ドイツの交通費は高いです。都市間の移動で、20ユーロ30ユーロかかってしまいますので、ちょっと遠くまで旅行しようとすると、交通費だけでえらいことになります。
しかし、ドイツの電車にはいろいろな面白いチケットが存在していて、それらを使うことでかなり安く交通費をあげることも可能です。大学に入るとセメスターチケットを手に入れることができるのでまた勝手が変わりますが、今回はとりあえずそうした特権をもっていないという条件で、ドイツの電車事情についてまとめていきたいと思います。
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ドイツの電車事情
ドイツの電車は元々、プロイセン時代に戦争の必要に駆られて発展しました。主要都市だけでなく、小さな都市も大体電車で近くまでいくことができますし、田舎町などもバスが普及していますので、ドイツ国内どこでも行くことが可能です。
モルトケは、あえてこの分散進撃を活用します。戦争において目指すべき理想形は、『ある戦場に敵よりも迅速に味方軍を集める』ことだからです。戦争は、戦う前にすでにほとんど終えられているのです。
この分散進撃を可能にしたのが、発達した鉄道網でした。これを駆使したモルトケは、オーストリア軍を各地で包囲・殲滅し、結果プロイセン軍を勝利に導きます。
以下、まずはドイツでメジャーな列車の種類を紹介していきます。
1.Regionalbahn(普通列車)
Die Regionalbahn (ehemalige Schreibweise: RegionalBahn; kurz: RB) ist eine Zuggattung („Produkt“) der Deutschen Bahn, die den klassischen Personenzug (P) und zuletzt den Nahverkehrszug (N) ablöste.
(参照:wikipedia)
『Regionalbahn(略してRB)とは、ドイツの列車の種類の一つで、過去の普通列車と近距離列車を引き継いだものである』
これは、ドイツで一番一般的な鉄道です。小さな町同士も、大きな町同士もこれによって結ばれており、2等列車にのればそこまで驚くほど高い、というわけでもありません。
2. Regional-Express(快速列車)
Regional-Express (kurz: RE, in Österreich: REX) ist die Bezeichnung einer Zuggattung in Deutschland, Österreich und Luxemburg. In der Schweiz wird der analoge Begriff RegioExpress gebraucht.
(参照:wikipedia)
『Regional-Express(略してRE)とは、ドイツの列車の一種類の名称であり、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルグクなどで使用されている。スイスでは似たような意味で「RegioExpress」という言葉が使われている』
先ほどの普通列車とは違い、快速列車です。他の都市まで早く着きますが、その分運行本数に限りがあります。
3.S-Bahn(都市内鉄道)
Eine S-Bahn ist eine Stadtschnellbahn und sowohl technisch als auch rechtlich eine Eisenbahn.
『S-Bahnとは、都市を快速で走行する列車であり、技術的にも、法的にもいわゆる「鉄道」との違いはない』
そこそこ大きな都市にいけば、この『S-Bahn』が街中を走行しています。日本でいうちんちん電車のようなもので、東京では世田谷線的なニュアンスです。
4.U-Bahn(地下鉄)
これに関しては説明は不要かと思います。大きな都市では地下鉄が運航していますが、都市間を繋ぐようなものではありません。
ドイツでの切符の買い方
基本的には、駅の券売機で購入するか、駅の窓口で買うかの二択ですが、券売機は初心者には難易度が高いです。というのも、ドイツの鉄道システムは、日本のように改札が無いので、万が一間違ったチケットで乗ってしまうと、後々巡回に来た駅員さんに50ユーロ程度罰金を取られます。
ですので、基本的に慣れないようであれば『駅の窓口』で購入する方法をお勧めします(券売機で買うよりすこーしだけ高くなりますが)。窓口は以下のように、整理券が用意されていて、これを持っているとモニターに自身の番号が表示されますので、その番号の書かれた窓口に行くような形です。
少し上級者になると、例えばドイツでの鉄道旅行を楽しくおこなう以下のようなお得なチケットを試してみましょう。
1. Schönes-Wochenende-Ticket(素敵な週末チケット)
直訳するとそのまま『素敵な週末チケット』です。週末だけ使えて、上手く活用すればドイツ国内どこまででも行ける優れたチケットです。以下のような制約がいくつかありますので、少し確認しておきましょう。ちなみに、券売機でも窓口でも買えます。
Gültigkeit(有効性)
Alle Regionalzüge (RB, IRE, RE) und S-Bahnen der DB AG und anderer teilnehmender Eisenbahnen, viele Verkehrsverbünde und einige Verbindungen in Nachbarländern
『全ての地方列車および、DBおよびAG(あるいは他の鉄道)によって運営されているS-Bahn、様々な交通機関、それと一部の近隣諸国の鉄道』
かなり大ざっぱな説明ですので、私もどこまでが厳密にこのチケットの範囲なのかは分かりませんが、とりあえずドイツのRegionalzüge をほとんど網羅している、いわば『青春18きっぷ』的なものだと考えていていただければいいと思います。
ちなみに、私は罰金が怖いので、大学でチケットをもらうまえには、念の為窓口でこの列車には使えるのか、というのを確認してから列車に乗るようにしていました。ちなみに、有効な期間は以下の通りです。
Gültig samstags oder sonntags von 0 bis 3 Uhr des Folgetages
『このチケットが有効なのは土曜日と日曜日だけである。また、日付が変わった瞬間の0時から、日をまたいだ翌日の3時まで有効である。』
Preis(料金)
40,- Euro für 1 Reisenden
『一人当たり40ユーロ』
Ab 4,- Euro Aufschlag pro Person für bis zu 4 Mitreisende
『そこから、一人増えるごとに4ユーロずつ値段が上がる』
Eigene Kinder und Enkel unter 15 Jahren in vielen Fällen kostenlos
『旅行客自身の子供、または15歳以下の孫は、多くの場合で無料である』
多くの場合、とは何なのかよく分かりませんが、和訳するとこうです。
2.SchönerTagTicket(素敵な一日チケット)
これは、私の住んでいるドュッセルドルフの属している、Nordrhein-Westfalenだけで使えるチケットです。先ほどのSchönes-Wochenende-Ticketとの違いが、まず「平日でも使えること」と「安い」ことが挙げられます。代わりに、Nordrhein-Westfalen州限定ですので、遠出できないというデメリットもあります。
それと、下記に記しましたが、使える時間も違いますので注意しましょう。
Gültigkeit(有効性)
Alle Nahverkehrszüge und Verkehrsverbünde in Nordrhein-Westfalen
『Nordrhein-Westfalen州内の全ての近距離列車とそれと提携したもの』
Von 9 bis 3 Uhr des Folgetages, am Wochenende ganztags
『平日は9時から3時まで、週末は終日』
Für 29,- Euro als SchönerTagTicket NRW Single
『一人なら29ユーロ』
Für 42,- Euro als SchönerTagTicket NRW 5 Personen
『五人までなら42ユーロ』
Eigene Kinder und Enkel unter 15 Jahren in vielen Fällen kostenlos
『旅行客自身の子供、または孫は、多くの場合で無料である』
どちらのチケットも、5人まで一緒に乗れるという点が大きいです。SchönerTagTicketであれば5人でも42ユーロですので、正味一人頭8ユーロで自由に行き来できることになります。