ドイツの夜は本当に安全か!?ドイツの治安と外出先での注意点

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時々ニュースを見ていると、海外で強盗にあった、暴行にあった、殺害された、という邦人の事件の話題が飛び込んできます。

夜中に一人で女性が歩けるのは日本くらいと言われているほど日本の治安は良いのですが、ひとたびヨーロッパにくるとそうした安全意識は根本から変えていかなくてはいけません。

今回はヨーロッパの中では比較的安全と言われているドイツの治安についてまとめていきます。

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ドイツの治安と日本の治安

もちろん、治安というものを目で見える数値にするのには難しいところがあります。一人当たりの犯罪被害件数でみるのか、テロへの脅威を加味するべきか、などなど、様々な要素が組み合わさっています。

狭義の『治安』ではありませんが、町の安定といった意味の統計であればイギリスのシンクタンクが毎年発表しているGlobal Peace Indexというドキュメントが比較的このテーマにそった解答をだしてくれています。

暴力犯罪の程度、小型武器の携帯のしやすさ、など24もの項目の数値を使って、最終的に144か国の国連加盟国の平和度を算出したものです。

世界平和ランキング

世界平和ランキング

さて、この統計結果によると、主要な国の平和度ランキングは以下のようになるそうです。

1位 アイスランド
2位 デンマーク
8位 日本
17位 ドイツ
48位 フランス

日本は例年5位程度でしたが、2014年には災害などの影響で若干順位を落としています。それでもベスト10入りしているアジアの国家は日本だけですし、日本は世界的に見ても異様に安全だということがわかります。

一方ドイツはというと17位です。もっとも、このランキングの項目には『武器の輸出数』『外国人の訪問者数』なども含まれているので、大国が順位を落とすのはある程度仕方がないところではあります。

詳細に気を配ってみると『暴力犯罪』『犯罪数』といった項目が、5段階評価で2(1が一番goodで、5が一番bad)となっています。

日本の場合暴力犯罪指数は最も少ない『1』の評価を得ていますので、それと比較すると若干治安が悪いとはいえます。

ちなみに、ドイツの路上に自動販売機が少ない理由は『壊される』からだそうです。もっとも、東欧や南欧と比較するとドイツ含め北欧の治安は比較的良いほうですので、必要以上に心配する必要がないのも事実です。

ドイツの治安と注意すべきこと

さてまずドイツの治安情報を収集する上で一番信頼できる情報源となるのが外務省の国別サイトです。例えば以下のように、都市別の注意点などをあげています。ドュッセルドルフを例に少し見てみましょう。

日本人が巻き込まれた犯罪は,貴重品の入ったバッグ等を椅子やカート,あるいは足下に置いたすきに,置き引きなどの被害に遭う状況が大半です。電車内の網棚等に置いた荷物を盗まれるケースも多発しています。 発生場所は,デュッセルドルフ中央駅,空港,レストラン(特に旧市街),ホテル,メッセ(見本市)等不特定多数の人が出入りしている場所です。 この他にも,車上ねらいによるカーナビ窃盗被害,旅行や出張中の空き巣被害,グループによる巧妙な手口でのスリ被害も多発しています。

他にも、ハンブルグ、フランクフルト、ベルリン辺りでの犯罪被害率がドイツ国内では高いようで、やはり人が集まるところではそれなりに犯罪も多発するというのが現状です。

ちなみに、同外務省サイトによると、バイエルン州はドイツで1.2を争うほど治安の良い州のようですが、それでも日本と犯罪被害率を比較すると3倍以上高い水準のようです。

また、ドイツ国内で犯罪とは別に注意しなくてはいけないのが『テロ』です。以前も紹介しましたが、ドイツは移民の割合が多く、親族まで合わせると人口の20パーセント近くが移民でその多くがトルコからの移民で構成されています。

もちろん偏見はよくありませんし、○○人だから××、といったステレオタイプな考えにとらわれるのも間違っていますが、こうした移民の人々によるデモ(特にイスラエル問題)も、昨年の夏ごろには各地で見られました。

8月にはドイツ各地でトルコ人やアラブ人のデモが勃発しました。ドイツ人は国民の20%が移民であり(もっとも多いのはトルコ人)、そうしたマイノリティの声も数があつまることで声高にさけばれているのです。

また、イスラム関連の世界情勢によって以下のような事件も発生しているのが実情です。

2012年12月には,ボン中央駅のホーム上に爆発物の入った鞄が放置される事件が発生し,当局は重大事件として捜査を行っています。また,2012年以降,約230人のドイツ人イスラム過激主義者がシリアへ渡航し,戦闘に加わるなどしていることが確認されており,警察等ドイツの治安関係当局はその帰国動向を警戒しています。

こうした移民などの影響もあり、近年ナチスの後継を標榜するネオナチの数も都市部を中心に徐々に増えてきています。ドイツは民族主義者が多いことでも有名で、特に黒人やアジア人を狙った暴力事件が発生している話もききます。

以下、ドイツ国内において身を守るために重要なことについてまとめていきます(あくまで個人的にですが)。

1.女性の夜道の一人歩きは避ける

日本が異常に治安がよいだけで、これはドイツだけでなくどこの国でも当てはまることです。特に冬場は夕方にはすでに外が暗くなってしまいますので、日没後は公共の交通機関を使用しましょう。

幸い、アメリカのように夜の地下鉄やバスが犯罪の巣窟と化している、というような話は聞きませんし、夜中もバスが走っていますので、家へ帰るのが遅くなったときは夜行バスなりタクシーなりを使いましょう。

また、駅の近くでも裏道に入ってしまうと薄暗く、人通りが少ない通りもありますので、夜道を歩くときには極力人通りの多い、にぎやかな道を歩きましょう。

ドイツの夜

ドイツの夜

2.外に持ち歩く荷物は必要最低限にする

よく、海外に行ったらパスポートは肌身離さず持ち歩きなさい、と言われますが、あくまでこれは旅行に限った話ですので、そこに住むときに遵守する必要はありません。

というより、恐らくスリにあう確率の方が、空き巣に入られる確率よりもはるかに高いと思いますので、パスポートや高額紙幣は家に置くか、そもそも紙幣はATMに入れておいて、必要に応じて少額ずつ引き出していくほうがよいと思います。

ただし、家にパスポートを置いておく場合も、ルームシェアやホームステイの場合は、念のためスーツケースに鍵をかけてその中に入れておいたほうがよいでしょう。

3.友人や家族に滞在先を伝えておく

これは犯罪に万が一遭遇してしまった場合に備えてですが、例えば一週間程度パリに旅行に行くとかであれば、あらかじめ誰かに必ず伝えておくようにしましょう。

そうすれば、何かトラブルに巻き込まれた際にも、家族や友人が早めに外務省などに連絡してくれて、初動が早まります。こまめに来ていた連絡が途絶え、不審に思った家族が警察に伝え、保護されたような誘拐事件もあります(国内での話ですが)。

4.観光地では一層注意が必要である

これは経済的にそうなっていますが、強盗犯やスリ犯などは当然都市部へ行けば増えますし、観光客が来ないような田舎にいけば減ります(ドイツだけでなく、どんな国でも該当します)。

そのため、語学留学などで治安の良い町を選びたいのであれば、ベルリンやフランクフルトのような都市ではなく、田舎町を選んだ方が重大な犯罪やテロに巻き込まれる可能性は低いと言えるでしょう。

その分娯楽や選択肢も少ないので、その辺はどこまで譲歩するかにかかっていますが、やはり今でもお金を持っていて体の小さい日本人は恰好のねらい目であるということを肝に銘じておきましょう。