2014年が去って、2015年が幕を開けました。日本よりも8時間遅れでドイツも2015年の年明けです。
さて、日本では親戚と集まったり初詣にいったりとするのが通例ですが、ここドイツでの年明けは当然異なります。中には、いくつか注意しておかなければいけないことがありますのでここで紹介していきます。
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ドイツの年末年始
ドイツ語の元旦(1月1日)は『Neujahr』です。直訳すると『新年』ですが、この場合新しい年まるまる一年をさすのではなく、あくまで1月1日を指す言葉です。
ドイツの年末は花火とともにうるさく終えられます。12月31日のことを『Silvester』といい、この夜は遅くまでシャンパンを飲んだり騒いだりして、翌朝には道路という道路に花火の残骸が散らかっている様子です。
特にドイツの象徴、ブランデンブルグ門周辺では盛大に花火が打ち上げられ、さながらお祭り騒ぎが催されるようです(私は行ったことがありませんが)。
パリ広場の一角にあるこの門は、今では多くの祭りやイベント等で使われます。2006年には、ワールドカップのための大規模な祝賀会がここで催されましたし、毎年年末になると、年越しの花火があげられます。
参照元:冷戦の門 | 僕のドイツ留学
ちなみに、なぜドイツでは大みそかを『Silvester』というのかと言うと、これは12月31日に亡くなったローマ教皇のPapa Silvesterさんに由来しているようで、ニコラウスの日にしろクリスマスにしろ、12月はイベントが目白押しのドイツです。
Als Silvester wird in einigen europäischen Sprachen der 31. Dezember, der letzte Tag des Jahres im westlichen Kulturraum, bezeichnet. Nach dem römisch-katholischen Heiligenkalender ist Papst Silvester I. († 31. Dezember 335) der Tagesheilige. Auf Silvester folgt fast weltweit mit dem Neujahrstag der 1. Januar des folgenden Jahres.
(wikipedia参照)
『Silvesterは、ヨーロッパの一部で一年の最後である12月31日を指し示すためにつかわれている。この名前は、ローマ教皇の聖Silvesterにちなんでつけられている。ほとんど世界のどこの国でも、この翌日には新年を迎える。』
さてこんなロマンチックなドイツの年末年始ですが、旅行ならともかくいざ住んでいると面倒なことがいくつか生じてきます。以下、年末年始のドイツにおける注意点についてまとめますので、参考にしていただければと思います。

Brandenburger Tor
年末年始のドイツにおける注意点
年末年始のドイツはロマンチックですので、旅行で訪れる方も多いかもしれません。私も年末年始だけさっと日本からやってきてバカンス気分を楽しめたらいいのですが、あいにく住んでいると飽きてきます。
以下、そんなドイツの年末年始における注意点です。
1.クリスマスイブ、クリスマス、大みそか、元旦はほとんどの店が閉まっている
これは店によります。例えば午後だけ閉めるとか、午前だけ閉めるとか色々変化をつけてきますが、大体レストランもスーパーもデパートも閉まっていると思っておいてください(日本のコンビニも吉野家も365日空いているので、ありがたみが分かります)。
なので、ドイツに住んでいてこうしたオール定休日の日に遭遇しそうな場合は、以下のように対処しましょう。
- 対処法1.買いだめ
当たり障りのないやり方ですが、これが鉄板です。冬場ですので少々買いためておいてもダメにはなりませんし、冷蔵庫の中に食材を買いためて置けば2~3日は十分持つはずです。幸いにも、ドイツのスーパーなどは1月2日からは通常営業に戻りますので、実際には12月31日と1月1日を乗り切るだけですので、そこまで必要以上に備蓄する必要もないはずです。
- 対処法2.駅や空港に行く
もし買いだめを忘れた場合には、駅や空港といった公共の施設に行けばパン屋などが開いています(交通機関は無休です)。ただし、大抵通常では見られないほどの長蛇の列を作っていますので、わざわざパンやコーヒーのために並びたく無い場合は、やはり買いだめが良い手段でしょう。
- 対処法3.移民系の店を探す
もし駅が遠かったり雨が降っていて面倒な場合、最後の手段として『移民系(トルコ、華僑など)の店』を探すという方法があります。クリスマスにしろ大晦日にしろ、これらは『キリスト教』にまつわる行事ですので、トルコ人や、そもそも正月の時期が異なる中国人は平気な顔で営業している場合があります(特に掻き入れどきですので)。
とりあえず、買いだめを忘れた場合の対処法としては、駅の近くにさえ行けば、駅のパン屋や駅前のケバブ屋の何かしらが営業していますので、飢え死にすることは無いはずです。
2.年末年始の飛行機チケットはとても高い
普通に考えれば常識的なことです。誰しも年末年始は実家に帰りたがるので、必然的に飛行機の値段も跳ね上がります。
例えば、日本からドイツまで閑散期であれば10万円ちょっとで来れるところが、直前でもうし込むと20万円近く飛行機代だけでかかりますので注意が必要です。
これに対しては以下のような対処法があります。
- 対処法1.飛行機のチケットはできるだけ前に予約する
これは鉄板です。3ヵ月程度前に予約すれば、それだけで飛行機のチケットはがくっと安くなります。問題は、三ヵ月も前に予定がたてられるかどうかというところですので、もし予定がたてられず、やむを得ずぎりぎりになってしまった場合には以下の方法を使う手もあります。
- 対処法2.飛行機の時期をずらす
簡単な問題ですが、夏休みに入った日と、夏休みに入る前日の飛行機チケットはどちらが高いでしょうか?答えは当然前者で、場合によっては3~40パーセント近いひらきがでてきます。これは年末年始も同様で、クリスマスの週になると飛行機の値段が跳ね上がりますが、クリスマスの前の週あたりはぎりぎりセーフです(それでも普通よりは少し高いですが)。
語学学校でも大学でも、この辺は試験さえなければどうにか融通がきくと思いますので、どうしても安く里帰りされたいかたはこのように日にちをずらして帰国しましょう。
ちなみに、ドイツの学校ではこうした『安い飛行機チケットを予約するために、終業式前に子供の学校を休ませる』のは違法だそうで、罰金が科せられるそうです。
さて、ドイツ国内に住んでいる以上、飛行機を予約する際にも当然ドイツの旅行会社やインターネットを通じておこなわなければいけません。
ドイツのおみくじ「Bleigießen」
さて、最後にドイツの伝統的な占い「Bleigießen」について簡単に触れておきます。Bleiは鉛、gießenは注ぐですので、直訳すると『鉛注ぎ』です。

ドイツの鉛占い
Ein alter Brauch: Zum Jahreswechsel wird ein Stückchen Blei geschmolzen und in kaltes Wasser getaucht. Es erstarrt zu Formen, die der Deutungskunst viel Spielraum lassen
『これは古い習慣だ。年の変わり目になると、鉛を溶かして冷たい水の中に入れる。すると、様々に解釈できるように鉛が形となって凝固するのだ』
実際には、日本のおみくじのように元旦にやるのではなく、12月31日にやるようですが、上述の説明の通り、鉛を火で溶かして水の中に突っ込んで、凝固した形で未来を占うと言う面倒くさい遊びです。
友だちにきいてみたら『昔やったことがある』みたいな答えでしたので、毎年いい大人がやるようなものではないようです。
もし日本でやってみたい場合には『Bleigießen』とYoutubeで検索すれば関連動画がヒットしますので、見てみたら面白いかもしれません。
以上がドイツの年末年始事情についてです。