目線を重視するドイツ人のコミュニケーションマナー:日本とは違う!

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今回はドイツ人との対話についてまとめていきます。さて、突然ですが『メラビアンの法則』という話を知っていますでしょうか?

これは私が社会人時代に上司から教えてもらったのですが、なんでも人は他人とコミュニケーションをするとき、以下の3つを総合して話し手の印象をとらえると言う法則です。

  • 言語情報(会話内容)
  • 聴覚情報(口調の早さや明瞭さなど)
  • 視覚情報(身振り、目線、服装など)

この中で、コミュニケーションにおいて話し手の印象にあたえる割合が、実は視覚情報において55パーセントにも達すると言うデータが明らかになっており、聴覚情報は38パーセント、一番重要かに思われる言語情報に至っては7パーセントのウェイトしか占めていないのです。

つまり、話の内容よりもむしろ人はその話す際の仕草などに注目すると言うことで、ここに注意しておかないとせっかくいい話をしたところで、仕草をおろそかにしてしまったことによって、相手にとっては話し手の印象が悪くなってしまうこともありえるのです。

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ドイツ人と会話:視覚情報

タブーの項でも触れていますが、ドイツ人にとって会話の際にもっとも重要視されるのは目線、すなわち『アイコンタクト』です。

ドイツでは会話中に目をそらすことは、タブーとは言わないまでも『失礼』です

日本人はあまり目を見て話さず、むしろそらしつつ話す方が若干控えめでよろしい、という風潮がありますがドイツでは逆ですので注意しましょう。イギリスのコラムに以下のようなものを見つけたので紹介します。

Germans value direct eye contact, particularly during face-to-face conversations, seeing it as a sign of honesty and interest in the discussion. A person who does not look you in the eye is regarded as untrustworthy and of weak character. Smiles are used with discretion, typically being reserved for close friends and family only. Germans do not normally smile to express politeness as is common in the United States.

『ドイツ人はアイコンタクトに重きを置く。特に、対面して会話をしているときには、目を見て話すということは、正直に話していることの証拠でもあると同時に「あなたの会話に興味を持っていますよ」という証拠でもある。相手の眼を見ないでいると、信用できない、特徴の無い人間のように思われる。また、スマイルを多用するのは避けた方がいいだろう。スマイルは、親しい友人や家族にのみ使うべきだ。ドイツ人は、アメリカ人のようには、丁寧さを表すためにあまりスマイルを多用しないのだ。』

このコラムに書いてあるとおりでおおむね間違いないと思います。そりゃ、街中で挨拶する際なんかはスマイルはしますが、外人局や図書館の事務員や、見ず知らずの人は確かに最初にスマイルをしてこないような気がします。

むしろ親しくもないのにスマイルを多用していると『なんだこいつは馴れ馴れしい、なんか不気味だぞ』と思われてしまいますので気を付けましょう。

ですので、ドイツ人との会話の際に視覚的に注意しなければいけないのは以下の2点だけです。

  • アイコンタクトは重要
  • 初対面の相手にスマイル多用は禁物

これさえ守れば、多少ドイツ語がまずくてもそんなに相手に不快な影響は与えないことでしょう。

ドイツ人と会話の内容

話し手の印象を見極める際に、視覚情報が55パーセントを占めると言いましたが、7パーセントしかウェイトをもたない会話内容もやはり重要です。

まず一般的に、初対面のドイツ人に以下のような話題は避けた方が言われています。あくまで一般論ですので、中には違った方もいるかと思います。

1.避けたほうがよいとされる話題
  • 家族や恋人などにまつわるプライベートな話
    これはネイティブに言わせると、ラテン系の人々が犯しやすい話題だそうです。イタリア、スペイン、ポルトガル系などの人種は、最初のコンタクトから『将来的に深い仲になること』を考慮して話すので、こうしたプライベートな話題にも臆面なく触れてきます。

    ただ、在る程度親しくなってくると兄弟の話とか、両親の職業とかずけずけと聞いてくるので、まあ初対面のうちは気をつけましょう、ということです。

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  • 年収などお金に関する話
    この話題を犯しやすいのが、国籍を問わずティーンエイジャーだそうです。語学学校の教師や、大学の教授などにもときにこういった話題をふるようなのですが、ドイツ人はこれを質問されると年収の多寡に関係なくムッとします。

    多分これは、親しさに関係なくあまり触れられない話題なので、私もあまり尋ねたことも尋ねられたこともありません。

  • 人の外見などに関する話
    親しくなってしまえばそんなに問題もないのですが、お互いにあまり知らない段階で『ステキ』『お洒落』『イケメン』など褒めそやすのはあまりよろしくないそうです。

    あとは、これは日本でもそうですが、女性に体重を聞くのはNGなので注意しましょう(男性に対しては身長、体重、年齢、何を訪ねようがあまり問題ないそうです笑)。

次に、では一般的にどんな話題が好まれるのか、というところを見ていきましょう。

2.普通に話しても問題の無い話

これも一般的に言われていることですので、100パーセントすべての人に通用するとも限りませんが、とりあえず参考にはなるかと思います。

  • 職業、学業の話題
    外面的なお世辞より、仕事や学業上の成果など、むしろ知的な側面や内面を褒められるほうがドイツ人にはうれしいと言う話があります。

    特に仕事の話が受け入れられやすいというのは日本人とも大分似通っている部分で、褒める際にはそういったところのプライドをくすぐってあげると良いでしょう。

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  • 旅行や出身の話など
    我々はドイツ人と対面するとき、いわゆる『外国人』ですので、それはそれなりに会話の糸口にはつながります。私がビザの申請に行ったときも、不愛想なビザの窓口のお姉さんが以前日本に旅行に行ったことがあるわよ、と話しかけてくれました。

    ドイツの仕事上の休みは一ヵ月くらいと長いので、いろんな国に行く機会があるのでしょう。

  • 食事やビールの話など
    この辺も無難に鉄板なところです。こうした糸口から『じゃあ今度飲みにでも行こうか』と親しくなるきっかけにもなりやすいので、特にビールが大好きなドイツ人にとってはこれまた受け入れられやすい話題でしょう。

    また、ドイツ人は自分で料理をする人も多く、パーティーなどの際には自分で料理を作ってもちよるなどの習慣もありますので、日本の料理などに関する話題も比較的重宝されます。

    ちなみに、日本料理と言ったら彼らにとっては『寿司』で、我々が三食寿司を食べていると思っている奴もいます笑

話題に関しては、何度か自分で試してみて自分のスタイルを見つける方法がよいかと思います。ある話題で何度か会話をしていると、そのうちそのトピックにちなんだ表現や語彙も増えてきますので、ドイツ語の勉強にもなります。