ヨーロッパ、アジア:陸路で海外国境を越境する際の注意点

海外旅行中には、陸路で国境を越えるようなケースも発生します。今回は、陸路で国境を越える方法についてまとめていきたいと思います。

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陸路で国境を越える際の注意点

日本は島国なので、陸地を接する国へ越境するような経験はできませんが、そのほかの国は大抵国境が他の国と接しており、場合によっては陸路での越境が重要な交通手段になります。

特に、ヨーロッパの小さな国(ルクセンブルグ、スイス、ベルギーなど)を観光するようなケースでは、その国だけ、というより他の国を回りながらその国を訪れる、というやり方が多くとられるのではないでしょうか。

国や地域によって勝手は違いますが、どのようなケースでどのような注意が必要かのまとめを行っていきます。

シェンゲン協定内での国境越え

ヨーロッパ周遊旅行をする際によく耳にするのが「シェンゲン協定」です。どういう協定かというと、ドイツをはじめとするチェコ、デンマークなど26か国(2015年の時点)が結んでいる協定で、査証なしで国境を越えられる、というものです。

トータルで180日のうち90日を越えなければ、このシェンゲン協定内に滞在することが可能です。シェンゲン協定に関する詳しい説明については以下の記事を参照ください。

シェンゲン協定の仕組み

この国境を越える際には、出国手続きが不要ですので、パスポートなどを見せる必要はありません。ただ、それはパスポートを持参しなくてもいい、ということにはなりませんので注意しましょう。抜き打ちで、バス内で荷物などの検査が行われることがあります。

(ドイツ人の知り合いが、マリファナをポーランドからドイツ国内に持ってこようとして捕まって、罰金10万円くらいとられていました。マネしないでください。)

シェンゲン協定国間の越境は実にシンプルで、バスや列車などに乗っていれば勝手に越境してくれます。夜中に越境する際にたたき起こされる、というようなこともありません。

ビザ認定に関する注意点

ただし、一点注意をするのであれば、シェンゲン協定間での越境の際には、その国に入国した際のスタンプが押されませんので、厳密に「何月何日」にその国に入国したのかが証明できないことがあります。

これが、どんな時にトラブルになるのかというと、ドイツ国内でビザを申請するときに、厳密に何月何日にドイツに入国したのかの証明を求められるので困る点です。ドイツでの長期滞在を目的とする場合は陸路でドイツ入りするのはやめるか、どうしてもしたいのであれば当日の交通機関のチケットを必ず取っておいてください。

シェンゲン協定国以外のヨーロッパの国境越え

続いて、シェンゲン協定を結んでいない他のヨーロッパの国を越境する際の方法についてです。例えば、ハンガリー以東(ルーマニアなど)に行く際、あるいはバルカン半島の一部の国(ブルガリア、ボスニアなど)へ行く際にはこのケースに該当します。

こうした国境を越える際に何が必要になるかというと、パスポートの開示を求められることになります。例えば、ハンガリーからルーマニアやブルガリアへ行く場合、国境を越えるごとにパスポートを見せることになり、これが深夜であってもたたき起こされます。自分は列車に乗ったまま、いきなり警察みたいな人がずかずかと列車の中に入ってきてパスポートを預けさせられますので、初見だとかなり不安ですが、大丈夫です。

持ち物検査などをされたことはありませんが、もしかしたら特定の国境間ではあるのかもしれません。

また、この場合ユーロ通貨圏から外れることも多く、通貨両替には気を付けなくてはいけません。たいてい大きな駅では両替することが可能ですが、小さな駅に夜中に下されても両替してくれるようなところはありませんので。

ちなみに、出国(入国)すると汽車のマークの付いたかわいい入出国のスタンプを押してもらえます。

アジアなどの国境越え

例えばラオスなんかはミャンマー、ベトナム、カンボジア、タイ、中国など五つの国と国境が接しており、陸路(バス)で越境することが可能です。一時期、タイ・カンボジア間で紛争ちっくなものがあり、一時期国境付近が騒然としていましたが、そういったケースを除き、基本的にそこまでの危険はありません。

バスで越境する場合、バスを下ろされ、出国(入国)手続きを行い、そして再びバスに戻る、というようなやり方がとられます。バスの運転手は「あの辺で待ってるよ」と現地語で言っているようですが、現地語が分からないので現地の人の流れに乗っかるしかありません。

置いていかれないコツは、バス内で同じような立場の外国人旅行客と仲良くなって、一緒に越境することです。

ヨーロッパと違い、アジアなどの場合国境をまたぐと急に国の雰囲気ががらっと変わることもあり、経験としては面白いです(飛行機での越境では味わえない経験です)。ただ、アジア諸国の場合、道はぼこぼこしていますし、バスでの越境は時間がかかりますし、なによりあまり安全とは言えませんので、そこまでお勧めできるものではありません。

また、越境中には詐欺を働こうとする輩がたくさんいます。例えば「外国人はこの先2時間待ちだけど、ここでお金をくれたら最初に受付できるように交渉してあげるよ」など言葉巧みに話をもちかけてきますが、相手にしてはいけません。