ドイツの復活祭(イースター):ウサギとイースターエッグ

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クリスマスだのカーニバルだの、ドイツは年がら年中お祭りをやっているイメージですが、春になるとキリスト教の伝統的なお祭りである『イースター祭(復活祭)』が開催されます。

今回は、イースター祭についてまとめていきたいと思います。

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イースター祭の起源とその風習

イースター祭(復活祭)は、キリストが死後三日目に復活したことを祝して作られた祝日だとされています。春分後の最初の満月という取り決めで、実際、イエスがいつ復活したかに関しては諸説紛糾しているようです。

Ostern (lateinisch pascha, von hebräisch pessach) ist im Christentum die jährliche Gedächtnisfeier der Auferstehung Jesu Christi, der nach dem Neuen Testament (NT) als Sohn Gottes den Tod überwunden hat.

(参照:wikipedia)

『イースター祭とは、毎年行われるキリスト教の祭事であり、新約聖書によると、神の子として復活を遂げたイエスキリストを奉る行事である。』

知っての通り、イエスキリストはユダの裏切りによってゴルゴダの丘で磔の刑に処され、天に召されますが、その3日後に『復活』します。その奇蹟を祝してのお祭りごとということですが、最近の若い人たちは、私の友達に言わせると、昔よりも信心深くなくなっているので、あまり深く考えずにとりあえず祝日ということで盛り上がっています。

一応伝統的なお祭りということで、イースター祭が近づくと、ウサギや卵のチョコレートが増えたり、町が彩られたりと、とりあえず仰々しい雰囲気になってきます。

あまり信心深くない私からしてみると、只でさえ使い勝手の悪いお店が閉まったり閉まるのが早くなったりと、あまり嬉しい行事ではないのですが、後述するように卵を使った遊びが人気を博して、子供たちには評判がいいようです。

イースターエッグとドイツの復活祭

イースターエッグとは、復活祭を象徴する食べ物のようで、復活祭になると、ヨーロッパの人々はこれを塗りたくって食べます。子供のいる家庭では、塗りたくった卵を庭に隠して遊ぶという謎の遊びが流行っているようで、日本人からしてみると『食べ物を粗末にしてはいけません』と聴こえてきそうです。

Ein Osterei ist ein gefärbtes, oft mit Motiven bemaltes oder verziertes Ei; gewöhnlich ein hartgekochtes Hühnerei, das traditionell zu Ostern verschenkt oder gegessen wird.

『イースターエッグとは、モティーフに彩られた、または装飾された卵のことである。鶏のゆで卵を使うことが通例で、復活祭にて隠されたり、食べられたりする。』

もともと、ウサギ(ウサギは主に繁殖のシンボル)しかり卵しかり、春節で豊穣を祈る文化と組み合わさってたまたま用意されたものが卵だったようで、特にそれ自体深い意味もなければ、バレンタインデーのように商業的意味もないようです。

塗ると言っても、色々方法があるようですが、最近では手軽に、コップの中に絵具(多分、有害ではない)ものを溶かして、その中に卵を沈めるというやり方を私は見かけたことがあります。

イースターエッグの作り方

イースターエッグの作り方

大の大人が寄ってたかって卵を装飾し、装飾し終えたら満足して食べて終わりですので、日本人の私からしてみたら謎の伝統です。

イースターエッグ

イースターエッグ

これで完成です。卵は日本と同様、塩にちょいとつけて食べてもいいですし、そのまま食べる人もいます。これが、小さいお子さんのいる家庭とかですと、庭に隠して遊ぶようです。

また、最近は幼稚園や小学校などでも、卵を隠す遊びがリクリエーションの一環として行われているようで、街中をあるいているとこんな木をの隙間に、卵のチョコレートを隠す父母さんの姿を発見しました。

衛生的にどうかと思いますが、そこはドイツですので、あまり気にしないのでしょう。

隠されたチョコレート

隠されたチョコレート

イースター兎がやってくる

卵のついでに触れますが、イースター祭にはイースターバニー(Osterhase)という兎もたびたび登場します。もちろん、ウサギは卵を産みませんが、ともに、豊穣・繁殖のシンボルとして春には祝福されています。

Der Osterhase ist im Brauchtum ein vorgestellter Hase, der zu Ostern Eier bemalt und im Garten versteckt. Die Ostereier werden am Morgen des Ostersonntags von den Kindern gesucht.

『イースター兎とは、習慣的に、復活祭の日に卵を塗って卵を庭に隠すと考えられている空想上の兎である。そして、この隠された卵は、復活祭の日曜日の早朝に、子供たちによって探されるのである。』

12月24日の夜に、こっそりお父さんが枕元においたプレゼントを、翌日子供が発見してサンタさんが来た!と喜ぶようなものでしょうか。

とりあえず、このイースター祭りの前後に行くと、ドイツでは卵型、およびウサギ型のお土産物がたくさん売っています。ともに、イースター祭りを過ぎるとクリスマスケーキのように安くなります。

こうした催しものの際はいいですが、イベントごとを過ぎた後も、このようにドイツの街中にはウサギがうろちょろしています。たまに、飼い犬などがほえたてて追いかけっこしている光景が見れますので、春の風物詩の一つとして愉しむことができるでしょう。