ドイツのタンデムパートナーとの勉強方法と日本語の勉強動機

以前タンデムパートナーの記事をまとめました。タンデムパートナーとはこちらが日本語を教える代わりに、相手にはドイツ語を教えてもらうというWin-Winの勉強相手を探すやり方です。

タンデムとは、『異なる母国語を持つ者同士が、異なる母国語をともに教えあう』というシステムの総称です。つまり、あなたがドイツ語を勉強したいと思ったら、同じく日本語を学びたいと思っているドイツ人を探し出して、お互いに教えあうということです。

今回は、このタンデムパートナーとの勉強やアクティビティについてもう少し踏み込んで記載していきたいと思います。

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日本語を勉強したいドイツ人とは

以前も書きましたが、日本語を勉強したいと考えるドイツ人パートナーを探すのは少し大変です。というのも、基本的にはドイツ人から見たら日本とは中国のさらに東にある島ですので、フランス語やスペイン語のようにつぶしの聞く言語ではないからです。

それでも、様々な理由を持って日本語を勉強したいというドイツ人は幸いにも一定数存在しており、あとは自分の会いやすいパートナーを探し当てる必要があります。具体的には、以下のような人々が日本語を勉強したがっています。

  1. 日本への留学、就職を考えているドイツ人(あるいは仕事で使用する)
  2. 日本の文化やアニメに興味を持っているドイツ人
  3. 日本人が好きなドイツ人

それぞれ特徴を述べていきます。

1.日本への留学、就職を考えているドイツ人(あるいは仕事で使用する)

このカテゴリに区分される日本語学習者は、一番まともでかつ一番日本語勉強意欲がありますので、タンデムパートナーにはうってつけなのですが、残念なことにその数はそう多くはありません。

中国にGDPで抜かれたとはいえ、政治が混乱しているとはいえ、日本は曲がりなりにも先進国ですし、ロボット技術や物理、工学分野の評価は海外ではまだまだ健在です。

そのため、ドイツ人の中でも『将来日本で働いてみたい』『日本でキャリアをつみたい』あるいは『次の勤務地が日本だ』というようなドイツ人も多少なりとも存在しているのです。

私のタンデムパートナーもまさにこのタイプで、将来は日本の銀行で働きたいという殊勝な考えの持ち主なのです。周りに踊らされているのではなく、自分の意志で将来を考えているのであれば、長続きもしますしタンデムパートナーとしては最適です。

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2.日本の文化やアニメに興味を持っているドイツ人

上述の『1.日本への留学、就職を考えているドイツ人』よりも数が多いのがこのパターンです。一見して動機が軽そうですが、中には日本の漫画が好き過ぎて日本語を毎日勉強した結果日本語がペラペラになってしまったおばさんなどもいるので侮ることはできません。

ただし、このように情熱を持って日本語を勉強するアニメ好きのドイツ人は勉強相手としては問題ないのですが、人間関係に癖があるような人も結構多いです。

アニメや漫画が好きで日本語を学んでいる、という人は、個人的には高い確率で『オタク気味』の人で、バーベキューしたり一緒に飲みに行ったりといったリア充な付き合いができるような期待はあまり持たない方がいいかもしれません。

ちなみに、海外の漫画・アニメの展開をみているとフランスや南欧諸国は比較的寛容ですが、ドイツはまだまだ「アニメ=根暗」みたいなステレオタイプの考え方をされることがありますので、ドイツのアニメオタクたちは日陰者の生活を続けているそうです。

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3.日本人が好きなドイツ人

さて、一番厄介なのがこの一見まともそうに見える『日本人が好きなドイツ人』です。噛み砕いて言うと性的な目で日本人の女の子(男の子)と仲良くしたい、と考えているおじさま方のことですので、会って勉強するには細心の注意が必要です。

タンデムの登録サイトには顔写真を載せるものもありますが、そこに女性がプロフィールをのせておくと、3日以内に高確率で連絡が来ます。

ただし大半が、今まで日本語をまったく勉強したことがないけど、君のドイツ語の助けがしたいんだ、とか言ってくるなんとか怪しい中年男性ですので、極力対面しての勉強は控えた方がいいかもしれません(可愛い男の子も対象に含まれます)。

逆パターンのドイツ人の女の子からのメール、というケースも一度あってやり取りしていましたが、すぐに向こうが飽きたのか音沙汰が無くなったので、やはり『日本人が好き』というのは、数ある日本語を勉強する理由の中でもっとも地雷率の高い理由だといえます。

具体的なタンデムパートナーとの会話と勉強

相手と自分のレベルにもよりますが、お互いにB2辺りのレベルであれば、時間を決めて交互に日本語とドイツ語で話す、というやり方が一番効率がよいと思います。

私の場合は相手が日本の銀行に勤めたいと言う学生でしたので、日本の会社のこと、日本で住むときの注意点、日本の歴史、などなどのテーマを話していたり、彼の持っている日本語のテキストの分からないところを教えてあげていたりするような形で、話題には中々困りませんでした。

また、受験前は大学に送るメールの添削をしてもらったり、大学の受験方法を教えてもらったりと、語学だけではなく学業生活の上でも色々なサポートをしてくれるような頼もしいタンデムパートナーです(色々な人の話を訊いていると、多分タンデムの中でもこれは当たりの部類です)。

問題は、私も彼も『先生』ではありませんので、文法の問題を聞かれてもうまく答えられないところです。例えば『動詞の語尾はどんな法則で変化するのか』とか『形容詞と形容動詞の違いは何か』とか、確かに小学生辺りで『サ行なんたら活用』とか『未然連用なんとか』とか勉強した気がしますが、そんなものとっくに忘れています。

同じようにドイツ語の文法の質問も、パートナーは基本そこまでうまく解説できるものではありませんので、とりあえずドイツ語で喋るネイティブの相手ができた、程度に思っておけばよいでしょう。

また、ドイツ語のレベルがC1程度になればタンデムでなくても、ネイティブのドイツ人と、たどたどしくはありますがドイツ語が話せる程度にはなりますので、タンデムパートナーの紹介などでネイティブの友達を作ることが可能になります。

大学受験の際に高確率で必要となってくるTestDaFやDSHの口頭試験を勉強するには、やはりこのようにネイティブとの日常生活を通じて、多くの生きたドイツ語を話すことが重要だと思いますので、学校だけではなく様々な場所でネイティブの友達を探していきましょう。

ちなみに、ドイツのバーなどは日本のように気軽に隣の人やバーテンダーに話しかけられるような雰囲気ではない(もともとその辺は閉鎖的な文化だそうです)ので、やはりタンデムパートナーからの紹介、がネイティブの友達を作るにはおすすめの道です。

余談ですが、日本語を勉強しているドイツ人には『シャープペンシル』をプレゼントすると喜ばれます。というのも、漢字を書くときに細かい部分はボールペンでは難しいので、特に漢字初心者はシャープペンが使いやすいと言ってくれます(ドイツの無印のシャーペンは500円くらいしていましたので、ドイツにくるときはシャーペンを余分に持ってきた方がよいかもしれません)。

また、タンデムパートナーとの交流は度々更新していきますので、今回はこのへんで終了いたします。