マイカーを持っていたら必ず海外中断特則を活用しよう:自動車保険と等級

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海外留学に行く、ということは、国内を空にすることですので、その際には様々な手続きを整えていかなくてはいけません。今回紹介する、自動車保険の中断特則も、その一つです。

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自動車保険の等級制度

まず初めに、基本的な「自動車の等級制度」というところからまとめていきたいと思います。自動車には1等級から20等級まで等級が存在し、この等級ごとに自動車保険の保険料が変化します。

保険料は事故の確率によって試算されるものですので、事故にあう確率が少ない人からは保険料を少なくもらい、事故にあう確率が多い人からは保険料を高くもらう、という原則にのっとっています。

では、どうやってその「事故に遭遇しやすそうな人」「そうでない人」の区別をつけるか、というと、今まで自動車保険に加入していて、保険を使ったことがあるのかどうか、で判断がつけられます。

もともと、自動車保険に入りたての頃は自動車の等級は「6等級」からスタートし、一年自動車保険を更新するごとに等級が一個ずつ進んでいき、14年無事故(保険を使わないと)だと、マックスの20等級に到達し、保険料が平準レベルと比較して60%ほど安くなります。

逆に、事故を起こして保険を使うと等級が下がり、1等級まで達すると、保険料が平準レベルと比較して60%程度高くなります。そして、1等級ですと、最悪、保険会社が保険を引き受けてくれない可能性もあります。

そして、この等級は、保険会社を変更しても、すべての保険会社で情報を共有されており、自動的に引き継がれてしまいます。ですので、一度等級が悪くなったからといって、保険会社を変更して別の会社に変えても、悪くなった等級から逃げることはできません。

さて、ここで、この自動車の等級の持つ重要さを理解していただけたかと思います。要するに、長年かけて培ってきた「よい等級」には、かなりの価値があります。平準保険料が10万円だとすれば、20等級の人の保険料は「4万円程度」まで抑えられ、実に6万円も毎年節約できる計算になるわけです。

ただ、問題は、せっかく苦労して貯めたこの「等級」も、車を手放したり、海外に移住すると、最悪消滅する可能性が出てきます。ですので、将来日本に帰ってきてまた自動車に乗りたい、と考えている人は、適切な手続きを行う必要があるのです。

自動車保険の国外中断特則

黙って保険を解約して、そのまま海外に移住してしまうと、今まで持っていた等級は消滅します。もし、よい等級を持っていて、将来的に日本で再度自動車保険への加入を考えている場合、「海外中断特則」の手続きが必要になってきます。

海外中断特則、とは文字通り海外にいる際に、自分の等級を保管して置ける制度のことで、将来日本に帰ってきても(ただし、出国から10年以内に限ります)、そのまま再び以前の等級で自動車保険に加入することが可能です。

ただ、その際にいくつか条件があり、まずは、中断日から1年以内に保険会社に申請すること、そして、海外旅行などではなく、れっきとした「海外移住」であることを証明すること、などが挙げられます(詳しい必要書類などは、保険会社によって異なるため、加入している保険会社に問い合わせてください)。

そして、等級が7以下の場合は、この等級引継ぎは行えません。というのも、この制度はあくまで「いい等級」を保管しておくための制度ですので、わざわざ悪い等級をこんな手間暇かけて取っておく人は誰も居ないからです。

等級継承

上述の海外中断特則とは別に、もう一つ、この「いい等級」を活用する方法があります。自動車保険の等級とは、別に個人個人に紐づいているわけではないので、以下の条件を満たせばほかの人にも譲ることが可能なのです。

  1. 契約者の配偶者
  2. 契約者の同居の親族
  3. 配偶者の同居の親族

例えば、もともと親元から会社通いをされていたりして、ご家族と同居されている場合には、ご家族の方に自分のよい等級を譲ることが可能です。ただし、上述の通り「同居」であることが条件ですので、親元を離れている場合など、実家の両親に等級を引き継ぐことはできません。

まとめ

最後に、今回の海外渡航に伴う自動車保険の中断特則に関するまとめです。

  1. 自動車保険の等級が良い場合は、海外中断特則を利用し、将来帰国後に再度その等級を利用できる
  2. 家族と同居している場合は、家族に自分の等級を譲ることもできる

ただ、どのみち、保険会社による事務手続きが必要になってきますので、詳しい中断のやり方などに関しては、加入している保険会社、もしくは、保険を加入している代理店などに連絡して確認してください。

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