大学入試などで度々目にする『認証コピー』ドイツ語では『beglaubigen Kopie』というものがあります。この認証コピーの制度、日本人には馴染みがなく、地味にやっかいな代物です。
今回は、この『認証コピー』についてお伝えしていきたいと思います。
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大学受験や、就活などの際に、ドイツでは『認証コピー』という書類を度々提出させられることがあります(普通のコピーでよいところも、中にはありますが)。
さて、この『認証コピー』が何かというと、要するに『このコピーは、ちゃんと、原本をコピーしたものですよ』という印の入った『正当なコピー』であることを示します。
で、何が面倒なのかというと、当然のことながら、印といっても自分のシャチハタをぽんっと押せばよいようなものではなく、大使館など、しかるべき公的な場所でチェックをしてもらい、スタンプを押してもらわなくてはいけません。
厄介ことに、提出書類が『beglaubigen Kopie』と言われたら、オリジナルを出してはダメだと言うことです。例えば、大学の卒業証明書などは、卒業した日本の大学の事務所に行けばオリジナルの物をもらえますが、それを提出してはだめで、なぜかわざわざコピーして、かつ認証してもらったものに限る、というシステムなのです。
さて、この『認証コピー』ですが、それではいったい全体どこで得られるものでしょうか?私の知る限りでは、以下の2パターンがあります。
以下、それぞれまとめていきたいと思います。
これは、日本にあるドイツ大使館(広尾にあるもの)を指しています。ちなみに、認証コピーという制度自体は、他国の大使館(オーストラリアとか)でも受けられますが、基本的にはその国にまつわる使用目的である以外に認めてくれませんし、費用が高いです(普通は4000円くらい)。
その点、ドイツ大使館では認証コピーを受けようと思った場合『大学や大学院の願書、入学許可証』を持参すると無料でやってくれます。ただし、以下の点を注意してください。
1. コピーされた書類とオリジナルの書類をあらかじめ用意する
用意していかなくても、大使館に設置してあるコピー機でもコピーできます。ただし、大きいお金は受け付けませんし、市場価格の2倍の値段ですので、あらかじめ外でコピーして持って行く方が利口です。
2. 受付時間が限られている・待ち時間が長い
仮に大使館で認証コピーを受けようと思ったら、2015年6月現在ですと、月~金の8時から11時までの受付時間です。ということは、普通に仕事勤めなどしていると中々行くのが難しいということです。
そして、大抵の場合長く待たされます。というのも、待っているのは認証コピーの人だけではなく、ビザの申請や、在日ドイツ人などもいます。時間によっては、できあがるまで1~2時間かかることもあるので気を付けましょう。
3. コピーの順番は変えられない
例えば、ドイツの大学受験では、大学の成績証明書や卒業証明書が必要になります。これらをまとめて注文すると、ホチキスで止められて紙を折られ、裏にスタンプを打たれます。
ですので、このスタンプを打たれてしまったら、もう紙の順序は変えられません。大学の成績証明書→高校の卒業証明書→大学の卒業証明書とかいう順序になってしまうとかっこ悪いので、あらかじめ注意しておきましょう。
また、ドイツ大使館に入館する際のアドバイスですが、受付は8時からですが、入館はもう少し早く可能です。8時を過ぎると急に込んでしまいますので、7時50分くらいに入館しておくことをお勧めします。入館の際には身分証明書をあずかられてしまうので、窓口で見せるように、2部、身分証明書が必要です(例:運転免許証+保険証など)。
ちなみに、この制度のメリットとして、ドイツの大学の願書や入学許可証(Zulassungsbescheid)を持って行くと、何部でも無料で認証コピーしてくれるということです。私も、院を受験するときには、5~6個応募しましたが、その学校一つ一つの願書を持参する必要はなく、一個だけ持って行けば済みます。
日本から書類で受験しようという人には、上述の方法で問題ないのですが、さて、ドイツにいて受験まで帰国の予定が無い人はどうすべきでしょうか?
この認証コピーという制度、ドイツではごくごく一般的なようで、市役所などでサービスを受けられます。ドュッセルドルフの場合1部300円程度です。
Bestätigung der Übereinstimmung einer Kopie/Abschrift mit einem Original durch einen Beglaubigungsvermerk. Die so beglaubigte Kopie/Abschrift kann an die Stelle des Originals treten.
『認証マークによって、コピーとオリジナルの合致が承認される。そのため、認証コピーはオリジナルの代わりになることができるのだ。』
ただし、大学受験の場合、学校によっては高校の成績を出せ、就業経験の証拠を出せ、云々と後から後から必要書類がでてきますので、最終的に受験に必要な書類一式をそろえるには、地元で落ち着いてやられることをお勧めします。
おまけで、東京広尾にあるドイツ大使館についてです。有栖川公園の目の前に位置しており、上述のとおり受付時間は8時からですが、実際のところ認証コピーなどサービスを受けようと思ったらそれよりも早く行って並んでいた方が賢いです。
以前行ったときには7:50で既に2~3人並んでいたこともありますし、逆に8:00ぎりぎりに行っても最初に入れたこともありました。
また、ここの受付では、身分証明書が2通必要です。一つは、ドイツ大使館に入館するときに預けなくてはいけないもの、もう1通は入館した後に認証コピーなどで受付に提示し、確認してもらうものです。
ですので、免許証+健康保険証とかパスポートを持って行くとよいでしょう。空港のように中では手荷物検査があり、出入りするたびに行われますので、上述のように認証コピーに際して必要とされる持ち物は全て持って行きましょう。
http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/03-konsular-und-visainformationen/032-rk/0-RK.html
ちなみに、中には自動販売機などありませんし、待つときは2~3時間待つこともあります。以前夏場に認証コピーを受けに行ってじーっと待たされたときは熱中症にでもなるかと思いましたので、極力飲み物など持って行ったほうがよいでしょう。
認証コピー以外にも、署名認証、翻訳認証、運転免許証関係の手続きや結婚、ビザの申請から無犯罪証明書まで、ドイツで必要になる物事は大体ここで済ませることが可能です。ドイツに行ってからやるよりはお手軽ですので、やることがあればここで済ませていきましょう。