今回は『~すればいっそう』という成句表現です。
日本語で表現するなら『勉強すればいっそうドイツ語は身につく』とか『先廻しにすればするほど後悔することになる』といったニュアンスのものです。まあ、口語表記であれば『~いっそう』とか『~するほど』みたいな言い回しはあまりつかいませんが、とりあえず参考書にはこのような形でのっています。
さて成句表現とはいえ、単純に慣用句のように憶えてしまうには少し難しいので、今回詳しく見ていくことにしましょう。
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英語における「~すればいっそう」
英語では、『~すればいっそう』の形は以下のようにして作ります。
『the +比較級~ , the+比較級・・・』
上記の『~』と『・・・』のところは、それぞれ独立した文が加わります。
独立した文ですので、ちゃんと5文型のうちのどれかになっていなければいけません。
例1:The more you earn, the more you spend.
(稼げば稼ぐほど、あなたは金を使う)
例2:The sooner, the better.
(早ければ早い方がいい)
例3:The larger the house is, the more worth it has.
(家は広ければ広いほど価値がある)
英語ですので、時にはworthやbeautifulのように比較級が存在しないものは、moreをつけます。
では、ドイツ語の『~すればいっそう』構文をみていきましょう。
ドイツ語における「~すればいっそう」
ドイツ語に関しても、考え方は同じです。すなわち、2つの文章があり、片方をすればするほど、もう片方も~という意味になります。具体的には、以下のように作ります。
- je+副文 , desto+主文
- je+副文 , umso+主文
1と2に違いはありません(ネイティブ談)。言語学的には違いがあるのかも知れませんが、ネイティブが無いと言っているので、あるとしてもきっと我々のドイツ語学習には関係のないレベルなので無視します。
例1:Je mehr Geld die Menchen haben, desto mehr Kleider kaufen Sie.
(金があればあるほど、人はたくさんの服を買ってしまう)
例2:Je älter er wird, umso kleiner wird er.
(年をとるにつれて彼は小さくなった)
例3:Je schneller der Wagen ist, desto größer ist die Gefar.
(スピードが出れば出るほど、車は危険が大きくなる)
例1を分解して詳細を説明します。
主文:(desto)mehr Kleider kaufen Sie = Sie kaufen mehr Kleider.
副文:(Je)mehr Geld die Menchen haben = Die Menchen haben mehr Geld.
この2つの文章が『je』と『desto』を伴ってくっつくのですが、基本的には副文である『Je』を伴った文章が先に来ます。これは副文ですので、動詞が最後にくるように変形させましょう。
〈副文〉Je mehr Geld die Menchen haben,
まだくっつけません。今度は、主文である『desto』を伴った文章を変形させます。主文なので、普通の文章のように『動詞が2番目』のルールが適用されますが、今回は『mehr』が『Geld』にかかっているので『desto+比較級』の形を作るには『mehr Geld』を先に持ってこなくてはいけません。
〈主文〉desto mehr Kleider kaufen Sie.
これをくっつければ
Je mehr Geld die Menchen haben, desto mehr Kleider kaufen Sie.
という形になります。
注意しなければいけないのが、
『Je』+『副文』、『desto』+『主文』というルールです。
これは結構こんがらがることが多いので、何度か練習で文を作ってみることをお勧めします。