ドイツにいると、何かと履歴書を書くようなケースがあります。日本のように特定の履歴書用紙が売っているというよりは、自作する形になるので、フォームをおさえておきましょう。
というわけで、今回はドイツ語で履歴書を書く方法、についてまとめていくことにします。
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ドイツ語で履歴書は『der Lebenslauf』です。基本的には、以下のようなときに使うことがあります。
要するに『私はこういうものです』『私は怪しいものではありません』という証明のための書類ですので、正確に、自身の出生やキャリアなどを書いておく必要があります。
今回は『日本人がドイツで履歴書を書くこと』を想定して履歴書の書き方を説明します。実際には、ドイツの教育システムや就職システムと日本のものは大分かけ離れているため、日本人バージョンであわせておかないと奇妙なものになってしまいます。
履歴書には以下のような内容を最低限盛り込んでおく必要があります。
以下、それぞれの説明をほどこしていきます。
色々盛り込みましたが、これら全部履歴書に乗せておくことがのぞましいです
Name(名前),Adresse(住所),Geburtsdatum(生年月日),Nationalität(国籍),Zivilstand(婚姻歴)となりますが、上記のうち生年月日と婚姻歴に関しては少し注意が必要です。
生年月日に関しては、ドイツは左から『日付』『月』『西暦』の順で書く仕様です。例えば、1985年10月23日生まれの方でしたら、23.10.1985という書き順になるので要注意です。
また、婚姻歴に関しては、未婚か既婚かの区別を書けばいいのですが、それぞれ以下の通りに表します。
未婚:ledig
既婚:verheiratet
(どうでもいいですが、友だちとの会話などでledigは未婚を表しますが、恋人の有無に関しては関係なく、あくまで『未婚』であるという意味です。恋人もいないような独身者の場合は『single』と言います。)
さて、ドイツでは高校卒業までが『Schuler』、そっからさきは『Studium』という区切りです。
なので履歴書上も、高卒(ギナジウム)までと、大学以降の学歴で区別する必要がでてきますが、ここが少し日本人の困惑するところです。
『Grundschule』の卒業後には、3つの教育機関の選択肢が待ち構えています。もっとも、どれでも選べるわけではなく、『Grundschule』の成績によって割り振られてしまうのですが(ハリーポッターにでてくる部屋分けする帽子のように、有無を言わさずに、です)
と、いうのも以前まとめたとおり、ドイツの義務教育の中のギナジウムは8年制の学校であって、日本のように単に小・中・高という区分けではありません。
つまり、ドイツには日本の『小学校』『中学校』『高校』を表す単語が存在しないわけで、これは履歴書を書く日本人にとって鬼門になってくるのです。
では、そうしたらよいかというと、無いものはしょうがないので英語を使うことになります。
といった形で、記載します。例えば、まあなんでもいいのですが『足立高校』の卒業でしたら、Adachi Koukouではなく、Adachi high schoolとする形です。
ドイツの学歴社会は、大学以前のところが地味に重視されるので、こういったところも割と必要になってくるのです。
大学の学歴に関してはおそらくいくつか書き方のフォームがあると思いますが、私は一つのフォームを使いまわしていました。
Studium der ○○ an der ×× Universität
Abschluss: ◇◇
○○のところには専攻、××のところには大学名、◇◇のところには学位を入れる形です。注意しなくてはいけないのが、うえの太字になっている『der』は、専攻によっては変化します(もっともwirtschaftなどほとんどの科目は女性名詞なのでderになっているだけです)。
具体的には、以下のようになります。大学名は架空のものです。
また、この記事の最後のところに専攻一覧を掲載しておきましたので、参考にしていただければと思います。
サラリーマンを表すドイツ語は『Angestellter』です。なので『○○で働いていました』としたい場合は以下のようにします。
Angestellter bei ○○
ここでも適当に例を出しますが、例えば『埼玉独逸銀行でリテール営業として働いていました』なら以下の通りになります。
地味に重要なのがこの『語学レベル』です。基本的には詳しい語学順に上から書く、という決まりがあります。例えば以下のような形になります。
語学のレベル
ランク的にいくと、
という感じです。
まあなんでもかんでも詰め込めばいいってものでもないので、最低限日常会話ができるような言語だけピックアップして書いておくとおいでしょう。
これだけはパソコンでは作れませんが、履歴書の下のところに署名・日付をサインするスペースをあけておく必要があります。
履歴書に限らず、ドイツの公的な書類にはすべてこの『署名・日付』のセットが必要になってきますので、憶えておきましょう。
印刷した後に、必ず黒のボールペンで署名する必要があります。どんなに頑張って作っても、これが漏れていると正式な書類とは認められませんので注意しましょう。
さて、これで一通りの流れは終了です。以下の添付ファイルに、見本をのせておきますので参考にしていただければと思います。
以下、大学の専攻一覧に関してです。学歴を書くところで、自身の大学の専攻について書く際に参考にしていただければと思います。