独断で考察する、ドイツ(欧州)で感じた親日的な国とそうでない国

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ドイツに2年以上住んでいる経験から、独断と偏見で親日的な人々についてリサーチしてみました。

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親日的な人々はどこか

まずは念のため断っておきますが、国によるというか人によるところが多いです。ただ、あくまで傾向として「この国には日本の情報が多い」→「日本に興味をもつ」→「日本っていい国!」となりやすい国は中にはあります。そして、これはあくまで私の経験による独断的な記事ですので、あまり参考にはならないかも知れませんし、私自身『あの国は○○』だとレッテル貼りをするのは好きではないのですが、海外に留学を考えている人にとっては、プロパガンダ交じりの新聞のアンケートよりは参考になるかもしれません。

1.親日的だと感じた国の人々

「国の人々」としたのは、その国自体は反日的な政策をとっていても、人々自体は割と知日的であるパターンがあるからです。繰り返しになりますが、あくまで傾向的な話ですし、私の身近に限った話ですので、あまり鵜呑みにせずに一学生の戯言だと思って読んでください。

韓国、中国、台湾、東南アジア諸国、トルコ・イランなど中東圏

まず、ここに書いた国々はドイツでは『異邦人』です。顔だち、言語も含め、お互いに異国での生活の困難を共有しなくてはいけませんので、それだけで親近感がわきやすいのがまず特徴として挙げられます。

次いで、日本の文化的な理解ですが、韓国・中国・台湾の、ドイツに来るようなエリート階級は総じて日本文化の造詣が深いです。彼らは馬鹿ではありませんので、国の発展が隣国との交流や競争によって成り立つことを理解しており、盲目的に自分の国家の文化だけを崇拝するきらいはありません(たまーに中華思想的な学生を見ますが、ドイツでは稀です)。

私は韓国や中国の学生と第二次世界大戦についても話しますが、あくまでこれは「共産主義国家はなぜ衰退したのか」「我々は何者で、どこからきて、どこへ行くのか」的な客観的トピックであって、感情的になることはありません。特に、海外に長いこと暮らしている東アジア人は視野が広いので、お互いの言い分を聞こうとしてくれます。感銘深かったのは、中国人の学生の言った『歴史は勝者によって作られる。我々は戦勝国の言うことを鵜呑みにしてはいけない』という言葉です。

中東圏系(トルコあたりまで)も親日的な思考をしている学生が多いです。とくにアジア的な顔立ちをした中東系(民族の名前は忘れましたが)は、とりあえず日本と聞けばなぜか喜びます。

2.割と親日的だと感じた国の人々
南欧、旧ソビエト圏、東欧、(アメリカ)

南欧、旧ソビエト、東欧辺りも、ドイツではいわゆる「お客様」ですので、自然と、同じ異邦人である我々にシンパシーを感じてくれるケースが多いです。アメリカ人といってもたくさん人種が混じっていますので、一概にひとくくりにはできませんが、比較的『日本』という国に対して興味を持っている人が多いです。

なぜ東欧、ソビエト圏に知日的な人が多いのか。個人的な意見ですが、自国の娯楽産業の脆弱な国は、他国の産業に頼るきらいがあります。例えば、日本のアニメやドラマを見たことのあるソビエト圏の人を良く見かけますが、恐らく、自国でそうしたクオリティのものがあまり作られていないからだと思います。

『川端康成』『黒澤明』『ゼロ戦』『武士道』『生け花』この辺はウラジオストク~ワルシャワ間の人に聞くとなぜか知っている人が多いです。

フランス・ポルトガル・スペインも知日的な割合が多いですが、どちらかというとポップカルチャー的な意味合いでの興味が多いです。初めてフランス人に会うたびに『オーNarutoNarutoニンジャニンジャ』といって手裏剣の真似をされますが、こっ恥ずかしいのでやめてほしいです。

アメリカ人だけは私はよくわかりません。はなっから日本なんて眼中にない人もいれば、日本が好きなアメリカもいますし、この国の評価は保留です。

3.日本にあまり興味がないと感じた国の人々
ドイツ・オランダなど北欧圏、アフリカ

もちろん、中には知日的な人々もいます。あくまで、傾向的な話です。住んでいて感じますが、ドイツ人はあまり「日本」という国自体に関心がありません。せいぜい「村上春樹」「トヨタ」「フクシマ」くらいです。そして、ドイツの新聞もたいがい反日的です。

ドイツにいるアフリカ人に関しては、そもそも日本と中国の区別がついていないケースが多いです。彼らの中でアジア人=中国です。私のおばあちゃんも白人=アメリカ人だと思っているのでお互い様です。

4.反日的だと感じた国の人々

ありません。もちろん、モスクワに行けばアジア人だという理由で殴られたり、イギリスで卵を投げられたり、という話は聞きますが、基本的に大学で教養を身に着けているレベルで表立って反日的な人々は居ません。強いていえば、日本の悪口を一番言うのは海外にいる日本人です。

親日だからなんなのか

そこまでメリットはありません。最初の顔合わせのときにすこーし話題が共通して、他と比べると多少仲良くなりやすいくらいです。私の仲の良いドイツ人の友人は、多分私と会うまで日本と中国の区別がついていなかったと思います。

よく日本の書店などで『あの国は親日だ』『あの国は反日だ』というタイトルが躍っていますが、かれらはそこまで気にしていません。特に、海外の知識階級であればあるほど、そうした『親○○』『反○○』という考えが一面的な見方であることを理解しています。

もちろん、アジア人が海外で良い職に就いたり、欧州人と結婚したりすることを快く思わない人もいます。ただ、これは逆の立場に立てば私も理解できます。自分とは異質の国の者が自国で成功したり、キャリアを積んだりすることは格好の嫉妬の的です。

ただ、これは正直お互い様な部分もあります。日本に長いこと住んだことのある欧米人の話を聞くと、いかに自分が日本で『ガイジン』なのか、いかに日本で生活するのが欧米人にとって困難なのかを聞きます。例えば、私の仲のいいドイツ人が、以前日本で中国人と食事をしたそうです。彼は日本語がそこそこ話せ、中国人は全く話せません。にもかかわらず、レストランの店員は、はなから私の友達のドイツ人の友人を丸無視して、日本語があまり話せないにもかかわらず、すべて中国人のほうに話しかけたとのことです。

よく日本人が差別にあった話だけがスポットを浴びますが、多分我々も同じことをしているきらいがあります。ですので、私が欧州に2年以上住んで感じた結論としては、差別的な意見は嫉妬だと思って無視する、肯定的な意見に関しては余り鵜呑みにしない、あくまで中立的な立場を装いつつ生活する、ということです。