ドイツ国内での引っ越し作業についてまとめていきたいと思います。特に、敷金(Kaution)や新しい家の契約取り決めなど、細かいルールには注意が必要です。
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ドイツ国内で引っ越しを行う
長期休みで一度家に帰ったり、インターンで長期不在になったり、あるいは家主や同居人とのトラブルがあったりと、なにかとドイツでは引っ越しをする機会が多いです。そんな際に、日本とは当然勝手が異なりますので、困惑しがちですので、あらかじめ起こりうるトラブルなどを確認しておきましょう。
まず、引っ越しのスケジュール順にまとめていきたいと思います。
1.退去通告(3ヵ月前)
契約書が特別なものでない限り、法的には退去日の3ヵ月前までに家主に伝える必要があります。口頭ではなく、書留郵便やメールなど、証拠として残る手段で伝えることが望ましいとされており、この辺は家主との交渉次第です。
また、この3ヵ月前の期限を過ぎたとしても、次の入居者を自ら見つけてくることができれば、この3ヵ月縛りは解消されます。ただし、この次の入居者の素性が怪しいと、家主に認めてもらえないことがありますので、ここも注意が必要です。
2.新しい家を探す(2ヵ月~1ヵ月前)
大体インターネットなどで、募集がかかるようになるのは入居日の1~2ヵ月くらい前です。大学の掲示板や、インターネット、あるいは友達のつてをたどって新しい家を探すようにしましょう。
3.新しい家との契約(〃)
正式には、敷金(Kaution)を支払い、契約書を締結した時点でその家が予約されることとなりますが、逆にいうとそれまでは、家主に全ての権限があるため、他の入居者に先を越されてしまう可能性も十分にあるわけです。というわけで、契約書を締結し、敷金を支払って(当然、領収書は預かっておきましょう)はじめて安心することができます。
4.古い家の引き払い・荷造り(1週間前)
ここのあたりからそろそろせわしなくなってきます。まず、前の大家と時間を調整し、最終的に何日に鍵と部屋を受け渡すかを確認します。また、この部屋の受け渡しのときに、部屋のチェックなどもおこなわれ、壁に傷がついていたりすると敷金が返ってこないケースもあります。
ちなみに、私の場合は部屋に広範囲に汚れができてしまっていて、しかも拭いても落ちなかったので、ホームセンターで塗料を買ってきて塗るという賭けに出ました。30ユーロくらいあれば一式揃いますが、壁の色と塗料の色を正確に合わせる必要があり、違っていると大惨事です。幸いにも塗料と壁の色が完璧にマッチしてくれたため、結局敷金はすべて返ってきました。
私の場合は前の家主がケチで、いちゃもんをつけられる可能性があったのでこのような強硬手段にでましたが、もし壁に傷や汚れができてしまった場合は大家さんに確認し、塗料を買ってきて塗って修正してもいいかどうかを確認しましょう。所詮学生のアパートですし、大抵の大家さんはこのような措置で許してくれます。
また荷造りですが、もちろん郵便局などで質の良いものを購入することができますが、使用済みの段ボールはスーパーに行けば無料でもらえます。これにガムテープでふたをすれば問題なく使用できます。
5.新しい入居日の確認(1週間前)
さて、ここで一つ疑問が浮上します。基本的に住居の契約は○月1日~○月末日までのものとなっています。ということは、前の住居には最終日までしか住むことができませんが、新しい住居には一日になって初めて引っ越すことが可能です。ということは、末日にはいったいどこで寝泊まりし、どこに荷物を運べばよいのか、という疑問です。
この辺は実はなあなあで、新しい大家さんに交渉して末日に入居してもよいか確認する必要があります。とはいえ、現在の入居者も似たような状況ですので、当然ぎりぎりまで入居日を伸ばしたいでしょうし、中々うまくはいきません。私の場合、引っ越す際はこのラグの1日は友達の家に寝泊まりし、荷物もそこに置かせてもらうことにしました。
6.部屋の引き渡し・引っ越し当日
私はそこまで荷物が多くなかったので、車を持っている友人に手伝ってもらって事足りました。以前もどこかで書きましたが、いちいち学生の引っ越しで業者を使うのも馬鹿らしいので、基本的には学生内の助け合いで済んでいます。もちろん、助けてもらったらお礼に晩飯くらいは奢ってあげましょう。
7.新しい家の確認
重要なのは、壁や家具に目だった傷がついていないかどうかです。これは、引っ越すときに誰がつけたかの争点になることがありますので、入居日に日付入りで写真を撮っておきましょう。ちなみに、お隣さんへのお土産、あいさつなどは日本と違って不要です。
8. 住所変更
私が行ったのは、住民登録+ビザの住所(住民登録をおこなえばビザの住所も一緒に変えてもらえる)、健康保険の住所、大学に登録してある現住所、です。特に、最近は住民登録のルールが変わり(州によりますが)、契約書だけではなく家主による署名のようなモノもまとめて提出しないと住民登録変更を受け付けてもらえなくなりました。
加えて、引っ越しから2週間以内に住民登録変更をしなくてはいけないという法的ルールがあり、最悪の場合罰金が科せられることもあります。ただし、家主の都合によってはこの署名が中々もらえない場合もありますので、その場合は先に市役所に一言伝えておきましょう。ちなみに、家主都合で署名が遅れた場合、入居者本人ではなく家主に罰金の督促がいくようです。
9.敷金の返金
前の大家から敷金の返金があります。割と大金ですので必ず振り込まれたかどうかの確認が必要です。