ドイツ旅行の際の予防接種:ダニ脳炎ワクチンの価格と接種できる施設

ドイツ旅行をする際に必要な予防接種と、注意しなくてはいけない病気についてまとめていきます。

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ドイツ旅行と予防接種

基本的に、ドイツを短期旅行する際に必要になってくるような予防接種はほとんどありません。東欧などの衛生管理があまりなされていない国と違い、ドイツは清潔ですし、そこまで病気に関して心配するような必要もありません。

ただ、病気にかかる可能性が全くのゼロ、というわけではなく、中には予防接種によって予防できる病気も存在しますので、以下、どのような場合に必要になるのかをまとめていきます。

なお、この記事では成人が、短期的(最長でも1か月程度)にドイツ旅行する際の、日本国内での予防接種を想定しています。

ダニ脳炎ワクチン

外務省のホームページを参照すると、ドイツを旅行する際に唯一、気を付けなくてはならない予防接種が「ダニ脳炎ワクチン」です。

特にかかり易い病気や怪我はありませんが,注意すべきものとして,日本にはない感染症にダニ脳炎があります。これは中央ヨーロッパから,ロシア極東地域に分布する風土病で,ウイルス性の脳髄膜炎を引き起こします。

狂犬病のように、発症したら必ず死ぬ、というような絶望的に恐ろしい病気とまでは言いませんが、ダニが媒介するウイルス性脳髄膜炎を引き起こし、死亡率は1%から5%程度で、場合によっては脳に後遺症が残ります。ドイツでは年間150人~300人程度が発症しているようです。

どんな場合に特に注意しなくてはいけないかというと、春から夏にかけて、森林などでダニに噛まれることによって発症します。ちなみに、ドイツだけでなく、中央ヨーロッパから極東ロシアまで、広範にわたって確認されている病気です。

春~夏にかけてドイツで森林などへ出かける場合は要注意!!

次いで、価格帯ですが、3回接種する必要があり、かつそれぞれの接種の金額もかなり高額です。また、医療機関によって以下のように金額がまちまちですので、気を付けましょう。安いから質が悪い、といったわけではなく、金額によって効きがよい、悪いといった区別はないそうです(私の知る限り、ふたばクリニックが最安です)。

東京医科大学:11500円
ふたばクリニック:11000円 http://www.futaba-cl.com/index.html
トラベルクリニック新横浜:14500円
千駄ヶ谷インターナショナルクリニック:非公開
品川イーストクリニック:非公開

他にも、接種を受けられる医療機関は存在しますが東京だけで見れば4つくらいしか扱っている医療機関がないうえに、価格がインターネットでは公表されなかったりしますので、詳しくは電話にてお問い合わせください。その他の地域の接種可能な機関については、以下のサイトをご覧ください。

http://jstm.gr.jp/vaccination_agency/

次いで、接種の際のスケジュールに関してです。千駄ヶ谷インターナショナルクリニックによれば、ワクチン接種初日から7日目、21日目にそれぞれ再接種が必要です。ですので、海外旅行のスケジュールに合わせて間に合うように予約の申し込みをしなくてはいけません。

出発まで時間がない方には、1回目接種から7日後に2回目接種、21日後に3回目接種、1年後に4回目接種を行います

特に、海外輸入のワクチンの場合、在庫が不足していたりするケースもあり、当日に予約して接種を受けられるかどうかは医療機関によりけりです。

当日予防接種を受ける際、誓約書を書かされることがありますので心の準備をしておきましょう(ワクチンの副作用で、何か後遺症を患っても、病院側は責任を取りません、的な)。確率的にゼロではありませんが、限りなくゼロに近く、こればっかりは人間の力ではどうしようもないところです。

その他のワクチン

破傷風、狂犬病、B型肝炎など、他にも海外旅行の際に注意しなければならない予防接種はいくつもあるのですが、ドイツに限っては必ずしもではありません。例えば、ドイツにおける狂犬病の死者は2007年に1人発生しているものの、東南アジアや東欧のように野犬がいるわけでもありませんし、「発症する確率は天文学的に少ない(ただしゼロではない)」というレベルです。

特に、狂犬病などは一回の接種の料金が高いうえに、渡航前に3回注射しなくてはいけないので、3万円くらいかかります。確率的に考えて発症する可能性がほぼゼロに近い以上、ドイツに限れば他の予防接種はそこまでお勧めしません、高いので。

ただ、例えば破傷風やB型肝炎など、接種を受けておけば当分の間抗体が効いて有効な予防接種もあります。ドイツに限らず、将来的に他の海外に旅行するような予定のある場合、こうした予防接種を受けておいても損はないかと思います。

その他、現地で予防できること

予防接種も大事ですが、それ以上に、感染するような機会を作らないことも重要です。例えば、上述のダニ脳炎の場合、森林で肌を露出して、ダニに噛まれると発症するので、肌を露出しない、虫よけスプレーを使用する、などの方法で感染確率を限りなくゼロに近づけることはできます。

狂犬病も、発症したら必ず死ぬ恐ろしい病気ですが、それ以前に犬や蝙蝠に接触しなければ問題ありませんし、万が一接触し、傷をつくってしまったとしても、それからすぐにしかるべき医療機関にかかり、曝露後接種を行えば問題ありません。

また、AIDSのような病気もヨーロッパでは厄介です。性感染症についての知識は海外渡航前にしっかり身に着けておきましょう。現地での性交渉の機会がある場合、必ずゴムの着用をするべきです。

予防接種で防げないような病気もいくつも存在します。食中毒、風邪、その他の感染症などに関して、避けられないようなケースでは、海外旅行保険が重要です。

海外旅行保険に関するまとめ記事

というわけで、予防接種はあくまで「予防」のための一手段であって、時と場合によってはそのほかの予防手段でも十分に感染を防止することは可能であったり、最悪の場合海外旅行保険の出番になります。特に、海外旅行における予防接種は財布との相談になることが多く、なにが必要でなにが必要でないかは、旅行先での自分のプランなどに左右される、ということを覚えておきましょう。