『だから』『なので』『したがって』のような接続詞は日本人は割と好きだと思います。ドイツ語ではこうした理由付けをdeshalb,deswegen,darumなど用いて表現します。
『目覚ましが鳴らなかったんだよ!だから今日はおきれなかったんだ!』『言い訳をするんじゃありません!』みたいな会話がのび太君とのび太君のママの間で繰り広げられることでしょう。
要するに、『Aという事態がおきた(原因)』→『それゆえ(したがって)』→『Bという事態がおきた(結果)』というふうに使います。
今回はこの、『理由付けを行う』語彙についてまとめていきたいと思います。
ちなみに、以前『weil』の項で『なぜなら』をまとめたので、参考にしていただければと思います。
ドイツ語で、副文の形をとる接続詞は、weil, wenn, ob, dassなどがありますが、今回はweilについて触れていきます。
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英語における理由づけ
基本的にはsoやthereforeを用いて理由付けをします。ただし、注意しなくてはいけないのは、『so』は接続詞であり、『therefore』は副詞である、ということです。副詞は文と文を繋げないので、文を繋ぐ場合には『,』で区切る必要があります。
ちなみに『so』も同じく理由付けの意味で用いる場合には文と文の間に『,』が必要です。
(私は疲れていたので、早めに帰った)
例2:I missed the bus, therefore I’m late today.
(私はバスを乗り過ごしたので、遅刻してしまった)
ちなみに、thereforeはオフィシャルな表現なので、あまり口語では使わないようです(私もネイティブの使っているのをあまり聴いたことがありません)。
ドイツ語における理由づけ
ドイツ語もthereforeと同じく、接続詞ではなく以下のような副詞を使って文章をつなげることに注目してください。
darum /deshalb /deswegen
これらはすべて副詞なので、文頭に来た場合2番目には『動詞』を持ってこなくてはいけないのです。ちなみに、この3つはどれも意味は『まったく一緒』です。なので話すときや書くときは全部憶えておく必要はありませんが、読解などでドイツ人はこれらを使い分けるので、ついでに全部憶えてしまいましょう。
さて、これらの使い方を見る前に、以前weilをまとめましたので、先にその一例を見てみましょう。weilとは『~のために』という副文をつくる接続詞でしたね。
例1.Ich kann nicht kommen, weil ich krank bin.
(私は病気だったので、来れなかった。)
『私は来れなかった』と『なぜなら病気だったからである』という文を、weilが結んでいます。
これを原因と結果に分けると、
- 原因:『(なぜなら:weil)私は病気だ』
- 結果:『私はこれない』
となります。
これが、deshalbを使うと以下のようになります。
- 原因:『私は病気だ』
- 結果:『(それゆえdeshalb)私は来れない』
原因の文章と結果の文章を、deshalbを用いてつなげればよいので以下のようになります。
例2:Ich bin krank, deshalb kann ich nicht kommen.
となります。weil文と見比べてみましょう。
例1:Ich kann nicht kommen, weil ich krank bin.
例2:Ich bin krank, deshalb kann ich nicht kommen.
例1、例2ともに、いわんとしていることは『まったく一緒』ですが、文の作り方として、『私は来れない、なぜなら、私は病気だ』か『私は病気だ、それゆえ、私は来れない』かの違いです。
この『原因』と『結果』の違いはかなり重要です。長文を読むときなども、weilやdeshalbが出てきたら注目して、何が原因で何が結果なのかをしっかりと見極めましょう。