、最終目的地に24時までに到着できない場合も、乗客はその他の交通機関を利用するために最大で80ユーロの請求が可能である。ただし、DBが他の交通機関を手配できず、かつDB側の責任でコンタクトが取れなかった場合に限る。」

ちなみに、DBが列車以外の交通機関を用意することはたまにあります。私も、途中で列車を下ろされて、目的地までバスで移動したことがありました。ですので、急に周りの乗客が一斉に降りだしたら要注意です。列車が不測の事態で目的地まで向かわない場合がありますので。

また、似たような理由で「宿泊施設」代金として80ユーロを上限に請求できる、というルールも存在します。ただ、大抵はDBが自前でどうにか準備しますので、中々こういった機会にお目にかかることは少ないと思いますが。

最終手段としてはタクシーだろうが宿泊施設だろうが手配してくれる

請求の仕方

最後に、請求の仕方です。このサイト内のPDFファイルを印刷し、DBへ郵送にて請求する形になります。

https://www.bahn.com/en/view/booking-information/passenger-rights/passengers-rights-claim-form.shtml

請求フォームの中には振込先の「銀行口座」を書くところがあります。ドイツ国外の場合はIBANコードも記載せよ、と書かれていますので、日本からの請求も可能なのでしょうか。やったことがないので分かりませんが。

ちなみに、請求は4ユーロ以上からとなります。印刷代、郵送代などは自腹ですので、あまり額が安ければ、請求するのは考えものです。