日本と同様、ドイツには様々な国のレストランがあります。もちろん、ドイツレストランもありますし、フレンチ、イタリアン、トルコ、日本レストランなどなど、基本的にはどの国・どの地域のレストランもそろっています(米はぱさぱさですが笑)。
また、値段もピンキリで、安く済ませようと思えば一食アルコール付きで20~30ユーロ程度、高ければ200ユーロくらいにもなりますが、この辺の値段感覚は日本と同じように考えていただいても構いません。
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ドイツのレストラン
ドイツ国内でかなりの頻度で見かけるのが『イタリアンレストラン』です。これはイタリア移民が多いという政治的な背景もありますが、何よりピザ・パスタと言った『イタリアン料理』はやはり西洋においてもイカした料理である、という認識が根強いからだと思います。
オーダーやチップの払方といった、一般的なレストランでの作法は、基本的にはクナイプのものと変わりませんので以前まとめた記事を参照していただければと思います。
さて、席に座ると基本的には店員さんがメニューを持って注文しにきてくれる仕組みですが、外の席に座っていて気づかれなかったり、混んでいたりすると持ってきてくれないのでその場合は自分でメニューを取りに行きましょう。
もっとも、どこまでがクナイプでどこまでがレストランか、という明確な線引きはどこまでが和食屋でどこまでが料亭か、という線引きと同様に、あまり意味のないことのように思えますが笑
日本食のレストランもありますが、残念ながら私は行ったことがありません。100ユーロくらいすると脅されたのでビビッてしまい行く気になれないのですが、行ったらまた写真をのせておこうと思います。ちなみに以下の写真はドュッセルドルフのラーメン屋です。
ただ写真だけのせていてもあれですので、今回は会食などで注意しなくてはいけないドイツのレストラン作法についてまとめていきたいと思います。
レストランの会食作法
留学などで来ている限りでは中々お客さんや上司と会食する機会などないと思いますが、実際に大学院の授業の中にはインターンの授業も多くあり、中には会食の機会もあると思いますので、知っていて損はないかと思います。
そのため、今回は以下のような内容について時系列でまとめていくことにします。
- 待ち合わせ時間は正確に
- 携帯は必ずマナーモードに
- もてなす側が先に上着を脱ぐ
- ナプキンは膝の上
- 会食ではアルコールを控える
- 食事は全員のものが揃ってから食べ始める
- すべての食事に一度は口をつける必要がある
- ご馳走様の合図を出す
また、レストランを問わずドイツ国内における礼儀作法に関しては下記の記事を参照してください。
我々アジア人からしてみたら、欧州のタブーは少し勝手が違うので混乱しがちですが、最初におさえて置けば問題ありません。別に法に抵触する、とかではなく、不文律の『タブー』なのです(マナーと言ってもいいでしょうが)。
レストランに関していえば、ある程度は日本と同じところもあれば、やはりドイツ特有のところもあります。以下、見ていきましょう。
1.待ち合わせ時間は正確に
さて、ドイツ人の特性として誰もが挙げるのが『ドイツ人は時間厳守』ということです。これは当然、会食などビジネス的な場所であればなおさらのことで、基本的に許容されるのは『約束の時間から5分以内』だそうです。
『5分以内』ですので、5分以上早く来ることも許されません。早く着きすぎそうであったら、わざとゆっくり歩いて前後5分以内に到着するようにしましょう。
2.携帯は必ずマナーモードに
そして、会食が始まる前に携帯電話はマナーモードか、ドライブモードにする、というのは日本でのしきたりと同じです。食事中に電話で話をしたり、メールをうつなどもってのほかです。
『プロフェッショナルでありたければ、徹底せよ』と何かのコラムに書いてありました。とりあえず、この辺りは日本と同じととらえていただければ大丈夫です。
3.もてなす側が先に上着を脱ぐ
お互いにスーツを着ての会食となるケースが多いでしょうが、先にもてなす側が上着を脱ぎます。それから始めて、客人も上着を脱ぐことができます。
どういう起源があるのかはわかりませんが、そのような仕来りになっているので倣うことにしましょう。
4.ナプキンは膝の上
日本では首にかけるような形式のところもありますが、これはドイツではNGです。必ずナプキンは膝の上に置くようにしましょう。
ちなみに、よく日本人は畏まったときにこぶしを膝の上に置きますが、これもNGです。こぶしの正しい位置は『机の上』です。これは、机の下で何か怪しいことをしていませんよ、と相手に分からせる礼儀でもあります。
5.会食ではアルコールを控える
基本的に、Gastgeber(もてなす側)が『今回はアルコールを飲みましょう』と言わない限り、アルコールは飲まないような仕組みです。
あくまで会食もビジネスの一つ、という考えがあるのと、中にはアルコールを飲まない客もいるため、そういったところへの配慮だと言われています。
6.食事は全員のものが揃ってから食べ始める
この辺も日本と同じでしょう。基本的には、みなの分の飲み物が揃ってから乾杯ですし、みなの食事が揃ってからそろって食事をとることになります。
ただ、例えば一人の食事が遅れて、他の皆の食事が温かいものだというケースとかですと、食事の遅れているものは『先に召し上がってください』と薦めなくてはいけないという暗黙の了解があります。
7.すべての食事に一度は口をつける必要がある
これは、日本には無い習慣だと思います。実際に料理がきたら、全ての食事に口をつけ、かつ自分の食事は極力残さないようにする、というのがドイツのレストランに対する礼儀です(かなり量が多いです)。
これは、会食であろうがプライベートで行こうが、基本的には『出されたものは全て食べる』というのがドイツの決まりなので、頑張って食べましょう。
ちなみに、健康的な理由や、宗教的な理由がある場合はこの限りではない、という注意書きがつきますが、その場合も理由を説明しなくてはならないとのことです。
8.ご馳走様の合図を出す
食べ終わったら、お皿の上にスプーンとフォークを並行に置いておく必要があります。これは『私は食べ終わりましたよ』という合図です。
これだけ考えることが多いと、中々食事を愉しめないと思いますが、やはり会食の目的は『あなたとお食事ができて光栄です』というところです。
あまり緊張せずに、食事はやはり美味しそうに食べ、会話を楽しむといったことができたほうが、会食としては成功だと思います。