学生はお金がありませんので、どうにか生活費を安くあげようとやりくりします。そんな中、ドイツの学生たちの間で最も一般的な住まいが『WG』(ルームシェアのようなもの)です。今回はその『WG』について見ていきたいと思います。
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ドイツのWGとは何か?
WGとは『Wohngemeinschaft』の略称で、直訳すると『住宅共同体』です(gemainschaftは共同体、という意味ですので)。簡単に言うとルームシェアマンションのようなもので、部屋は自分のモノですが、そのほかの共用部分、例えばトイレ、キッチン、洗濯機などは共同で使う、という住まいの形態です。
共同生活をするわけですので、当然住居内では秩序が定められています。例えば、私の住んでいるWGには、現在私を入れて7人住んでいますが、トイレットペーパーや洗濯液のような消耗品は持ち回りで購入したり、当然ですが洗ったものは必ず片付ける、ゴミは捨てる、というおきてがあり、これを守らないと衛生的にえらいことになるわけです。
住んでいる人(Mitbewohnerと言いますが)も、同居人とのもめ事は避けたいわけで、そのために、WGに入居するにあたっては、先に住んでいる人の選定が行われる場合もあります(単に家主の一存で決められる場合もありますが)。
WGの探し方、入居の仕方などは後ほど見ていくことにして、以下、まずはWGのメリットとデメリットを見ていきましょう。
WGのメリット
1.ドイツ語を覚えるのが早くなる
基本的に、我々日本人がWGを選ぶ際の最大のメリットはここだと思います。一人住まいをしてしまうと、ドイツ人の日々の生活に触れることはありませんが、WG暮らしすと、時には一緒にご飯を作ったり、雑談をしたりと、触れ合う機会が非常に多くなります。
また、生活に必要なドイツ語、ドイツのルール(ゴミ出しなど)に関しても他の同居人に聞くことができますので、この辺りはメリットと言えそうです。
2.基本的に安い
ルームシェアですので、トイレから風呂まで一人で使うよりは安上がりです。また、光熱費、水道代も基本的に家賃に含まれていますので、その辺を気にする必要もありませんし、一般的にWiFi環境も整っています。
3.基本的に家具付き(möbliert)
Möbeliertで『家具付きの』という意味です。あくまで『基本的』にはですが、部屋には家具が付いています。私のWGはベット、本だな、学習机とイス、洋服棚が揃っていました。足りないと思ったものは別途購入する形です。
次いで、デメリットを見ていきましょう。
WGのデメリット
1.キッチン、トイレやシャワーが共用
この部分は、抵抗のある人がいるかも知れません。私のWGはトイレが2つありますので、トイレが両方とも埋まることはそんなにありませんが、風呂のほうは朝はいつも混んでいます。
また、キッチンも基本的には自分で使ったものは自分で片付ける、というルールが存在していますが、時たまいつまでも洗われずに放置されたままのお皿やフライパンなどを見かけます。
2.プライベートが少ない
上のところと少し被りますが、基本的にプライベート空間は自分の部屋の中のみです。防音がしっかりされていればいいですが、されていないとうるさくて悲惨です。また、ドイツとはいえ、当然WG住まいの場合、自分の部屋に鍵をかけるのは、防犯上当たり前です。
ドイツのWG事情
WGの探し方、応募の仕方などは次回に回しますので、今回は少し、ドイツの住居事情を見ていきたいと思います。一部の都市を除いて、基本的に毎年大勢の学生が入学する一方、アパートやマンションが新設されるわけでもないので、居住費は我々学生を悩ませる問題の一つでもあります。
Junge Menschen wie Studenten oder Berufseinsteiger haben oft nur wenig Budget für ihre Mietkosten zur Verfügung und müssen daher auf WG-Zimmer und kleinere Wohnungen ausweichen. Doch das kann teuer werden, wenn man in großen und beliebten Städten eine Unterkunft sucht. Leider fehlt besonders in diesen Städten auch der öffentlich geförderte Wohnraum wie Studentenheime, was die Lage zusätzlich erschwert. Beispielsweise kommen auf über 2.500.000 Studenten im Wintersemester 2012/2013 nur 230.000 öffentlich geförderte Wohnheimplätze. Das heißt, am Ende kommt nur jeder 10 Student in einem Wohnheim unter. Der Großteil sucht meist eine günstige Wohnung oder ein WG-Zimmer auf dem freien Markt.
『学生や新入社員のような若者は、家賃に使える予算が限られていることが多々あるし、それゆえ、小さなアパートやWGに鞍替えしなくてはいけない。ところが、そうした部屋に住む場合でさえも、都市によっては十分に高くなってしまうことがあるのだ。残念ながら、こうした都市において、学生寮のような住居が不足していることもまた問題である。例えば、2012/2013年冬期セメスターから学業を開始した生徒は250万人いるが、それに対し学生寮の数はわずか23万しかない。つまり、倍率が10倍というわけだ。それゆえ、大多数の生徒は、安価なアパートやWGを探し求める、というわけである。』
これはあるサイトから見つけて来た記事ですが、ドイツの75の都市のWGの賃貸料を比較してあるので、割と役に立ちます。特に、大学や大学院などは行きたい都市を優先させることをおススメしますが、語学学校などは基本的にどこの都市でもいいと思いますので、家賃が安い方がそれだけ過ごしやすいです。
Mit unserem WG-Zimmer Mietpreisvergleich zeigen wir euch die Kosten für WG-Zimmer in 75 verschiedenen Städten. Ihr bekommt so einen guten Überblick und könnt ganz einfach vergleichen, in welcher Stadt die Warmmietpreise am günstigsten sind und wo eure Wohnung oder das WG-Zimmer im Verglich zum Durchschnitt liegt. Die hier kommunizierten Preise sind durchschnittliche Warmmieten.
『下記の表では、ドイツの異なる75の都市のWGのコストを比較している。読者の皆さんは、これで一通りの概観を掴めるだろうし、どの都市のコストが安いのか、度の都市が平均的か、という、簡単な比較が可能だ。下記の表に記載されている価格は、光熱費や水道代などを含めた家賃の平均である。』
というわけで、このサイトにはWGの家賃比較表が乗っているのですが、トップ3とワースト3を見てみましょう。
Munich 543€
Frankfurt 431€
Stuttgart 420€
世界の大学ベスト100に毎年名を連ねているミュンヘン工科大学のあるミュンヘン、そしてドイツだけではなく、ヨーロッパ経済の中心地でもあるフランクフルトなど、名だたる都市です。
ちなみに、私も一度frankfurtの友達のWGに遊びに行きましたが、駅近の8畳一間くらいの部屋で550€くらいしていましたのでびっくりしました。
続いて、ワースト、というか安い都市3です。
Bad Sooden-Allendorf 180€
Rothenburg/Oberlausitz 171€
余り馴染みのない都市ですが、最高位のミュンヘンに比べて実に3分の1程度の値段で済めるようです。
自転車で大学に通うことを考えると、ここに書いてある家賃よりももう少し高いくらいが相場な気がしますが、一応参考までに引用しました。