どのくらい自習しておくべき?ドイツ渡航前に準備しておきたい最低限のドイツ語

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ドイツの大学、大学院で勉強する場合はもちろん、向こうで生活する、仕事する、とありとあらゆる場面においてドイツ語の能力は必須となります。お金はかかりますが、一番手早い方法が現地の語学学校に通う方法ですが、予備知識なしでいくのはやはり考え物です。

今回は、スムーズに現地の言葉に慣れるために、渡航前に行っておきたい勉強方法について見ていきたいと思います。

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渡航前に求められるドイツ語レベルはどの程度か

まず、大学入試レベルを目指すのであれば、最終的にC1レベルが必要です。つまり、それを目指してドイツ語のスキルをコツコツと積み上げていかなければいけないのですが、どのみち初めからペラペラな人は、ハーフでもない限り滅多にいないでしょう。

一般的に、渡航前に推奨されているドイツ語の勉強時間は100時間程度だとされています。大学の第二外国語などで勉強していれば十分ですし、独学でやるのであれば一日一時間を三ヵ月ですので、まあやってやれない時間ではありません。

逆に、このくらいの下積みが無いと、現地での授業に中々ついていくことが難しくなります。理由としては、まず、現地の語学学校はドイツ語でドイツ語の授業をすることが一般的です(その方が上達が早いからとかなんとか)。

確かに、日本語でちんたら教えられるよりは、質問も全てドイツ語で行うので、当然学習スピードはあがりますが、その分、初学者には難易度が高いと言う、まさにもろ刃の剣のような勉強方法なのです。

また、文法用語も、当たり前のようにしれっと専門用語を出してきますが、これは一度、日本語で書かれた文法書などを読んで、概念だけでも理解しておく必要があります。外国人の中には、たまに背景知識ゼロの状態からスタートしようとする人もいますが(特にアラブ系の猛者たち)、そういう人たちは9割方ドロップアウトしていきます。

そうならないためにも、まずは、必要最低限の知識を身に着けてから渡航した方がいいというわけです。具体的には、何が必要かというと、以下の知識は最低限身に着けておくべきでしょう。

  1. 一通りの文法知識
  2. 一通りの語彙力

リスニングとスピーキングに関しては、まあラジオなど聴けるようになればより良いのですが、そこまでしなくても、どのみち現地に行けば慣れるので問題ありません。それよりも、文法的なところをおさえて置かないと、後々苦しみます。

次に、どのように勉強すればよいのかを見ていきましょう。

どのようにこれら身に着けるべきか

さて『一通りの』文法知識と語彙力と書きましたが、文法に関しては、時間が無ければ文法の教科書を一冊、流し読みする程度でも良いかと思います。理想を言えば、下記のような教科書で、文法を理解+練習問題といったふうに勉強しておくことが理想的ですが、文法自体英語と似ているので、英語ができるひとはそこまで時間をかけずとも理解できるはずです。

私も渡航前にこの教科書一冊独学でやりましたが、最低限の文法知識は網羅されていますので、お勧めできます(語学関係では、ベレ出版には結構良書がありますね)。

また、語彙力も重要です。というか、語彙力に関しては、先生などいなくても独学でできるところですので、上記の教科書で使われるような動詞、名詞、形容詞、副詞はおさえて置くと、現地に行ってからものすごく楽になります。

特に、ドイツ語には『男性名詞』『女性名詞』という概念が存在し、また副詞の語尾変化も語によってバラバラです。なので、英語よりも語彙の習得に時間がかかります。自分でできるところは自分で勉強しておく方が良いでしょう。

また、語彙の勉強は向こうに行ってからも毎日続けると良いでしょう。以前、TestDaFの項目で触れましたが、語学とは語彙の問題でもあります。知っている単語が多ければ多いほど、リスニングだろうがリーディングだろうが理解度は増しますし、情報の限られたテスト内においてはメリットになります。

このパートの勉強方法ですが、ラジオなどを毎日聞くことと、それと語彙力を増やすことが有効です。問題自体はゆっくり話されるので、そこそこレベルの達している人にとっては『速くて聞き取れない』ということにはならないはずですが『語彙が分からない』とあれば、どんなに耳がよくても問題には答えられません。

独学でやる以外にも、日本にあるGoethe学校に通うとか、語学学校を日本で活用することもできます。日本で働きながらドイツ語の向上を目指す人にはそれでもいいかもしれませんが、将来的にドイツの語学学校に通う前座として活用するのは、個人的にはお勧めしません(挨拶とか、簡単なところからですし、費用もかかりますし)。

あくまで、基礎の基礎程度であれば、やる気さえあれば独学でできるというところをおさえて置きましょう。

英語との関係

最後に、英語とドイツ語の関係についてみてみたいと思います。このドイツ語と英語、ともにゲルマン語族に属しており、非常に文法や語彙が似ています。つまり、英語の背景知識があるということが、ことドイツ語の勉強に置いては、大きなアドバンテージになるのです。

例えば、中学だか高校だかの際に『直接目的語』『間接目的語』の違いを勉強したかと思います。『I gave him books.』という文章において、him(彼に)もbooks(本)もともに目的語ですが、間接の対象なのか、直接の動詞の対象なのかということで、区分けがされています。

これと同じことがドイツ語でも発生し、特にドイツ語ではこの間接目的語と直接目的語の違いが重要な働きをします。他にも、助詞の働き、形容詞と副詞の違い、比較、などの概念は、英語からそっくり援用できます。

将来的に、ドイツに行くかどうか分からないという人であれば、とりあえずまずは英語を勉強しておくことをお勧めします。ドイツ語は将来使うかどうか分かりませんが、英語は100%使います。そして、英語を熟知しておけば、半歩先からドイツ語が理解できますし、実際に私の周りでも、ドイツ語の試験に早くに合格している人はみな、英語が得意な人でした(TOEICで800点以上は最低でも)。

ただし、文法が似ているので、ちょいちょい会話文の中で混ざってしまうこともあります。英語のネイティブでさえ、混ざると言っていましたので、英語とドイツ語を両方、非ネイティブとして勉強した我々にとっては、より一層混乱しやすいです。

以上、渡航前に行うドイツ語のお話でした。