今年は日本では台風のニュースであったり、噴火のニュースだったりと、なにかと自然災害のニュースが続いたように思います。ドイツでもそれらの報道はたびたびなされていました。
さて、日本では10月では暑さが残っており、暖房などはまだまだ先の出番だと思いますが、ドイツでは10月はすでに寒い季節です。
暦の上では、日本と同じでドイツでは9,10,11月が『秋(der Herbst)』となりますが、日本のように穏やかな秋、というよりはとても肌寒く、天気が悪く、多くの人が体調を壊すようなあまりよくない季節です。
今回は、そんなドイツの秋について、よいところも悪いところもひっくるめてまとめていきたいと思います。
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ドイツの秋
ドイツも四季がある国ですので『秋』の概念は日本とそんなにおおきくは変わりません。夏の間にたくさん葉をつけた梢が紅葉して、10月の半ばもすぎると地面がたくさんの落ち葉に覆われるようになります。
もっとも、日本と違ってドイツの秋の日照時間は夏に比べて極端に短くなることから、イメージのニュアンスとしては若干の違いがあるかもしれません。
また、芸術としても多くのドイツ詩人が秋を題材とした詩を残しています(ゲーテの『Herbstgefühl』とか、リルケの『Die Blätter fallen』で始まる詩とかです)。
夏の良い季節が終わって、次第に日が暮れやすくなっていく季節というものは、やはりインスピレーションを感じやすいものでしょうか。
さて今回は、ドイツの秋について、以下のような切り口でまとめていきたいと思います。
- ドイツの秋の気候
- ドイツの秋の病気
- ドイツの秋の食べ物
- ドイツの秋のファッション
以下、それぞれの詳細です。
1.ドイツの秋の気候
まずは、上述しました通りあまりいい印象のもたれない、ドイツの秋の気候について見ていきましょう。
気候としては、南と北で当然異なりますが、一般的な指標としてベルリンの気候を取り上げてみると以下の通りです。
9月 10月 11月
最高気温 20.1度 15.5度 9.3度
最低気温 11.5度 8.3度 4.1度
降水量 68.9mm 57.1mm 73.4mm
ベルリンは大体ドイツの東西南北の真ん中あたりに位置していますので、基本的にはこの数字を参考にしていただければ、南も北もある程度の予想はつけられるはずです。
ただし、これだけではイメージしづらいと思いますので、以下に東京の気候も参考として添付しておきます。
9月 10月 11月
最高気温 27.2度 21.8度 16.9度
最低気温 21.1度 15.4度 9.9度
降水量 209mm 197mm 92.5mm
日本は台風の影響で降水量が多いですが、まだまだ気温は温かです。
こうして比較すると、東京よりもドイツのほうが6~7度は気温が低いような形です。また、ドイツの日照時間は秋分あたりをさかいにめっきり減っていき、体調を壊すひとがとても多くなります(私も壊しました)。
緯度でいえば北海道辺りをイメージしていただければよいので、もし秋にドイツへ旅行などを考えられている方は防寒は万全で行きましょう(ちなみに、今年は異常気象とのことで、10月でも20度近い気温が続いていました)。
2.ドイツの秋の病気
上述しました通り、ドイツの秋はめっきり日照時間が減ります。ドイツ人にとって、この『日照時間が減る』というのは死活問題のようで、わざわざ10月にはこうした気候の変化を憂慮して、子供たちのために『秋休み』なるものが用意されているくらいです(2週間も!)。
最近では、ヨーロッパの異常気象の影響で雨が続いたり、猛暑がもどってきたりと問題が多いですが、今も昔も日光浴はドイツ人のたしなみの一つです。
さて、気候の変化(主に空気の乾燥)でウイルスに感染したり、お腹の調子を壊すことも多いのですが、ドイツ人がよく訴えるのが『Herbstdepression(秋の憂鬱)』というものです(日本でいう五月病みたいなものですが)。
例えば、新聞などでは以下のように取り上げられています。
Trübes Wetter, trübe Laune – im Herbst fühlen sich viele Menschen depressiv
『濁った空、濁った空気・・・秋には多くの人が憂鬱を感じるだろう』
日本では『豊穣の秋』『スポーツの秋』『食欲の秋』と、なにかと過ごしやすい気候の代名詞のような感じですが、ドイツでは秋は悪者のようです。
別に私は憂鬱ではなかったのですが、ドイツ人の知り合いから以下のような薬を紹介してもらいました。
別に怪しい薬ではありません笑 詳しい効能は忘れましたが、確か日光不足になるとこのビタミンDが体内で不足し、それがあらゆる症状を引き起こすので、このビタミンDさえのんでおけば大丈夫だよ!と言われました。
思い込みかもしれませんが、飲み始めてから調子が良くなった気がしないでもないので、もし鬱や体調不良などに悩まれている方は試されてみてはいかがでしょう?(7~8ユーロで購入できます)。
3.ドイツの秋の食べ物
日本でもよく『旬な物』には栄養素が多く含まれている、言われますが、これは確かに科学的にも証明されているようです。まあ、旬のもののほうが美味しい気がしますし、それで栄養も豊富とあれば一石二鳥ですね。
ドイツの秋の食材としては、以下のようなものが挙げられています。
〈九月~十一月の旬な食材〉
野菜:ブロッコリー(Brokkoli)、 カボチャ(Kürbis)、 ネギ(Lauch)、にんじん(Möhren)トマト(Tomaten)玉ねぎ(Zwiebeln)
9,10,11月とで、若干中身に変動はありますが、おおよそ上記のようなものが秋の食材として有名なものです。
スーパーでも、上記の写真のように豊富な食材が並ぶようになります。
4.ドイツの秋のファッション
秋になると上述したようにドイツの気温はがくっと寒くなりますから、日本でいうところの冬服のようなものがすでにブティックなどには並ぶようになります。
もっとも、ドイツ人男性の一般的な感覚では、そこまでオシャレに何万円もかけるようなものではないので、以下のようにデパートなどで購入しても問題ないと思います(どうしてもブランド品がいい方は、イタリアなど近くてすぐにいけるので、ドイツで買うよりイタリアに階に行った方がよいでしょう)。
服の値段は日本とそんなに大差ありません。例えばこの写真のセーターで言えば44ユーロ(5000~6000円)ですし、マフラーなども20ユーロくらいで購入可能です。
ただし、上着やコートなどは高く、普通のデパートなどに売っているものでも100~200ユーロ(15000~30000円)、少しいい店で買おうとしたら500~600(70000~90000円)ユーロすることもざらですので、このへんは日本から持って行ったほうがよいでしょう。
ちなみに、ドイツ人のサイズは日本人とはまったく違いますので、必ず購入前に試着を行うことにしましょう。
今回は、ドイツの秋に関するまとめでした。