海外旅行保険の基礎知識その4:その他の便利な特約

海外旅行保険を考える上で、重要なのは「ケガ・病気に対する保険」と「他人に対する損害賠償保険」です。これ以外の保険に関しては、ついていたら便利だな、程度のもので、必須ではありません。

今回は、そうした「ついていたら便利」な特約オプションについて紹介していきたいと思います。

その他の海外旅行保険、海外旅行保険に関する基礎知識に関しては以下のまとめ記事をご覧ください。

海外旅行保険に関するまとめ記事

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海外旅行保険につけられるその他オプション特約

以下、海外旅行保険につけられる特約の内容を簡単に紹介していきますが、もちろん、保険会社ごとに支払われる場合は異なり、その約款の中身も異なります。あくまで一般論としてとらえてください。

弁護士費用特約

個人賠償責任保険のところで書きましたが、基本的に海外での損害賠償請求事案に関する示談は、被保険者個人が行い、保険会社はノータッチです。

さて、海外旅行保険付帯の個人賠償責任保険をみると、こちらもやはり「示談サービス」をおこなってくれる保険会社はあまりありません

ただ、それだともつれたときに大変なので、弁護士を雇った場合の費用を出してあげるよ、というのがこの特約です。

留守宅家財盗難補償特約

海外旅行中に万が一泥棒などに家を荒らされた時の被害をてん補してくれる保険です。火災保険と重複する部分が大きく、重複保険にならないように注意が必要です。また、盗まれたものだけでなく、盗まれる際に壊された扉なども補償の対象になるケースが多いです。

旅行変更費用補償特約

旅行者が、突発的なやむを得ないトラブルで帰国しなければいけなくなった時に、その際の帰国代のチケットなどをてん補する保険です。「やむを得ない状況」とは、親族が亡くなったり、裁判所に呼び出されたり、と文字通りやむを得ない状況である必要があり、会社の会議が急に入ったから、などの理由は認められません。

緊急歯科治療費用補償特約

医療保険のところで、基本的に「歯医者の治療」の保険金は担保されないと書きました。

その他のケースで注意しなくてはいけないのが、国内での持病・既往症、妊娠出産流産、自ら積極的におこなったケンカ、歯医者治療、などに関しては保証されない会社が多いです

確かに、短期の滞在で急激に歯の状態が悪化することは考えづらいですが、それでも、詰め物が取れてしまうこともありますし、1か月程度海外を周遊していたら虫歯が悪化する可能性も否定できません。そんな際の治療費を負担するための保険です。

また、同じように「妊娠関連」も本来は保険金が支払われない性質のものですが、特約によって有責にすることが可能な会社もます。

ペット預入延長費用

ちょっと変わった、しかも限定的な特約で、被保険者のフライトが遅れたり、パスポートを無くすなどの理由で帰国が遅れた場合に、ペットの飼育のための費用(ホテル代など)を負担してくれる保険特約です。

航空機寄託手荷物費用

割と頻繁にあるのが、航空会社の手違いで自分の送った荷物がその日のうちに届かない、という事態で、乗り継ぎなどを行う場合によく生じます。海外→日本ならまだ家に帰ればなんとかなりますが、日本→海外の場合で生活必需品が届かないとやっかいなので(下着、歯ブラシなど)、そんな際に新しく購入しなおす費用を補てんします、というのがこの保険の目的です。

ちなみに、私は人生で3 0回往復くらい飛行機に乗っていますが、手荷物が遅延したことは一度もなく、代わりに生まれて初めて飛行機に乗って日本に遊びに来た友人が初めてのフライトで手荷物を無くされる事態に遭遇していました。

航空機遅延費用特約

航空機の遅延などの結果、臨時にホテル代などが発生した場合に対する保険です。交通費や、余計にかかった食事代なども補てんされます。

私の体験では、以前、フィンランド航空で一度だけ飛行機が遅延したことがあり、その際ヘルシンキに一晩閉じ込められましたが、その際は飛行機会社が持ってくれましたので、そういうケースもあるようです。食事代は持ってくれませんでした。

どの特約に入るのがいいのか

さて、ここまででいろいろな特約を並べてきましたが、結局どの特約に加入するのがいいのでしょうか。中にはパック商品になっており、お勧めの特約をセットにしているような会社もありますが、自分で一から選択できる場合もあります。

後者の場合、自分の判断で必要な特約、そうでない特約を割り振らなくてはならないため、それはそれで実は骨を折る作業と言えます。例えば、この特約はいらない、と思っていて、実際にその特約を使うような場面に遭遇したら、自分の判断を呪うでしょう。

私の考えでは、自分が破滅する可能性のある保険、を優先的に選択します。つまり「医療・傷害保険」および「損害賠償責任保険」です。そのほかの保険に関しては、あくまでオプションですので、つけなかったからといって破滅することはありません。

ただ、こうした「その他のオプション特約」は、携行品損害保険のように頻繁に請求のあがる保険商品と違い、そこまで頻度も大きく無いようで、保険料の料率もそれと比べるとあまり高くなく、ついついフルでつけたくなる気分もします(例えば、三井住友保険のペット預け入れ延長費用特約は1週間のドイツ旅行を想定してもたったの10円です)。