日本とドイツ、ともに第二次世界大戦で米国に挑んで敗れ、戦後劇的な復興を遂げるという共通点があります。
最も、現在ドイツ人の感情として日本はかつての枢軸国の仲間というよりは(そもそも多くのドイツ人が第二次大戦は5月に終戦したと思っています)アジアの経済国として見ている印象です。
今回は、ドイツと日本という切り口で、ドイツに住んでいて気づいたことをまとめていきたいと思います。
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ドイツとヨーロッパの対日感情
凄い偏見と個人的なイメージから言うと、まずドイツで出会った人たちの中で親日だなと感じた印象があるのは、東欧、フランス、そして中韓含むアジア人です。
ロシア、ポーランドやブルガリアと言った東欧の人々は寿司とか日本の映画、ドラマが好きという人を結構見かけますし、フランス人はなぜか日本の漫画が大好きです(NARUTOの売り上げが日本を除いたらフランスが断トツトップです)。
海外にくるような韓国、中国の人々にはよくマスコミが騒ぐように反日感情を持っている人は少ないですし、逆にドイツ語、英語に加えて日本語も話せるようなインテリの人々が多いです。
さて、そうした人々に比べてドイツ人の対日感情はどうかと言うと『普通』というのがドイツに四年近く住んでみた個人的な印象です。別に特別良いわけでもありませんし、日本人だからといって罵詈雑言を浴びせられるような差別を受けたこともありません。
ただ、イギリス、ドイツ辺りは差別主義者が国内に多いのも現実ですし、アジア人だからといって不当な扱いを受けたと言う人の話も残念ながら聴いたことがあります。
あくまで一部での話ですので、私が住んでいる限りでは、特段の支障はありませんが恩恵もありません。一部の『漫画オタク』の人々は日本が異様に好きですが、彼らは周りから冷たい目で見られています。
ドイツからみた日本人と日独の歴史
以前、授業の中でたまたま日本の話題になって、日本に対するイメージをドイツ人に聞く機会がありました。これも個人的な体験なのであまりあてにはなりませんが、参考にはなるかと思います。
- 新幹線、ロボット技術が凄い
- 寿司、魚が大好き
- トヨタ、日産、ホンダが有名
- アニメーションが有名(特にポケモン)
- サムライ、ハラキリ
- 空手、柔道、剣道、茶道
- フクシマ、地震、原発
ドイツだけでなく、ヨーロッパ人が日本に抱いているイメージとは大概こんなものです。他にも、礼儀正しい、小柄、長生き、働き過ぎ、シャイ、などなど若干個人的要素の加わっているものもあります。
ついでに、少し日独関係の歴史についても見てみましょう。
日独の歴史
最初の日本とドイツの接点は、江戸時代の日本が開国した時期に遡ります。もっとも、このころはまだドイツはプロイセンとして揺れていた時期ですので、他の列強のようにアジアに植民地を作るような余裕はありませんでした。
さて、日本がドイツに接近し始めたのは明治時代になり、プロイセンも日本もともに新しい政府が樹立された1870年代に入ってからのことです。
ヨーロッパの小国から一転して列強にのし上がったプロイセンを手本とし、大日本帝国はドイツの軍隊や社会福祉制度を真似はじめます。この頃にドイツの医学用語や多少のドイツ語がそのまま日本語になりました(『ノイローゼ、アルバイト』など)。
ところが、この後ドイツと日本の仲は険悪になっていきます。三国協商でのドイツの強硬な姿勢により、日本はリャオトン半島を清に返還し、のちの日露戦争の発端となります。第一次世界大戦では青島のドイツ軍を日本が攻撃し、極東ドイツ軍の制圧に成功します。
このように、日本とドイツの関係はあくまで利害でくっつりたり離れたりするもので、それは第二次世界大戦直前の日独防共協定においても同じです。その直前までドイツは日中戦争中も中国を支援していました。
あくまで『敵の敵は味方』的な理論で世界のつまはじきだった二国が同盟を結んだだけで、特段そこに友情などがあったわけではありません(むしろこのころのドイツ人は黄禍論主義者ですので、黄色人種を見下しています)。
この後、日独はともに戦争に敗れますが、両国とも劇的な経済成長を遂げて息を吹き返します。現在では両国とも貿易上の重要なパートナーです。
ドライに両国の歴史をまとめるとこのような形になりますが、勿論個人や企業レベルではこのような机上の外交論ではとらえられない関係性や友好が存在していることもありますので、あくまで外交上の歴史として受け止めていただければと思います。
旅行先としての日本
最後に少しおまけです。現在ドイツでは日本への興味が次第に高まっています。一部ではアニメや漫画ですし、一部では東洋医学や仏教思想として、また一部ではビジネスとして、日本は安定して興味を抱かれています。
日本を訪れる観光客ランキングではドイツから来るお客は全体の10位で、ヨーロッパではイギリス、フランスについで3位です(ちなみにトップ3は韓国、台湾、中国です)。
今まで日本というと『高い、遠い』といって敬遠されてきた旅行先としての日本ですが、アベノミクスの影響で円安が進んでいることから、今年以降の訪日外国人の数はさらに増えると予想されており、ドイツ人も当然増えることでしょう。
ちなみに、以下は『日本専門旅行会社』のホームページですが、日本のおすすめの観光地のハイライトについて触れていますので少し触れてみます。ちなみに、日本1週間の旅行で2,700(40万円)ユーロ程度だそうです。
1.京都(金閣寺)
Das meistfotografierte Objekt in Kyoto ist der goldene Pavillion Kinkaku- ji. Diesen Namen trägt das Gebäude nicht umsonst, denn außen sind die Wände der zwei oberen Etagen mit Blattgold belegt. Einen besonders schönen Anblick hat man, wenn sich der Pavillion im See des Gartens spiegelt, so entsteht eine einzigartige Farbenkomposition.
『京都で被写体として最適なのが、金の寺院と名付けられた「金閣寺」である。この名前は伊達ではない、なんと二階部分が金箔によって覆われているのだ。さらに、湖に映った金閣寺の姿は無類の美しさを醸し出す。』
定番ですが、やはり日本と言ったら京都、京都と言ったら金閣寺を見学するのがお決まりのルートなのでしょう。
2.東京(新宿)
Shinjuku ist ein Teil Tokios und hat als Hauptattraktion das 48-stöckige Rathaus, das Tokio Metropolitan Government Office anzubieten. Das Gebäude ist 243 m hoch und beherbergt mehr als 13.000 Angestellte und Beamte. Besonders schön ist der Ausblick von der Aussicht im 45. Stock, an besonders klaren Tagen kann man sogar den Fuji- Berg sehen, ein wahres Erlebnis.
『新宿は東京の一区画であり、東京都の庁舎でもある、目を引く48階建ての都庁ビルが存在する。この建物は243mのビルであり、13,000人以上もの公務員が働いている。特に素晴らしいのは45階からの眺めであり、見通しの良い日には富士山を見ることができる。』
個人的にはサンシャインビルとかのほうが観光するには楽しい気がしますが、なぜか都庁ビルがお勧めスポットとして書かれています。
東京オリンピック前までに外国人旅行客をターゲットにしたビジネスがさらに拡大すると思いますが、それでも京都のように伝統のある町の景観はやはりそのままにしておいてもらいたいものです。