今回は、ドイツ留学を心がけている方のために、5分くらいで簡単にドイツの大学院生活をまとめていきたいと思います。私の場合は、プロフィールにも詳細を記載しているように、社会人経験を経てのち語学学校でドイツ語を勉強、最終的にドイツの大学院に籍を置き、卒業にいたったわけです。
詳しいアクティビティなどに関しては、別途リンク先の記事を参照していただければと思います。
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ドイツの大学院に合格したら
まず、ドイツの大学院での生活は、鬼のようにたくさんの事務処理からはじまります。大学からの合格を知らせる通知は「Zulassungsbescheid」といい、メールまたは郵便にて自宅に届きます。日本に住所がある場合は、国際郵便でちゃんと届けてくれます。
その後、期日までに学費の振り込み、健康保険の加入、賃貸契約書の通知などをおこない、晴れて入学の日を迎える形になります。ここまでのやり取りは、基本的に、我々日本人の場合、インターナショナルオフィスを介するパターンが多いです。
続いて、入学後の具体的な大学生活について見ていきましょう。
入学と科目登録
ドイツの大学院には、学部生全員が集まるような集会もなければ、日本の大学のような語学共通のコースもありません。私の場合、同じ学科の20人程度と、プロフェッサーとアシスタントが数人、小さな部屋に集まり、一人ひとり自己紹介をして終わりました。
その後のフォローに関しては、何もありません。どんな科目を登録したらいいのか、どんな準備をしたらいいのか、そもそもそういった情報はどこで手に入るのか、など、こうしたものはすべて、自力で情報収集していく必要があるのです。
その場合、重要になるのが「友人」の存在です。ドイツの大学では、最初の1週間にO-Woche(州によってはO-Phase)と呼ばれる、先輩による後輩へのオリエンテーション期間があり、ここで、パーティをし、友人を作ったりする必要があります。そうしておかないと、その後、時間割の作成、セメスターの登録など、すべて基本的な部分で詰むことになります。
私の大学院では、卒業までに120CP必要で、そのうち30CPは卒論です。そのため、ドイツの大学院の目安として知られている4セメスターでの卒業を目指すには、90PC(15教科分)を3セメスターで消費しておく必要があるのです。つまり、1セメスター当たり5教科が、大学側から推奨されている適切な単位数です。
この、授業の登録はもっぱら、インターネットで行う形になります。講義への出席に関しては強制ではありませんので、あとからインターネット上で講義数を増やそうが減らそうが問題はありません。要するに、最後の試験にパスしさえすればいいのです。
そういうわけで、この科目登録の時点から、ドイツの大学院生活の大半を占める「講義と試験」との戦いが始まります。
講義と試験、セミナーとプレゼンテーション
上述のクレジットポイント(CP)を稼ぐ方法はいくつかあるのですが、ここでは、オーソドックスな、1.講義+試験、と2.セミナー+プレゼンテーション(論文提出)について見ていきましょう。
講義+試験に関しては、文字通り講義を受け、期末試験に臨む形です。日本のような出席点は基本的につきませんので、期末試験の一発勝負になります。
セミナー+プレゼンテーション(論文提出)は、セミナークラスに出席(こちらは出席点が加算される)、セミナーで扱ったトピックをもとに、論文を書き、最終的にそれに対してプレゼンをおこなうような形です。
試験は試験で、一発勝負ですべて決められてしまう分つらいところがあり、セミナーのほうは、予め膨大な量の時間を費やすことを前提とされた戦いですので、よく自室に立てこもり、黙々とキーボードをたたくような生活をしばらく余儀なくされる、両方とも学生泣かせのものです。
こうした試験、セミナーをクリアすると、晴れて春休み・夏休みがやってきます。ただ、休み期間中も必ずしも休めるわけではなく、特定のセミナーは休み期間中に始まったり、締め切りを設けていたり、前学期で受験しなかった試験は、休み以降に繰り越されることもありますので、休み期間中も勉強し続ける光景も多々見かけます。
こうした、勉強づくしのセメスターと休みを繰り返し、やがて卒論を迎えます。この卒論を書くにあたって重要なのが「教授とのコネクション」です。ドイツの卒論は、特定の教授と相談し、テーマを決め、教授にそのテーマを認めてもらわないと、そもそも書き始めることさえできません。
ですので、卒論の時期になるまでに、教授とのコネをいかに築いておくか、というのが重要なポイントになってきます。この卒論の作成は、大体4ヵ月程度かかるものと想定してください。場合によっては、企業でインターンをしながら、企業と一緒に卒論を書くような生徒もいます。
インターンシップと就活
ドイツの大学生にとって、学業と並び最も重要なことの一つが「インターンシップ」です。日本のような1日体験インターン、のようなものではなく、有給で、3ヵ月~6ヵ月スパンで行われる、実際の業務にほぼ等しいものです。
実際に、就職するためには、大学の成績よりもインターンシップのほうが重要だと言い張る学生もよく見かけます。最低でも1回、できれば2回程度、在学中にインターンを経験できたら理想的です。
そして、多くの場合、インターンシップと就活は密接に関係しています。インターンシップ先から内定のオファーがくることもありますし、直接ではなくても、そこでの経験を活かし、別の企業を見つけることもできます。
ドイツの就活は、日本と違い一斉に行われるわけではなく、インターネットなどで自分に合いそうなフィールドを探しつつ、卒業前あたりに就活を行う形です。
大学のアクティビティ
さて、今まで学業、インターンシップと、つらい部分ばかりをピックアップしましたが、在学中にはもちろん、学生らしく面白いイベントもたくさんあります。まず、大学側が主催するパーティイベントが、月に1回くらいはあり、そこで新しい友達を作ることができます。
スポーツ施設も、大学には併設されており、サッカー、ラグビー、テニスなど、あらゆるアクティビティを行うことが可能です。日本の部活のようにガチではないので、入りたければ入れますし、辞めたければ辞められます。
他にも、大学にはいろいろなプログラム、イベント、団体が用意されており、我々に関係ありそうなものでいうと「インターナショナル学生パーティ」「日本語同好会」「留学生のための就活支援」などです。
ただ、こういった情報は放っておいて入ってくるわけではなく、インターネットなどで拾う必要がありますので、注意しましょう。