今回は、ドイツ留学に必要な「保険」についてまとめていきたいと思います。「保険」と一口にいっても、その留学の目的や滞在期間、補償内容によってどの保険をチョイスすればよいかは異なります。
例えば、ドイツの大学に留学する人と、語学学校に通う人、ワーホリビザを取得したい人とでは、加入しなければいけない保険会社も、保険の種類も異なります。
今回は、目的別に必要となってくるドイツ滞在のための保険についてまとめていきます。
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ドイツ滞在時の保険とその違い
ドイツ滞在時に保険に加入する目的は大きく分けて二つあります。一つは「ビザを申請するため」に加入する目的、そしてもう一つは「海外での補償を手厚くするため」の目的です。
上述のうち、1番と2番は、ビザ申請のために必要になってくる健康保険のことです。これに加入していないとビザが降りませんので、上述の目的でドイツに滞在する際には必須な項目です。
対して、3番4番の保険は、加入は必ずしも必須ではありませんが、万が一の時にそなえて加入しておくと安心できる、という性質のものです。以下、一つ一つその内容について解説していきたいと思います。
1.ワーキングホリデー、語学学校滞在などのためのビザ申請向けの私的健康保険
まず、ドイツで加入できる健康保険と言えば、以下の二通り存在します。
Private Krankenversicherung(プライベートな健康保険)
ドイツの大学・大学院に属する際には、後述の通り「法で定められた健康保険」に加入することができるのですが、それ以前の段階で、例えばワーキングホリデーや語学学校滞在のためのビザ申請の際には、この法的健康保険に加入することはできません。
そのため、この場合ドイツで通用するようなプライベート健康保険(Private Krankenversicherung)に加入しておく必要があります。
このような「プライベートな保険」の例に挙げられるのは「ケア・コンセプト」「ステップ・イン」などの健康保険で、どちらも、ドイツでの滞在ビザを取得する際にドイツの政府からも認められている保険会社です。また、ビザ申請の際は健康保険だけでなく「個人賠償責任保険」に加入する必要もあります。
『Step in』(リンク:http://ryokohoken.step-in.de/) 日本語です
ケアコンセプトのほうは安上がりですが、日本語が通じないので、すべて英語かドイツ語で処理しなくてはいけない難点があり、かたや、ステップインのほうは日本語が通じる一方、ケアコンセプトに比べて値段は高めです。
また、この「ドイツのビザの申請」に対しては、日本の海外旅行保険や、海外留学保険を用いることは基本的にできません。そうした日本の保険は、あくまで後述するように、そのほかの補償を手厚くする目的で使用されます。
例えば、現地でカメラを壊してしまった場合に適応される携行品損害、あるいは飛行機の遅延や緊急帰国のための保険などは、ドイツの健康保険では補償されませんので、こうしたリスクに対しては、日本で保険をかけていく必要があります。
以下のまとめをご覧ください。黄色くハイライトしてある箇所はビザ申請に「必須」のところで、そのほかのところは重複する恐れがあったり、あるいは自分で適宜必要に応じて保険を掛ける必要がある箇所です。詳しくは、後述する「3.その他、滞在時の保障を手厚くするための保険」をご覧ください。
2. 現地の大学・大学院に属する際の公的健康保険
ドイツの大学・大学院に入学許可をもらうと、今度は上述のうち「法定健康保険」に加入することができるようになります。特徴としては、まず大学在学中のビザの申請に必要なほか、大学でアシスタントとして働く際などにも提示が求められるものです。
そのようなビザ申請のための書類としての有用性はもちろんですが、実際にドイツの病院で治療を受けたときも有用で、基本的には医療施設で診察を受けても、この法的な健康保険を提示すれば建て替えをする必要がありません。
上述の、語学学校の生徒の身分では私的健康保険に加入する必要があり、建て替えや保険金の申請の手続きなど厄介なところがありますが、大学の生徒になってしまえば、公的健康保険が使えるようになるため、事務手続きがだいぶ楽になります。
ただし、個人賠償責任保険などその他のオプションは法定の健康保険ではつけられませんので、別途補償されたい場合は、自分で他の保険商品などを駆使して保険を掛ける必要があります。学生ビザ申請時に必要となるのはあくまで下の表の黄色い箇所だけです。
また、こうした大学・大学院用のビザ申請に関しても、日本国内の「海外留学保険」は使用できませんので、こちらも気を付けてください。
3.その他、滞在時の保障を手厚くするための保険
上述の二つの保険はビザ申請などに必須な一方で、補償範囲がそこまで手厚くないという欠点もあります。
ですので、そうした健康保険ではカバーできないような部分を補償したいときには、別途個人で海外留学保険などに加入する必要があります。
また、海外留学保険は高額であることから、実家の火災保険や自動車保険などを利用することで、賠償責任保険や携行品損害保険などの補償を受けられるようにすることも可能です。
4.ドイツ滞在中にその他の国に旅行するための保険
ドイツ滞在中にどの健康保険に加入しているのか、にもよりますが、ドイツに住民票を持っている人がドイツ国外に旅行し、かつそこでケガや病気、事故などに巻き込まれた際の補償は、別途「ドイツに本拠地を置く保険会社の旅行保険」に加入する必要があるケースが多いです。
この、ドイツ在住者がドイツ国外に旅行に行くケース、では日本の海外旅行保険などは使えませんので十分注意してください。
また、加入する必要があるのか否かは、実際に、自分のドイツ滞在時の状況(交換留学なのか、仕事中なのかなど)にもよりますので、自分の加入中の保険会社(例えば、Care Conceptなどでは、海外旅行前に申請することで、補償されるケースがあります)に問い合わせて確認し、補償がなされていない場合には、ドイツ国外への海外旅行の際に加入しておくことをお勧めします。