さて、以前『時制』の基本概念についてまとめましたので、今回はその中の一つ、『現在完了形』についてまとめていきたいと思います。時制の概念については以下のまとめを参照にしていただければと思います。
今回は、主に『過去系』をメインに、『時制』についてまとめていきたいと思います。
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英語の現在完了とドイツ語の現在完了
英語との比較を例に出しますが、基本的な考え方に関しては依然触れましたので今回は省略します。要するに、
英語 :『過去をひきずっている状況』
ドイツ語:『口語表現いっぱんにおける過去系』
が現在完了形を用います。
さっそく、一例を見てみましょう。
英語 :I have seen him in Tokyo.(私は彼を東京で見かけたことがある)
ドイツ語:Ich habe ihn gestern in Tokio gesehen.(私は東京で昨日、彼を見た)
現在完了文を作る上での、英語との比較とポイントをまとめていきましょう。
- haveとhaben(完了の助動詞)
- 時制句の使用
- 過去分詞の位置
英語と同じように、ドイツ語でも「haben」を使います。ただし、後述しますが、seinを用いる場合も存在します。
英語においては、過去系は点を、現在完了は線を表すので、現在完了と『時制句(last year, yesterddayなど)』は基本的に一緒に用いることはありませんが、ドイツ語においては『時制句』を含むことが可能です。
英語においては、haveのすぐ後に過去分詞系の動詞が来ますが、ドイツ語においては『文の最後』に過去分詞系が来ます。
続いて、以上の英語との比較を参考に、ドイツ語単独でルールを見ていきましょう
ドイツ語における現在完了
以下、ドイツ語で現在完了を作る際のルールです。
1.habenまたはsein+過去分詞の形を一般的に用いる
以下の2つの例を見てください。
例1:Ich habe ihn gestern in Tokio gesehen.
例2:Ich bin gestern in die Kneipe gegangen.
例1のほうでは、habenの第一人称変化形のhabeが、例2のほうではseinの変化形のbinが用いられています。
habenを用いた現在完了が80~90%といわれていますが、ときにはseinを用いる現在完了も存在します。
以下のようなときに、seinを用いる決まりになっています。
- A地点からB地点への移動を表す動詞
- 何か、主体の状況が変わった時
- 上記のルールに適用されない動詞
(gehen:行く, kommen:来る, reisen:旅行する、など)
(einschlafen:眠りにつく, sterben:死ぬ、など)
(bleiben:留まる, passieren:生じる、など)
2.habenやseinを用いない一部の例外
seinやhabenなどを現在完了形で使うことはほとんどありません。助動詞とかぶってしまいます。
ですので、例えば口語文で『私は昨日東京にいた』としたい場合は以下のようになります。
例1:Ich war gestern in Tokio.
『私はプレゼントを持っていた』であれば例2のようになります。
例2:Ich hatte ein Geschenk.
また、助動詞も現在完了ではなく純粋な過去形を用いますが、これは法の助動詞の項目でまた詳しくのべていきます。
3.過去分詞系をつくる
英語と同じで、過去分詞系が存在します。基本的には、『ge+不定詞の語幹+t』の形で作りますが、まあ実際に下の例を見ていただければと思います。
現在形:kaufen・・・過去分詞形:gekauft
現在形:arbeiten・・・過去分詞形:gearbeitet
さて、英語のときに我々を悩ませた『不規則動詞』がここでも登場します。全動詞のうちの20%くらいが不規則動詞と言われていますが、私も定かではありません。
現在形:rufen・・・過去分詞形:gerufen
現在形:schreiben・・・過去分詞形:geschrieben
現在形:tun・・・過去分詞形:getan
たくさんありすぎるので、ここでは全部紹介できません笑 ひたすら表などをみて憶えていきましょう。
4.過去分詞系を文章の末尾に持ってくる
現在形 :Ich spiel Baseball.
では2番目に動詞が来ていましたが、ここには助動詞の『have』か『sein』がくるので、動詞の居場所はなくなります。
現在完了形:Ich habe Baseball gespielt.
したがって、上記のように一番最後のところに追いやられます。
文章がどんなに長くても過去分詞が最後にくるので、話している最中など最初のうちは忘れてしまうことも多いですが、これに関してはひたすらネイティブと話して慣れていくしかありません。
おさらい
さて、最後にドイツ語の現在完了形の作り方をおさらいして終了にします。
現在完了形のポイント
- habenまたはsein+過去分詞の形でつくる
- ただし、例外的な動詞は過去形を用いる
- 過去分詞は、『ge+不定詞の語幹+t』の方法で作る
- ただし、不規則動詞は上記のルールは当てはまらない
- 過去分詞は文末にもってくる
『過去形』に関してはA2レベルの話になるのでまた後述していきますが、現在完了のほうが面倒ですのでそんなに心配いりません笑