ビザを取得するときに、基本的には『健康保険』に加入してきます。それで、おおよその医療機関での治療はまかなえますが、時として自腹で払い、後々保険金請求をしなくてはいけないようなケースがあります。
そうすると、手紙を書いたり、領収書を送ったりと面倒が生じますが、手続き自体は難しいものではありませんので、今回まとめていきたいと思います。
ちなみに、ドイツの保険に関しては以下の記事を参照していただきたいと思います。
ああ、そういう保険なら昔ハワイ旅行したときに入ったわ、それに入りましょうかしら。』あるいは『クレジットカードについてる海外旅行保険でカバーしよう。』そう考えられた方もいるでしょうが、こういう考えは実は間違いです。ビザ申請のためには、ドイツの保険会社でこうした保険に加入しなくてはいけません。国内の保険会社で入れれば安いし日本語が通じていいのですが、あいにく歯科治療までカバーできないので、ドイツの保険会社のHPなどから申し込みを行う必要がでてきます。
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保険金の建て替えを行ったとき
ドイツの医療費は高いので、あまり自腹で払いたくないものですが、例えば歯医者や、薬局や、特定の医療機関などでは、保険会社の文書を見せても『あー自腹(Bargeld)で払わないと駄目ですね』みたいに言われることがあります。
そうすると、その場では一旦立て替えて、あとから請求という流れになりますが、まず注意しなくてはいかないのが、その場で必ず『領収書』を貰わないと駄目です。
建て替えをする場合は、その場で必ず領収書をもらう
そして、できたら領収書に『日付スタンプ』と『現金で払った(bar bezahlt)』というサインを書いてもらうことが望ましいです。この辺は、無くても大丈夫なこともありますが、万全を期すならば書いてもらいましょう。
この領収書を、後々保険会社に送ることになるのですが、単にこの領収書だけ『ぽん』と、年賀状のように保険会社に送るわけにはいけません。以下、今度は保険というより郵便的な手続きになっていきますので、順を追ってみていきましょう。
保険金請求をする場合の事務的な流れ
以下の流れで保険金請求を行いましょう。
- 保険会社への手紙を書く
- 封筒に宛名と自分の住所を書く
- 封筒に領収書と手紙を入れて、保険会社にそれを送る
以下、順にみていきましょう。
1.保険会社への手紙を書く
まずは、領収書だけ送っても分かりませんので、領収書に同封する『手紙』を書いておく必要があります。これは、以下のひな形を使っていただいたほうが早いかもしれません。
mein Name ist Ichiro Suzuki und ich bin Versichert bei ××.
Mein Versicherungsnummer lautet:123456789000
Anbei schicke ich Ihnen Rechnungen und Quittungen vom Arzt und von der Apotheke.
Bitte überweisen Sie den entsprechenden Betrag auf folgendes Konto.
IBAN:
BIC:
Vielen Dank im Voraus.
Mit freundlichen Grüßen
Ichiro Suzuki
お世話になっております。
私の名前は鈴木一郎と申します。××社の被保険者で、
私の保険番号は123456789000です。
この封筒に病院と薬局の請求書と領収書を同封いたしますので、
記載されている金額を下記口座にお振り込みいただきたく思います。
IBAN:
BIC:
お手数おかけしますが、先だってお礼申し上げます。
鈴木一郎
念のため、少し補足ですが、手紙上部の『Sehr geehrte Damen und Herren,』と末尾の『Mit freundlichen Grüßen』は決まり文句なので、日本語に訳せません。とりあえず手紙を書くときには必要なようなので、つけておきましょう。
それと、文中に現れる『IBAN』と『BIC』はそれぞれ『International Bank Account Number』と『Bank Identifier Code』の略で、両方とも銀行のキャッシュカードの裏面に表示されています(もしくは、定期的にやってくる銀行からの残高明細などにも表示されています)。
ちなみに、それぞれIBANとBICの説明です。
Bei der IBAN handelt es sich um eine weltweit gültige Nummer für Ihr Girokonto. Im Rahmen der Einführung des SEPA-Systems für Überweisungen löst sie seit 2008 Schritt für Schritt die Kontonummer und Bankleitzahl ab.
『IBANとは、貴方の振替口座を世界中で通用させるための番号である。振替入金のためのSEPA-Systemsの導入されている枠内において、2008年以降徐々に、銀行口座番号と、銀行コードに代わる代物になっている。』
要するに、銀行コードと、自身の口座番号を一緒にまとめた番号のことです。日本でも導入されたら、振替の作業が少し楽になるかも知れません。
Beim BIC (Bank Identifier Code) handelt es sich um eine von der SWIFT (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication) festgelegte international gültige Bankleitzahl.
『BICとは、SWIFT(国際送金)を利用する際に決められた、国際的に通用する銀行口座番号のことである。』
この辺の、ドイツの銀行に関する用語などは、折をみてまた紹介していきたいと思います。
2.封筒に宛名と自分の住所を書く
続いて、封筒を買わなくてはいけません。封筒はドイツの郵便局に行けば、10枚1ユーロ程度で安く売っていますので、適当に気に入ったものを買いましょう。
続いて、封筒に領収書と手紙を入れて封をする前に、封筒に宛名と自身の名前を書いておく必要があります。この書き方に関しては、以下の写真を参考にしていただければと思います。左側に自身の名前と住所を、真ん中に保険会社の宛先を記載するようなイメージです(ないしは、後ろに封筒の後ろに自身の住所を書いてもOKです。今回のパターンは表に送り先の住所を書いています)。
3.封筒に領収書と手紙を入れて、保険会社にそれを送る
最後に、封筒に封をしたら、郵便局に持って行って保険会社に送る必要があります。切手の値段などは、郵便局の窓口に封筒を持って行って『これを送りたいんだけど』といえば切手を貼って値段を教えてくれますので、そこまで難しいものではありません。
これで、あとは自身の口座に保険金が入金されるのを待つだけです。基本的には、ドイツの病院では結構保険が使えて、自身で負担するようなケースはそう多くはありませんが、ときたまこのように、自身で払った後に保険金請求をしなくてはいけないケースもあるので、注意が必要です。