スイスフランの混乱や、ロシアルーブルの下落、ギリシャや南欧のデフォルト危機と、ヨーロッパの経済情勢はとても不安定ですが、それでも民主党の政権崩落以降、アベノミクスによる円安が続いています。
といわけで、今回はちょっとでも両替手数料を抑えて海外送金する方法をご紹介します(以前下記のリンク記事で紹介しましたが、今回はより詳しく解説したいと思います)。
海外送金なんて、向こうに行ってから考えればいいじゃん、ないしは向こうで両替すればいいじゃん、と思っていると損します。そもそも、海外に行ってしまうと日本の口座をオンラインで操作する以外に方法が無いので、そうでないと親御さんに頼んで毎回海外送金してもらう手間になります。
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外貨両替の基礎知識
さて、2015年2月のレートで1ユーロ131円前後ですので、銀行や空港など両替手数料が高いところで両替すると大体3円くらい加算されて、134円での両替となります。
他にもクレジットカードで日本の口座から引き落とすやり方などありますが、大体2円~3円くらい、相場から上乗せされたレートでの取引となります(1.5~2%程度の上乗せ)。
例えばドイツでの一年間の生活費1,000,000円(百万円)を手数料込みで上述のレートで両替しようとすると、7462ユーロとなり、現行レートで両替したときと比較すると150ユーロほど損をすることになります。
まあたかが150ユーロ(20,000円ちょい)ですのでこれを無視してもいいという人はいいのですが、嫌だという人は以前紹介した外貨両替のコンバージョンを使うやり方がお勧めです。
150ユーロあればいいホテルに泊まれたり、居酒屋に5回くらい行けたり、ロンドンまで2往復できるくらいのことができますので、私個人としてはされど150ユーロとはいえ余り損したくはありません。
また、クレジットカードから引き落としたり、というやり方では、例えばフランが高騰してユーロが急落した1月下旬のような好機にユーロをまとめて購入する、あるいは長期的な資金計画を立てる、ということができませんので、FX口座でまとめて初めから両替しておく、というやり方が個人的には安心でもあります。
この先ユーロ圏のどこかがデフォルトしたりして、ユーロが大幅に下落する可能性もなくはありませんが、黒田さんの日銀砲がまた火を噴いて円の価値が下がる可能性の方が当面高いので、あまりギャンブルをしたくない人は今のうちに円をユーロに変えておきましょう(為替相場なのでなんともいえませんが)。
FX口座を使った外貨両替の方法
さて、FX口座を使った外貨両替であれば手数料は上述の銀行や郵便局、空港などで両替する方法と比べて10分の1程度で済みます。なぜそんなに安いのかというと、本来は投機目的で外貨の売買をする人を対象にしていますので、たくさん売買をしてもらうために手数料を落としているからです。
空港などはそもそも『両替手数料』を生業としているので、その手数料をこれ以上安くはできませんが、FX会社は本来の目的が異なりますので、そこの両替機能だけうまく使えばおいしい所どりができるということです。
ちなみに、FX自体は個人的にはあまりお勧めしません。かなり投機性の高い金融商品ですし、生半可に手を出すと資産がゼロ以下になることも十分に考えられます。
また、中にはまがい物の業者も数多くいて(特に海外の離島などに本拠地を置いている業者)、絶えず消費者をとろまかそうとしていますので、あくまで目的がドイツ留学+海外送金であれば、これらに手を出すのはやめておきましょう。この世に美味しい話なんてないです。
また、信頼性という面でどこに着目できるかという質問ですが、個人的にはやはり一部上場を果たしている企業には比較的信頼がおけると感じています(100パーセントではありませんが)。
マネーパートナーズやマネースクエアジャパンなどが上場しており、個人的にはマネーパートナーズを愛用しています。空港でも外貨を受け取れるのがメリットの一つでもありますので。
口座の開設と外貨両替(コンバージョン)までと出金
口座は比較的簡単に作れます。以下のリンクから申し込みを完了すればFX口座の暗証番号などが送られてきて、それとともに外貨両替サービスも使えるようになります。
http://www.moneypartners.co.jp/
さて、口座を作ってからの手順ですが、これは一番最初だけ少し面倒です。まずはFX口座にお金を入金しておかなくては両替機能が使えませんので、クイック入金をクリックします。指定の銀行口座などを登録しておけば、今後入金する際にはそこから引き落とされるようになり、また手数料はマネーパートナーズが負担してくれるというメリットもあります。
さて、クイック入金をすれば定業時間内であればすぐに入金が完了しますので、引き続いて旧ウェブ取引画面を使うことが可能になります(最近画面の仕様が少し変わりました)。
旧ウェブ取引画面(両替)は画面の左側にありますので、ここをクリックすると両替画面に移行します。
両替画面では『外貨両替』を選択し、あとはいくら円からユーロに変えたいのか、を選択すれば外貨取引完了です。
最初の1、2回は面倒なのですが、慣れてしまえば世界中どこからでも外貨両替が可能になる便利な手法です。ちなみに、以前インターネットの注意点という記事でまとめましたが、外出先のWifiを使っての取引は、個人情報流出の危険性がありますので必ずやめましょう。
さて、ここまで色々とドイツのインターネット環境についてまとめてきておいてなんですが、上述したような公共の場、飲食店、ホテル、インターネットカフェなどでの個人情報のやり取りは実際のところ極力避けることが望ましいです。
さて、外貨両替が済んでもまだ銀行から降ろせません。ここから以下の2パターンの選択肢があります。
- 空港で外貨を現金で受け取る
- 国内銀行に出金する
以下、それぞれの詳細をまとめます。
1.空港で外貨を現金で受け取る
まずは外貨現金受け取りサービスからです。メニュー画面上部の『外貨受取(空港)』という画面から、成田、羽田、関西国際空港、中部国際空港のいずれかの空港にて外貨を現金で受け取れるサービスの手続きが行えます。
ただし、以下の条件がありますので注意しましょう。
- 受け取り金額の上限有
- サービス手数料の発生
- 依頼締切の存在
- 空港の窓口の受付時間
米ドル、ユーロ、ポンド、スイスフランの受け取り上限はそれぞれ3000(各通貨単位)まで(つまりユーロであれば3000€が限度額)と決められています。最も、これ以上の額を現金で受け取るような機会もないと思います。
一回サービスを受けるたびに500円の手数料が発生する仕様です。例え500円手数料が発生したとしても、1000ユーロを空港で両替したら3~4000円程度の手数料がかかりますので、やはり安上がりではあります。
これは少し厄介なスキームです。マネーパートナーズの外貨受取の依頼は、毎週『木曜日の13時』が期限です。その日までに申し込んでおくと、翌々週の月曜日から受け取りが可能になるのですが、木曜日の13時以降に申し込むと、翌々々週(つまり15日以上後)の受け取りになってしまいます(上述の写真に図示してあります)。
最後に、受付時間の存在です。成田であれば9:00~18:00,羽田であれば6:00~23:00と決められており、深夜便や早朝便だと受け取りできない危険性もありますので、事前に注意が必要です。
2.国内銀行に出金する
さて、上述の手順は現金でユーロを受け取る方法でしたが、今回の方法は国内銀行口座に外貨を送金する方法です。まず、この手順をする前の前提条件として、国内銀行口座に『外貨預金口座』を開設しておくことが必要になります。
私の場合はシティバンクで外貨普通預金口座を持っています。理由として、自身のドイツの口座を郵送で登録しておけば、オンライン手続きにていつでもドイツにユーロが送れるようになるからです(ただし、毎月の口座維持費がかかるところがネックです)。
また、マネーパートナーズから国内銀行口座への送金は『毎月最初の一回』は無料です(2回目以降は毎回4000円の手数料がかかりますので十分に注意しましょう)。 変更されました
日本で生命保険などの引き落としを残していたりと、何かとお金を移動させることが多い場合には、万が一に備えて『円→ユーロ→ドイツへ送金』のスキームをオンライン上で作成しておくことをお勧めします。