ドイツにもレンタルビデオ屋などはありますが、やはり映画はスクリーンで見た方が迫力があると思います。今回は、ドイツの映画館についてまとめていきたいと思います。
スポンサーリンク
ドイツの映画館事情:値段など
映画館事情といっても、日本とあまり大差ありません。普通に映画館に行って、チケットを買って、ポップコーン(ただしとても高い)を買って席について見るだけです。
一番オーソドックスな映画館は、Cinemaxxというチェーン店で、ドイツのいたる町に展開しています。一応、相場観が分かりやすいので、今回はこのCinemaxxのシステムなどを見ていきたいと思います。
1.映画料金
3Dの場合は少し高くなりますが、一般の映画の場合、曜日によって、また学生証の有無によって、5~8.5ユーロで見ることが可能です。一番安いのが火曜日に学生証を提示した場合で、この際には5ユーロ(750円程度)です。
ちなみに、これに1.5ユーロ上乗せすると特別席で見ることが可能のようですが、私は使ったことがありません
2.飲み物、食べ物
ドイツの映画館はぼったくり料金です。まず、飲み物ですが、ソフトドリンクの最小サイズで3.7ユーロ(約500円)です。ビールも売っていますが、0.5リットルで3.8ユーロですので、市場価格の3倍です。
映画館で定番のポップコーンや、ドイツ特有のナチョスも売っています。ポップコーンは最安で3.3ユーロですので、ソフトドリンク+ポップコーンを買うと、映画チケット並になってしまいます。
3.営業時間
曜日にもよりますが、昼から深夜まで営業しています。最終の映画は23時以降の開幕ですので、終わるのは1時を過ぎることもあります。他にも、22時開幕の映画が多かったりと、割と深夜枠に気合を入れています。
4.広告
日本の映画と同じで、席について最初の時は広告が流れます。ですので、その時間帯は外にいて、本編が始まってから中に入ってくる人も少なくありません。
5.客層
カップル、友人同士、グループ、一人、家族、と、なんでもありです。
6.言語
英語(字幕なし)、ドイツ語(字幕なし)がほとんどです。
おススメのドイツ映画
続いて、ドイツ(オーストリアや合作含む)のお薦めの映画に関してです。これらの作品は、すでに過去のモノですので映画館での公開はされていませんが、日本でもTSUTAYAなどで借りることができますし、ドイツの映画ネタになったら話のネタとして使えます。
1.ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(ドイツ)
1997年公開。多分、私が人生で最初に見たドイツ映画です。余命宣告をされた2人の末期患者が、最後に海を見たいと言って病院を抜け出し、海を目指すストーリーで、題名はボブディランの同名の曲から取られました。
あらすじを聞くとシリアスなのですが、コメディ要素が十分に盛り込まれ、割と退屈しません。というか、シリアスな中に雑さがある、という、まさにドイツ社会そのものの縮図のような映画です。
2.セブンス・コンチネント(オーストリア)
1989年公開。ピアニスト、ファニーゲームや隠された記憶、など物議をかもす作品に定評のあるミヒャエル・ハネケ監督の記念すべき最初の長編映画です。ロカルノ映画祭で賞を受賞していますが、かなり不条理な映画です。
なんの変哲もない家族の日常が、次第に均衡を失っていくさまを描いています。見終わった後には『・・・』となるような映画ですが、ハネケ監督と言えばオーストリアを代表する監督ですし(面白いかどうかは別として)、見ておいて損はないかと思います。
3. Sophie Scholl – Die letzten Tage(ドイツ)
2005年公開。以前もどこかでちらっと紹介したかもしれませんが、反ナチスとして戦ったミュンヘンの学生団体『白い薔薇』の女性闘士の実話をもとにした映画です。
なぜドイツはああにもナチスに傾倒したのか?このナチスへの狂乱的な陶酔は、心理学分野でもちょいちょい話題の的とされています。その中で、あくまで反ナチスの姿勢を崩さず、最後まで戦い抜いたSophieとその兄に焦点をあてています。
まあ、タイトルですでにネタバレしていますが『最後の一日』ですので、ハッピーエンドにはなりません。題材うんぬんより、ドイツ映画で見終わった後に『ああ、すっきりした!』というモノは少ないような気がしますが、国民性でしょうか。
ちなみに、こうした戦時中の反ナチスの運動を『ドイツの良心』と呼ぶ声があり、現在もドイツでは英雄的行動として伝えられています。戦後『私はナチスに賛成などしたくなかったのだ』という人が数多く現れたと言われていますが、彼らは本心からナチスに従っていたのでしょうか、それとも、アルコールのようにナショナリズムに酔っていたのでしょうか。やはり民衆の熱狂は恐ろしいものです。
4.暗い日曜日(ドイツ+ハンガリー)
聞くと自殺したくなるという、かの有名な『暗い日曜日』を題材にした映画です。女優のErika Marozsanがキレイです。舞台は戦前~戦中期間のブダペストで、ドイツ映画らしくナチスが絡んできます。
この映画も、少なくとも『明るい』ジャンルではありません。ハンガリーが舞台という時点で、まず少なからず背景が暗いですし、合わせてこの曲ですので、見ていて心地よいものではありません。
5.シェルプールの雨傘(フランス+西ドイツ)
最後におまけです。これは私の好きな映画なのですが、調べてみて西ドイツとフランスの合作だと知りました。公開は1964年とかなり古いですが、カトリーヌ・ドヌーブの全盛期が見れます。
ミュージカル仕立てで、セリフは一切ないのが見どころです。アルジェリア戦争を背景に、二人の若者の切ない恋を描きます。ネタバレすると嫌なので詳細は省きますが、とりあえずいい映画で、カンヌ映画祭でもグランプリを受賞しています。ただ、上述のようにフランスとの合作ですし、ドイツっぽさは全くありません。
ドイツ映画を見るメリットとか
まああえてメリットを考えてドイツ映画を見ることはないと思うのですが、その国の映画をみることで、言語だけでなく、国の独特の雰囲気とか、考え方、思想みたいなものが少しでも分かれば、いろいろとドイツへ行く上で役立つのではないかと思います。
もちろんドイツ語での映画ですので、字幕を消してそのまま見ることでドイツ語のヒアリング能力の向上にもなるかと思います。
ただ、この方法は語学で結構おすすめとして紹介されていますが、ここで紹介されたような映画とかは、独特の言い回し?使い方をしている言葉もあるので、そのあたりだけ注意してみていただければなと思います。
ヒアリング中心でDVDとか見るのであれば、初期のうちは現地の幼児向け番組とかのDVDを見るのがおすすめです(あまり面白くはないので没頭できませんがw)