ドイツ語を勉強するのには、たくさん人と話すことも大切ですが、ドイツ語のテレビや映画を見るのも一つの手です。
映画はスラングなどもでてきて割と敷居が高いのですが、教育ビデオなどでは割と分かりやすいドイツ語を使ってくれるので勉強がしやすいです。今回は教育テレビの王道『Quarks&Co』についてまとめていきます。
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Quarks&Coとは
Quarks&Coとは、WDRというドイツの民放が週一で放送している科学番組です。ドイツ語の勉強もB2くらいになってくると机の上の勉強から、テレビ、映画、新聞など、生活の中で自然にドイツ語を身に着けられるようなります。
私の場合も、B2辺りからは独学でテレビや読書をしているうちにドイツ語がどんどん上達していくのが分かりました。その中で最もお世話になったのがこの『Quarks&Co』です。
レベル的には、ドイツ語を学習し始めてから5~6ヵ月、レベルでいったらB2~C1あたりの実力があれば十分内容を理解できると思います(図でも説明してくれますし)。
時間は45分で、渋い感じのイケメンのアナウンサーが司会をつとめ、様々な科学分野の解説をしてくれる番組です。
例えば、宇宙開発の昨今の事情や、なぜ二日酔いになるのか、宗教、ウイルス、生命などなどです。私は割とこういった雑学的な教育番組が好きでしたので、ドイツ語を勉強しながら科学の勉強もできるというのでしっくりきました。
ちなみに、Quarkは科学用語の『クオーク』からきています。Coは何から来ているのかは知りませんが、多分化学記号のコバルトでしょうか。
Quarks&Coのおすすめプログラム
普通はテレビ放送がされていますのでテレビでも見れますが、一々その曜日まで待って観るのもあれですので、私はもっぱらYoutubeで鑑賞しています。
その中で個人的に、ドイツ語学習者に向けて面白かったプログラムをいくつか紹介していきます。(You Tubeにドイツ語のタイトルを検索でいれるとプログラムが出てきます)
1. Was wir über Glauben wissen
『我々は信仰について何を知る』
宗教というより『信仰』一般のお話です。ドイツはむろんキリスト教ですが、キリスト教だけでなく仏教、イスラム教、ヒンドゥー教などについても言及しています。
人類の起源と信仰のはじまりは、人々の『死』からです。それは特別な物として、人々はかつて弔いをはじめましたが、やがて『死』は人々に受け入れられるようになりました。
プログラムの中で友人を交通事故で失った男が、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教の信者にそれぞれ『生きる意味』を問う旅に出かけますが、当然それぞれの回答は異なります。
特に仏教徒は『問自体が宗教である』と言って西洋人を驚かせていましたが、東洋医学などの影響でドイツでも仏教への興味は徐々に高まっています。
また、興味深いデータとして、二人のがん患者に被験者になってもらい、一人は遠いところからがんが治るように見ず知らずにの人に祈ってもらう、もう一人は全く何もしてもらわない、という実験をおこなったところ、前者の治りが後者に比べ格段に良いというデータもありました。
(被験者二人には実験のことは知らされていないので、プラシーボではないそうです)
最後に司会の渋い男性が『科学は重要だが、科学でははかりしれない何かがこの世にはある』みたいな感じでかっこよくきめていました。
2. Das kleine 1×1 des Universums
『この小さな宇宙の「1×1」』
ちょっとタイトルの『1×1』の部分の意味が不明です。宇宙に関するプログラムですが、概要としては以下のような内容です。
Unser Universum steckt voller Geheimnisse und faszinierender Phänomene: Urknall, Schwarze Löcher, Dunkle Materie und Exoplaneten. Was ist das alles? Quarks & Co erklärt, wie das Universum funktioniert und gibt Antworten auf die wichtigsten Fragen über unseren Kosmos.
『我々の宇宙は秘密と、我々を魅了する現象に満ちている。ビックバン、ブラックホール、暗黒物質そして宇宙の外。これらはいったい何なのだろうか?Quarks&Coは今回、宇宙がどのように機能するかを説明し、宇宙についての重要な問いに答えていく。』
だからといって特段難しい用語が出てくるわけでもありませんし、用語に関しては想像すれば大体イメージが付きます(例えば『Schwarze Löcher,』は直訳すると『黒い穴』ですが、ブラックホールのことです)。
宇宙の始まりと終わりについても言及していますが、これに関しては現在の科学者が結論を出していないように、このプログラムでもいくつか仮説を紹介しています。
この辺は図で解説してくれているので、専門用語が分からなくてもなんとかなります。この司会の渋いおじさんが『我々は宇宙のことを何も知らないんだぜ』みたいに進めていくのがまたかっこいいです。
3. Risiko Schlafmangel
『睡眠不足の危険性』
日本人必見です。今日われわれの生活は睡眠不足≒勤勉みたいな扱いになっていますが、実際のところそれは危険と隣り合わせの生活です。24時間空いているコンビニや早朝の仕事、勉強など我々を睡眠不足たらしめる理由は様々です。
ドイツ人の平均睡眠時間は7時間だそうですが、研究結果によると実際には8時間、我々の体は通常であれば睡眠を欲するようです。
睡眠不足は当然『疲れ』を引き起こしますが、その結果様々な事故が発生する原因にもなります。居眠り運転による事故や、原子力発電所の事故が居眠りが原因で引き起こされたこともあります。
司会のおじさんが体を張って48時間寝ずにいたらどうなるのかみたいなことをやっていました。実験中も『新しいことをするのはいいことだ』と言って仕事をする姿勢は立派なのかどうか分かりません。
実際、48時間後には反射動作テストのようなもので、明らかに反応が鈍くなっていることが証明されていました。特に、車の運転など咄嗟の判断力が必要とされるようなものは、睡眠不足の際は禁物です。
さて、このような形で色々な科学分野でのホットなニュースを提供してくれるテレビ番組です。また、youtube以外にも以下の公式ホームページでおすすめのバックナンバーや記事の紹介があります。
http://www1.wdr.de/fernsehen/wissen/quarks/indexquarks100.html
個人的にはこの番組を見始めてからドイツ語のヒアリング能力があがったような気がしますので、もしヒアリングのトレーニングをしたい方は試してみるのもよいかと思います。