無視できない?ARD(ドイツラジオ)の受信料とその仕組み

ドイツに暮らしていると避けては通れない徴収が存在します。それはドイツ公共放送連盟(Arbeitsgemeinschaft der öffentlich-rechtlichen Rundfunkanstalten der Bundesrepublik Deutschland)、通称ARDと呼ばれるものです。今回は、このやっかいなARDについてまとめていきたいと思います。

ドイツでの引っ越しとARDの存在

まず、ドイツで引っ越しをする場合、必ず市役所に住民票登録(Anmeldung)を行う必要があります。これを、引っ越してから二週間以内(州によって異なるかもしれませんが)におこなわないと、罰金を科されます。

さて、住民登録を終えると、ドイツの公共放送連盟のほうにも新しい住所が登録されます。これは言ってしまえばNHKの受信料徴収のようなもので、ただし受信機の有無に関わらず、問答無用で手紙が来て、受信料を払えと言ってきます。

さて、どんな時にこの支払いの義務が生じるのでしょうか。NHKの支払いみたいに、家に受信機がなければうまくかわせるのでしょうか?

Beitragspflichtig ist jede volljährige Person, die eine Wohnung innehat. Als Inhaber wird jede Person vermutet, die die Wohnung bewohnt, bzw. Nach dem Melderecht in der Wohnung gemeldet oder im Mietvertrag als Mieter genannt ist.

「支払いの義務は、すべての住居を保持する成人に発生します。住居保持者とは、住居に住むもの、住民票登録を済ませたもの、借家人契約を締結したものなどすべて含まれます。」

受信機の有無、国籍に関係なく、この受信料徴収は、ドイツに住む人であれば誰でも発生します。非常にいやな制度です。さて、ところがこのシステム、いくつか裏技、というか、必ずしも全額支払わなくてもいい場合が存在します。

Wenn eine Bewohnerin oder ein Bewoher bereits den Rundfunkbeitrag zahlt, ist damit die Beitragspflicht aller Personen abgedeckt, die in der Wohnung leben.

「ただし、すでに同居人がこの契約を締結し、受信料を支払っている場合、同じ住居に住む他の同居人はすべてこの契約によって補完されるので、払う必要はなくなる。」

こんな一文が存在します。あれ、ということは、他にもそのフロアに住んでいる人がいるようなWGに住んでいる場合、受信料は他の人との分担で問題ないのか?ということになります。これがドイツの決まりごとのやっかいなところで、すべての文章には定義が存在します。さて、ここで「同居人」の定義とは一体なんなのか、「住居」の定義とはなんなのか、というところを丹念に見ていかなくてはいけません。

Eine Wohnung ist eine ortsfeste baulich abgeschlossene Einheit, die zum wohnen oder Schlafen geeignet ist oder genutzt wird, einen eigenen Eingang….

「一つの住居とは、住むため、あるいは眠るために固有の資質を収めた、建築上固定され、分離されたまとまりのことで、固有の玄関を有すもの….」

つまり、この建築上固定され、分離された空間に二人以上の人が住んでいれば受信料を折半してもいいよ、というわけです。これだけでは分からないので、もっと単純な例を引用しましょう。

Einzelapartments gelten als einzelne Wohnungen, wenn sie von einem allgemein zugänglichen Flur abgehen, unabhängig davon, ob sie über ein eigenes Bad oder eine Küche verfügen. Hier muss grundsätzlich jede einzelne Mieterin und jeder einzelne Mieter monatlich 17,50 € zahlen.

「固有のアパート(の部屋)は、要するにその部屋が共同エリアから隔離されていれば、風呂場やキッチンの有無に関わらず、一つの住居としてみなされる。その場合、すべてのアパートの住人は、それぞれ月々17.5ユーロを支払わなければならない」

Ausnahme: Empfängerinnen und Empfänger von BAföG-Leistungen können sich befreien lassen.

「例外として、BaföG奨学金の対象者は支払いが免除される」

出典https://www.studentenwerk-dresden.de/wohnen/faq-21.html

要するに、アパートや学生寮の人々は、風呂やキッチンを共同で使っていようが、一人一人の部屋を持っている以上、それぞれ別個に受信料を支払いなさい、というわけです。

あくまで私の認識ですが、以下のような形でまとめます。

WG(ルームシェア)の場合、受信料を折半しても問題なし。
アパート、学生寮の場合、受信料を折半できず、個々に支払う必要がある。

まあ、契約書にも「なにを持って単一住居とみなすかは、時と場合による」と書かれていますので、その辺は常識やら良識やらに従って決定する必要があるのではないでしょうか。

支払いを免除される場合・支払わなかった場合

さて、上のところで「BaföG奨学金の対象者は支払いが免除される」と書きましたが、他にも受信料の支払いが免除されるケースがいくつか存在します。

例えば、生活保護を受給している場合や、目が見えない、耳が聞こえない場合、などです。他にもここには載せきれないので、詳しくはARDのホームページを参考にしてください。

最後に、このARDの支払いを無視したらどうなるのか、という問題についてみてみましょう。

Was passiert, wenn man die Anschreiben des Beitragsservice einfach ignoriert?
Wer alle Briefe mit dem Logo von ARD, ZDF und Deutschlandradio einfach in den Papierkorb „weiterleitet“, muss damit rechnen, dass irgendwann der Gerichtsvollzieher klingelt.

「受信料の手紙を無視し続けていたらどうなるのか?
ARD/ZDFからの手紙をゴミ箱に送り続けていたら、いつか執行官が自宅にくることを覚悟しておく必要がある」

(参考https://anwaltauskunft.de/magazin/gesellschaft/kultur-medien/569/rundfunkbeitrag-was-passiert-wenn-man-nicht-zahlt/

ただ、これが本当に来るのかは多少疑わしいところで、留学での半年のみのドイツ滞在で、そのまま無視し続けて日本に帰った人を知っていますし、正直何が起きるのかは誰にも分からないところです。

まあ、将来的にドイツに住み、就職などを考えている場合、裁判沙汰にでもなったら嫌なので(ならないとは思いますが)、念のため月々17.5ユーロを払っておいたほうがよさそうです。

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