旅行までには知りたいドイツの宗教と歴史!カトリック?プロテスタント?仏教も!?

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日本では『私は真言宗だから』とか『曹洞宗だから』みたいに自分の信仰を人前で語るようなシーンはそう多くはないと思いますが、ドイツでは宗教はその人のキャラクターを裏付ける一つの重要なファクターでもあります。

例えば、これはドイツの教育現場ではイスラム教信者は教師になれない(なれたとしても疎まれる)という話がありますし、就職活動、政治活動、学業など様々な場面でその人の方向性を左右するような力を持ちます。

今回はそんなドイツの宗教事情についてまとめていきたいと思います。

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ドイツの宗教構成

ドイツと宗教という話題を語る上で欠かせない歴史的登場人物が宗教改革の立役者『マルチン・ルター』です。

マルティン・ルターによって、教会の秘儀とされてきた聖書の内容が一般大衆にも広く普及することとなり、カトリックの専横が崩れさりました。こうして宗教改革がおこるのですが、その役割を担ったのがグーテンベルグの『活版印刷』でしょう。活版印刷によって、ルターは自身の著書をまんべんなく世に広めることができたのです。

教会の腐敗(例えば免罪符の発行など)に失望したルターは宗教改革を実行し、教会を介さずとも神に通じるみちはあるということを世の中に知らしめますが、その際に活躍したのがグーテンベルグの活版印刷です。

教会に対して反抗するもの(protest)という語源から、この宗教改革に加わったルター派の者たちを『プロテスタント』カトリック教会側のことを『カトリック』と分別するようになりました。

そんな宗教改革の歴史が発生した地でもあることから、他のヨーロッパ諸国に比べてドイツのプロテスタント人口は多くなっているのが現状です(ドイツ、スイスなどではプロテスタントとカトリックの割合が半々程度)。

ちなみに、プロテスタントとカトリックの違いは何かと聞かれると、現地の人々も即答できないようなものなのですが、例えばBild紙によると以下のような違いがあるそうです。

Für Katholiken ist die Kirche der einzige Zugang zu Gott – nicht als Gebäude, sondern als Organisation. Protestanten haben diesen absoluten Anspruch nicht, betrachten die Kirche und ihre Struktur nur als Versammlungsrahmen.

『カトリック信者にとっては、教会は神へと通じる唯一の手段であり、教会を単なる建物ではなく神の組織として見なしている。一方、プロテスタントは、そのようには考えず、教会を単なる集会の場であると考える。』

プロテスタントの場合、聖書さえあればどこでも神に通じることができという教義ですので、教会は単なる、共通の信仰を持った者たちの集会の場として見なされています。

Der katholische Priester ist immer ein Mann, auf Lebzeit geweiht, ehelos (Zölibat). Bei Protestanten kann jeder den Gottesdienst leiten – auch Frauen, Laien, Verheiratete.

『カトリックの僧は必ず男で、かつ聖別された未婚の者でなくてはいけない。プロテスタントの僧は、神に仕えるものであれば、たとえ女性であろうともアマチュアであっても既婚者であっても誰でも問題ない』

簡単に言うと、プロテスタントのほうがカトリックよりも戒律が緩いと考えておけば分かりやすいです。

Katholiken haben sieben „Sakramente“ (heilige Handlungen): Taufe, Firmung, Kommunion, Ehe, Beichte, Priesterweihe, Krankensalbung. Protestanten kennen nur Ehe und Abendmahl.

『カトリックは7つのサクラメント(宗教儀式)があるが、プロテスタントには2つしかない。』

サクラメント(秘跡)とは、神様の恩寵の印として定められた儀式のことで、洗礼や結婚、告解などが存在しますが、その恩寵がプロテスタントでは『結婚』と『聖餐』しかないようです。

こんな感じで細かく違いが見えはしますが、広義では両方ともキリスト教です。以下、ドイツに存在する様々な宗教を見ていきましょう。

ドイツの様々な宗教事情

美術館に行けば宗教画があり、午後には教会の鐘が鳴り、12月には様々なキリスト教のお祭りがあるドイツはまさにキリスト教の楽園です。ただ、昨今の移民事情から、ドイツの中にはキリスト教以外の宗教も多数含まれています。

以下、それぞれのドイツの宗教事情を見ていきましょう。

1.キリスト教(4~5000万人程度)

上述しました通り、カトリックとプロテスタントの人口が同じくらい(2500万人程度)です。ちなみに、ドイツでは『プロテスタント』ではなく『Evangelische(福音協会)』のほうが通じやすいです。

ただ、一概に半々といってもドイツは広いので、実際のところ都市毎に宗教色が異なるというのが現状です。例えば東ドイツのザクセンなどではカトリックの割合は人口の3パーセント程度ですが、南部のバイヨンなどでは人口の6割近くがカトリックです。

南へ行けばカトリックが、北へ行けばプロテスタントが、東へ行けばその他が多いようなイメージです(なので、教会をたくさん鑑賞したければ東よりも西側がお勧めです)。

ドイツの教会

ドイツの教会

2.イスラム教徒(3~400万人)

続いてメジャーな宗教がイスラム教です。人口のおよそ5パーセント程度がイスラム教徒と言われ、ドイツの移民人口が10~20パーセントですので、それらのうちのイスラム圏から来た人々がそのままドイツでも信仰を続けている感じです。

ドイツ在住のイスラム教徒のうち60パーセント程度がトルコ移民だそうですので、大体このイスラム教徒の人口=トルコ移民と考えてもよさそうです。

上述したとおり、差別や偏見が無いわけではなく、ドイツ国内には海外でのイスラム勢力の台頭から、アンチイスラム組織なるものも発足しています。

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3.正教Orthodoxe Kirchen(150万人程度)

ロシア正教、ギリシャ正教などひっくるめてドイツ国内に150万人程度言われており、発音は『オートドックス』です。ロシア人などがこの東方正教の信者であることが多いです。

さて、これもキリスト教の一種なのですが、私には上述のその他のキリスト教との違いがよくわかりません。

正教会は、イイスス・ハリストス(イエス・キリストの中世ギリシャ語およびロシア語読み)の十字架刑による死と復活の証人とされる使徒達の信仰と、使徒達から始まった教会のあり方を唯一正しく受け継いでいると自認している。正教会は、神の啓示を信仰の基盤とし、連綿と受け継がれてきた神による啓示に基づく信仰と教えを、聖伝と呼び、聖伝を伝えていくにあたっては、聖神゜(聖霊)の導きがあるとする。また正教会においては、キリスト教は復活の福音に他ならないとされる。

(wikipedia参照)

ただ、ロシアやギリシャ、ウクライナ出身のような東ヨーロッパ出身の人たちはこの『正教徒』であることが多いので、とりあえず存在だけ知っておけばよいかと思います。

4.仏教徒(2~30万人程度)

ここまで来るとすでにドイツ国内におけるマイナー宗教ですが、ドイツにも一応仏教徒はいるそうです。

さて、この仏教徒ですがイスラム教徒のように移民人口=イスラム教徒、のようなわけではなく、実際にドイツ人の中にも仏教に心酔している人々がいるようです。

起源はドイツの哲学者ショーペンハウアーとされていますが、彼の思想の中に仏教思想が使われていたことからドイツでは仏教に関する関心が高まり、その後も精神分析学者のユングや、同じく哲学者のニーチェと言った名だたる学者たちが仏教をその著書の中で扱っています。

そんなわけで、イスラム教徒違って過激派、といったイメージも無く『東洋の神秘』程度にとらわれているので、もし就職活動や面接で宗派を聞かれても、仏教と答えて置けばそんなに当たり障りはないはずです。

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今回紹介した以外にも、ユダヤ教徒やエホバの証人などマイナー宗教もちょいちょい存在していますが、おおよそ上述したような宗派に収束しています。

宗教関連の話では、以前まとめたテレビ番組が分かりやすいので、ドイツ語がある程度できるのであれば見てみることをおすすめします。

人類の起源と信仰のはじまりは、人々の『死』からです。それは特別な物として、人々はかつて弔いをはじめましたが、やがて『死』は人々に受け入れられるようになりました。

以上でドイツの宗教事情を終わります。

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