英語とよく似た発音をするドイツ語の助動詞:助動詞とは!?

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今回のテーマは『助動詞』です。これがなければ時制も可能態もあらわせないので、言語にとってかなり重要な品詞の一つです。

助動詞には主に3種類の用途があり、ドイツ語においては使い勝手が複雑なのでたくさんの説明を要するのですが、今回の目的はあくまで『助動詞とは何か』ということなので、その詳細までは触れません。

ただし、今後未来形や受け身形などを勉強していくうえで『助動詞』の知識は不可欠なので、まずは基本概念をおさえて置いていただければと思います。

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助動詞とは

百科事典マイペディアによると以下のように定義されています。

品詞の一つ。英文法などでは本動詞の不定詞または分詞と結合して特定の時制、態、法を表す特殊な動詞をいい、時制の助動詞(will, shall, habe, be)、受け身の助動詞(be)、法の助動詞(will, shall, may, must, can, doなど)に大別される。

これだけではイメージがわかないかも知れませんので、以下に具体例をまとめていきましょう。

日本語では例えば次のように動詞の活用として使われます。

原形:書く→可能:書ける
原形:行く→希望:行きたい
原形:来る→希望:来るらしい

このように、動詞の原形になんらかの新たな意味を付着させる役割を持ちます。文にしてみると以下のとおりです。

原形:私はスワヒリ語を書く。
可能:私はスワヒリ語を書ける。

このように、『書く』が『書ける』に変化したことで、『単なる動詞』が『可能』という意味を持った動詞になります。

これは日本語の特徴なのですが、欧州言語では文節が区切られているので、『can write』のように『助動詞 動詞』のような使い方をします。

さて、マイペディアの引用にも書いてあるように、以下『時制』『受け身』『法』の区別が分かりやすいと思いますので、以下これらに絞ってまとめていくことにしましょう。

英語とドイツ語の時制を表す助動詞

ではさっそく『時制』『受け身』『法』のそれぞれの違いを見ていきましょう。

1.英語における『時制』を表す助動詞

現在形:I go to the Japanese restaurant.
(私は日本料理屋へ行く)
未来形:I am going to go to the Japanese restaurant.
(私は日本料理屋に行くつもりだ)

現在形  :I go to the sushi-restaurant.
(私は寿司レストランに行く)
現在完了形:I have been to the sushi-restaurant.
(私は寿司レストランに行ったことがある)

上記の場合ででは、『be +ing』が未来の時制を、『have』が過去の時制を表す助動詞になっています。

さて、ドイツ語においても『助動詞』は存在し、英語と同じように動詞と併用することで、動詞に特別な意味を持たせることが可能です。

2.ドイツ語における『時制』を表す助動詞

現在形:Ich gehe in das japanische Restaruant.
(私は日本料理屋へ行く)
未来形:Ich werde in das japanische Restaruant gehen.
(私は日本料理屋に行くつもりだ)

現在形  :Ich gehe in das Sushi-restaurant.
(私は寿司レストランに行く)
現在完了形:I bin in das sushi-restaurant gegangen.
(私は寿司レストランに行った)

未来形の場合は主に『werden』が、現在完了形の場合は『haben(sein)』が、それぞれ助動詞の働きを担っています。

英語とドイツ語の受け身を表す助動詞

1.英語における受け身の助動詞

能動:Tom close the window.
(トムはその窓を閉める)
受動:The window was closed by Tom.
(その窓はトムによって閉められた)

英語の受け身の場合、『be』の変化形が助動詞として過去分詞と組み合わさることで、『~された』の意味を表します。

2.ドイツ語における受け身の助動詞

能動:Tom macht das Fenster zu.
(トムはその窓を閉める)
受動:Das Fenster wird von Tom zugemacht.

ドイツ語の場合、未来形と同じように『werden』の変化形が過去分詞と組み合わさることで、『~された』の意味を表します。

また、英語のように助動詞のすぐあとに過去分詞がくるのではなく、ドイツ語の未来形と同様に、文の最後にまわされています。

英語とドイツ語の法を表す助動詞

1.英語における法の助動詞

原形:I speak Japanese.
(私は日本語を話す)
可能:I can speak Japanese.
(私は日本語を話せる)

原形:I study English.
(私は英語を勉強する)
義務:I must study English.
(私は英語を勉強せねばならない)

法の助動詞において、助動詞のあとには動詞の原形がきています。『can speak』『must study』。また、英語においては助動詞が格変化していないところに注目してください。主語がHe だろうとYou だろうと、canはcanです。

2.ドイツ語における法の助動詞

原形 :Ich spreche Japanisch.
(私は日本語を話す)
可能 :Ich kann Japanisch sprechen.
(私は日本語を話せる)
二人称:Du kannst Japanisch sprechen.
(君は日本語を話せる)

原形 :Ich lerne Deutsch.
義務 :Ich muss Deutsch lernen.
二人称:Du musst Deutsch lernen.

助動詞+動詞の原形をつかうところは英語と同じですが、主語が変わると助動詞の語尾が格変化をおこすところに注目してください。

法の助動詞でもこれまたドイツ語では動詞の原形は文の最後にあとまわしになっています。

まとめ

重要な点としては以下のポイントをおさえておいてください。

  • 助動詞が加わると、動詞は文の最後にくる
  • 助動詞も格変化をおこす

以上の2点です。実際には、『未来』『受け身』『法』のそれぞれにおいて詳細を説明していく項をまた設けますので、今回は基本概念され理解していただければ十分かと思います。