ドイツの大学院に入学するための必要条件とスケジュール感をつかもう

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photo credit: wenzday01 via photopin cc

今回のトピックは、前回に引き続きスケジュールです。基本的に、ドイツの大学の応募要件を満たすためにどれくらいの期間を要するのか、という目安を見ていきましょう。

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ドイツの大学院受験に求められる能力

さて、前回大学(大学院)の応募締切などおおまかなスケジュールを確認しましたので、最終的にはこの『応募時期』に向けて、受験勉強(主に語学)を磨かなければいけません。

まず初めに、ドイツの大学院受験では、どのようなことを要求されるのか、という項目から見ていきたいと思います。私が受験する際に確認した限りでは、以下の用件にカテゴライズすることができるかと思います。

  1. 語学の試験(ほぼすべての大学院)
  2. 筆記・面接試験(まれに)
  3. 実技試験(芸術系など)
  4. 大学の成績
  5. その他(就労経験など)

この中で、具体的にスケジュールに関係してくるのは『1.語学の試験』と『2.筆記・面接試験』です。というのも、大学の成績や職歴などは今更じたばたしても変えられません。

(大学の成績に関していえば、GPAで『2.5』以上あることが望ましいです。大学や学部によっては『2』以上でも、なんとかなります。ところが、2以下となると、受験できる大学院はかなり限られてくると思いますので、それ相応の覚悟をしておきましょう。)

というわけで、退職~次回の応募時期、までにやらなければいけないことは、とにかく『語学の勉強』です。以下、再び私の際のモデルケースを見ていきましょう。

ドイツの大学院受験に求められる語学能力

これは、分野によって結構異なりますので、詳しくは自身の受験したい分野、大学のHPなどを参照する必要がありますが、入学後の授業についていくことなどを考えると、ドイツ語と英語の語学力が最低限求められます。以下、私の受験した大学の応募要件でした。

ドイツ語C1=TestDaf4×4,DSH2,Goethe C1などなど・・
英語B2=TOEFL87点,IELTS6~6.5点などなど・・

大学や学部によっては、英語C1を求めるところもありますし、TOEICでも可としているところもありますし、そもそも英語必要ない、というところや、ドイツ語B2でOK、というところなど様々です。ただ、私が色々な大学院(主に文系)を見た限りでは、上記の条件を課しているところが非常に多かったです。

上の方に『筆記・面接』を課す大学もあると書きましたが、言ってしまえばこれも『語学』ができないとお話になりません。というわけで、とにもかくにも語学をやり込む必要があるのです。

ところで、さきほどB2,C1といったアルファベット+数字がでてきましたが、いったいこれは何でしょうか?これは、ヨーロッパ語学なんちゃらという委員会が定めている語学のレベルの定義で、多くの語学が『A1』→『A2』→『B1』→『B2』→『C1』に分類されています(そのうえに『C2』レベルというものもありますが、ほとんどの大学や企業でそれを要件とされることは無いため、割愛します)。

さて、この『C1』レベルが何を意味するのかというと、GOETE INSTITUTEによると、『大学での講義や仕事に問題のないレベル』と定義されており、そのレベルに達するまでに必要な外国人のドイツ語学習期間のめどは、おおよそ『1000時間』と伝えられています。

独学で『1000時間』(一日3時間を丸一年)ドイツ語を独学で勉強して『C1』レベルに達するには、恐ろしい忍耐力と器用さが求められるでしょう。

そこでいわゆる、『私設の語学学校』や『大学の語学準備コース』なるものが登場します。

それぞれの詳細は別途まとめることにして、今回はおおよそのスケジュール感だけつかんでいただければと思いますが、最終的に『C1』に、余裕をみて5月あたりの時点で達することを目的にするのであれば、以下、GOETE INSTITUTEの発表している語学水準表と、私の通っていた語学学校の必要としていた学習時間とをまとめておきます。

『A1』期間: 4週間(簡単な日常会話や自己紹介がおこなえるレベル)
『A2』期間: 6週間(日常のコミュニケーションが行えるレベル)
『B1』期間: 6~8週間週間(身近なテーマについて自分の意見を述べることができるレベル)
『B2』期間:12週間~14週間(複雑な文章、言い回しの理解が可能なレベル)
『C1』期間: 8週間~(大学の講義や仕事に問題のないレベル)

(ここで言う『週間』は、一日3時間、月~金まで勉強をつづけて『1週間』という意味です)

上述したように、ドイツの大学院入学には基本的に『C1』の語学力が必要ですので、私の語学学校の基準で行くと、まっさらな状況から勉強をはじめたとすると、32週間〈8ヵ月〉程度は見て置く必要がある、というわけです。

ただ、通っている語学学校のC1のクラスを卒業したからといって、TestDafやDSHに合格するとは限りませんので、余裕を持ちたいのであれば語学準備に要する時間は、1年半を見て置いたほうがよいかと思います。

まとめ

さて、前回とのスケジュール感のおさらいですが、『入学時期』と『語学学習に必要な時間』が分かったら、あとは『退職通知期日』を加味して逆算していくだけです。

例:2016年7月応募を目指す→自分のドイツ語レベルは現在B1相当(大学で2年くらい第二外国語を勉強したひとは、大体このレベルからです)→そのため、あと6ヵ月程度勉強しなければならない→2015年末までには退職が必要→・・・という計算です。

この辺の、受験レベルに達するために必要な時間は、人によるかもわかりません。私の知り合いは、独学で始めて半年で大学入試レベルに達している人もいました。あくまで一般的な目安としては、上記の表を参考にしていただけるとよいでしょう。

さて、前回と合わせて、『1.スケジュール作成』が終わりました。次回は、『2.語学語学選定』についてまとめていきます。

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