ドイツの大学で学業する際にメインとなるのがこの「講義(Vorlesung)」です。これ以外にも授業の形式はいろいろありますが(セミナー、プロジェクトなど)、基本的にこの講義がメインとなってドイツの大学生活が構成されている、と思ってください。
今回はこの「ドイツの講義」についてまとめていきたいと思います。
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ドイツの講義とは
まず、ドイツの講義を受けてみて驚くのが、必ずしも教授が講義を行うとは限らない、ということです。講義によっては、最初の1~2回は教授が顔を出し、残りの講義は教授のアシスタントたちが講義を行う、というような極端なこともあります。
教授の講義はやはりそれなりに面白いのですが、アシスタントの講義は正直、そこまで面白くないですし、あらも目立ちます。
さて、講義中にはどんなことが行われるのか、というと、文系(ドイツでは理系になるのですが)である私の学部の場合、基本的に教授かアシスタントによる講義が1時間半ほど行われ、適宜質問などをしてもよい感じです。
講義によっては、授業中に10分くらい時間を取り、隣の生徒と話し合わせたり、生徒に質問を答えさせたり、ということもあります。
基本的に、予習が推奨され、講義の前に簡単な論文などを読まされることが多々あります。特に、わたしはドイツ語が不慣れだったころ、講義の前に必ず資料をダウンロードし、分からない単語は全部チェックしておくようにしていました。
授業中はどんな雰囲気かというと、周りの生徒たちは、授業中講師の言うことをメモし、テストに備える形です。つまらない授業では、ゲームをしたりサッカーを観たりしている生徒もいます。
日本の講義と比較すると割とラフな感じで、コーヒーなど飲み物の持ち込みは自由ですし、パンを食べていても何も言われません(バスの運転手がハンバーガーを食っている国ですので)。
一度日本で講義したことがあるドイツの教授の話によると、日本では教授は神のようにあがめられていて気持ちがいいが、ドイツでは友達のような、とのことでした。この辺のヒエラルキーの部分は、確かにドイツでは違うと感じました。
さて、ドイツでは「Vorlesung(講義)」とは別に「Übung(演習)」というものがセットになっていることが多く、講義では理論的なところを、演習では実践的なところ(特に計算問題など)を学びます。
これが、ドイツのUniversitätの特徴で、専門学校などに比べ(専門学校はもっと実践に重点を置いているとのこと)、理論と実践のバランスがよい、とのことです。
最後に、ドイツの講義では、日本のように「出席点」がつくことはありません。あくまで試験での一発勝負なので、授業に全部出席していようが、全部欠席していようが、まったく関係ありません。