私のドイツ留学12:ドイツの会社に就職するということについて

前回までで、私が日本の会社を辞め、ドイツの語学学校に入り、大学院に合格し、職を得るまでの過程をつらつらと書いてきました。もちろん、これらは個人的な経験なので、実際に他の人が行えばまた別の問題などにぶち当たると思います。

今回は、補足として、ドイツの会社に入ってからのことを書いていきたいと思います。

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ドイツの企業に就職する

以前の記事の中で書いたように、私の場合、友人の紹介でインターンのポジションを確保しました。ちょうど折よく、友人の知っている会社の人が、「日本の金融マーケットに詳しい人材」を探していたので、そこにコンタクトを取り、インターンののちにそのまま内定をもらったわけです。

まず、どのように内定をもらったかというと、非常にあいまいなのですが、当初は口約束でした。つまり、インターン終了時に「君の将来のプランは何?」と、上司からふとしたついでに聞かれたわけです。

そこで「大学院を卒業したら、ドイツの会社で働きたいです」と言いました。それを聞いた上司が、「じゃあうちで働いて見ない?」とオファーをくれたわけです。

ただ、その当時私はまだ大学院を卒業しておらず、卒論もまだ書き終えていませんでした。なので、そのことを正直に上司に伝えると、「じゃあいつ卒論は終わるの?」「卒論のテーマは何?」「うちの会社で働きながら卒論のデータ集めする?」など、随分親身になって聞いてくれました。

卒論の準備と提出で、4~5ヵ月はかかるので、それまで待ってほしい、と言うと「じゃあ、卒論終わってから会社に戻って来れるように、ポストを空けておくね。大学院終わってからすぐに働くのも大変だと思うから、一ヵ月くらい休暇取ってからでもいいよ」と、随分フレキシブルな対応をしてくれました(多分大企業ではないので、割と融通が利いたのかと)。

ただ、そのための契約書などは特になく、あくまで「口約束」でした。なので、こう言ってはあれですが、私も、会社側も、反故にしようと思えば反故にできたわけです。幸運なことに、私も会社側も、この口約束をしっかりと守り、私は卒論提出後に会社に戻ってきました。

ドイツでのインターン中に私がやったこと

ここでおそらく、多くの方が「インターン中に内定をもらうにはどういう振る舞いをしたらいいのか」と疑問に思われるかと思います。以前もどこかで書きましたが、ドイツの社会は「成果主義」ですので、将来の伸びしろなどよりも、いかに即戦力として活躍できるのか、をアピールしなくてはいけません。

15時に家に帰ろうが、毎週有休を使おうが、極端な話、結果さえ残せば会社は評価してくれますし、逆に、22時まで会社に残り、休日出勤しようが、成果が残せなければスパっと切られます。

また、上からの指示は基本的に物凄く大まかなもので、そのための方法や手段は、すべて自分に任されていましたので、日系、中国系の企業との新規取引等、割と好き勝手色々なことを始めました。そうしたら、最後のフィードバック面接のときに「積極的に仕事に取り組める、クリエイティブな人間」とA+評価を貰いました。多分、これを日本の会社でやったら、上司に咎められていたかと思うくらい好き勝手に動きました。

同僚とのコミュニケーションは、日本ほどではありませんが重要です。仕事の後の飲み会などはありませんが、一緒にランチに行ったり、場合によってはカフェを飲んだり、世間話をしにぶらっとオフィスに立ち寄る必要もあります。受付のドイツ人おばちゃんに日本のお土産をあげたら大層喜ばれました。

ドイツの会社で働くにあたり、ドイツ語はマストではありません(みんな英語が話せるので)が、こうした個人レベルでのコミュニケーションを行うにあたって、ドイツ語は効果を発揮します。というわけで、会社の内部にしろ、外にしろ、アグレッシブに活動することが功を奏したようで、最終的に内定をもらいました。

会社に入ってからは何をするのか

さて、インターン中と実際に会社に入ってからとで、具体的に何が違うのかというと、そこまで違いはありません。給与形態が変わったのと、ビザの手続きが変更された程度でしょうか。

というのも、ドイツの会社は基本的に「インターン」をほとんど普通の仕事と変わらなく見なしていますので、正社員になろうがそこまで大きな違いはない、というわけです。会社からしてみれば、インターン生の場合給与が浮かせられるので、メリットはありますが(3ヵ月を越えるインターンの場合は、正規の給与を支払う必要があるため、会社は基本的に、3ヵ月以内のインターンを好む)。

マネージャーと今後の戦略について会議したり、別部署を訪れてこうした製品を扱うことは可能か、などの相談をしたりと、基本的にコミュニケーションはドイツ語が主体になってくるので、ビジネスドイツ語も向上した気がします。

会社で何年働くかは決めていませんが、しばらくドイツの会社風土に慣れるまで、1~2年は働いてみようかと思います。