以前バー(Bar)は、ネオンがキラキラしている大人の店という話をしましたが、厳密にはお酒を扱っているショットバーもバーの部類です。
die Barでもバーの意味があるのですが、その場合どちらかというとピンクのネオンがちらちら点滅する大人のお店のイメージになります
日本でもなんとなくパブやバーというと酒を飲む人の集まるところで、居酒屋よりは若干敷居が高いような感じですが、多分ドイツでもそんな感じです。
そんなところでは、料理はせいぜいスナックやフライドポテト程度で、人々は時に恋人と、ときに同僚と、あるいは一人でお酒を楽しむことができます。
大半がアイルランドやイギリスからの輸入品ですので、確かに高いことは高いのですが、それでも六本木のバーなどよりは30%程度安い気がします。為替の問題もありますが、同じシングルモルトのウィスキーが日本で1000円だったものが、ドイツでは800円で飲めました。
今回は、ドイツのバーと、ちょっと脱線しますがウィスキーの基礎知識について触れていきたいと思います。
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バーについて
基本的には、日本のバーと同じような感じでイメージしていただければ問題ありません。カウンターがあって、カウンターではときにバーテンダー(ドイツ語ではBarkeeper)と話が楽しめたりします。
作法としては以前まとめた『クナイプ』と同じような感じです。中には、バーの中にウィスキーやワインショップを併設しているような店もあり、スーパーなどに出回っていないような種類のお酒を買うことができます。
ちょっと私はワインは詳しくないので、ウィスキーの注文スタイルについてまとめていこうと思います。
ウィスキーの注文の仕方ですが、日本と同様、以下の4つが主流です。
- ストレート(pur)
- 水割り(mit Wasser)
- ロック(mit Eis)
- ハイボール(mit Soda)
以下、順にまとめていきましょう。
1.ストレート(pur)
ドイツでウィスキーを飲むには、これが一番いいと思います。以下の写真のように、ドイツでは20mlか40mlかで選ぶ形です(日本のようにシングル、ダブルではありません)。
バーなので写真が暗くてすいません。
これとは別に、チェイサーなどを注文して、ゆっくりと時間をかけて飲んでいくのが良いでしょう(大体30分程度)。ビールのようにがばがば飲むものではなく『匂いを愉しむ』→『味を愉しむ』→『余韻を愉しむ』といった形でじっくり味わいます。
ただし、ドイツのウィスキーで困ったことは、タバコが店内で吸えないので、一々外の喫煙所にまで吸いに席を立たなければならないところです。
2.水割り(mit Wasser)
日本ほどメジャーでありませんが、水割りで飲むやり方もドイツでは問題ありません。もっとも、ストレート(pur)で飲むよりも当然純度が落ちます。
あまりお酒に強くない、あるいは長く楽しみたい、という方は水割りでもいいかもしれません。
3.ロック(mit Eis)
ドイツで注意しなくてはいけないのがこの『ロック』です。ドイツのバーやクナイプで出て来るウィスキー・ロックの氷は、日本のようにウィスキー用の丸い氷ではなく、普通の砕かれた氷であることが多いです。
そのため、早く氷が溶けてしまいますし、日本のようにじっくり氷を溶かしながら、といった飲み方ができづらいです(お店によっては日本式の氷を入れているところもあるみたいですが)。
4.ハイボール(mit Soda)
だいたいこっちの人のウィスキーの飲み方といえば『ストレート(pur)』か『ハイボール(mit Soda)』のような気がします。ハイボール以外にも、コーラやスプライトのような炭酸と混ぜ合わせるスタイルもよく見かけます(アマレット割のゴッドファーザーなども注文すればいけます)。
もっとも、アイラウィスキーみたいにコーラと割ると風味が損なわれるものもありますので、バーボンウィスキーとか、あるいはブレンデットウィスキーあたりがこうした飲み方に適しているのではないでしょうか。
ウィスキーの基礎知識
ウィスキーとは麦を発酵・蒸留させてできたアルコール度数の高いお酒のことです。起源はアイルランドとされていますが、詳細は不明です。ただ、現在も流通している有名なウィスキーの大半がイギリスやアイルランド産のものですから、おそらくあの辺りなのでしょう。
また、発酵させるさいに純粋に大麦のみを使って作るウィスキーを『(シングル)モルトウィスキー』と言い、小麦などによってつくられた『グレーン・ウィスキー』と『モルト・ウィスキー』を混ぜ合わせたものを『ブレンデット・ウィスキー』と言います。
また、例えばバーボンウィスキー(Four Roses, Wild Turkeyなど)のようにトウモロコシを発酵させてつくるようなウィスキーもありますので、正直定義としては難しいところがあります。
原産地としては上述の通りイギリスやアイルランドのほか、日本やアメリカ、微妙にドイツなどでも作られています。メジャーどころはやはりスコッチです。
ウィスキーの産地と種類
上述したとおり、世界各国で作られていることは作られていますが、基本的にはイギリス周辺で作られています。
全部紹介するときりがないので、今回はいくつかの産地と、そこの産地でお薦めのウィスキーをピックアップして紹介します。
ちなみに、ドイツウィスキーというものも存在することは存在するのですが、ドイツ人に言わせると『微妙』だそうです(私はまだ試したことがありません)。
1.Speyside Wisky(Scotch)
ハイランド地方はスコットランド北部を指しますが、その中の特に東部、スペイ川流域をで作られたウィスキーを『スペイサイド』と言います。
この小さな地域にスコットランドの過半数におよぶ蒸留所が存在すると言われており、そこで作られたウィスキーは甘味が漂う、飲みやすいものになっています。
有名どころでいくと、マッカラン(The Macallan)やグレンリベット(The Glenlivet)ですが、今回ドイツのバーでは店員さんのお薦めで『Glendronach』というウィスキーを飲ませてもらいました。
チョコレートのような微妙に甘い香りと味がしますので、女性の方なども飲みやすいかと思います。
2.Islay Wisky(Scotch)
スコットランドの西に位置するアイラ島で作られたウィスキーです。アイラ島は人口3000人あまりの小さな島ですが、アイラウィスキーと観光で有名な島です。
薬品のようなピート臭がアイラウィスキーの特徴です。そのため癖が強く、人によっては最初は受け入れられないかもしれませんが、慣れると病みつきになる、という人も少なくありません。
有名どころでは、ボウモア(Bowmore)やラフロイグ(Laphroaig)、アードベッグ(Ardbeg)などです。特に、ボウモアはアイラウィスキーの中では比較的癖が緩い方なので、最初に飲むには適しています。
以上でドイツでウィスキーを飲む、の記事は終了です。疲れた際に、一人でバーに行ってストレートのウィスキーを飲んでいると、何も考えずにのんびりできて息抜きにはもってこいです。