ドイツ語の属格(Genitiv)は簡単なようで奥が深い!

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I my me mine
You your you your
He his him his・・・

と、中学生の頃リズムに合わせてそれぞれの格を憶えたと思います。属格とはこのmyやyourにあたる、つまり『僕の』とか『あなたの』とか、特定の誰かの所有であることを示す言葉ですが、これが欧州言語では『の』をつければいいようにはいきません。

また、ドイツ語の属格は所有以外にも、特定の前置詞と結びつくなど使い方が豊富ですので、いったんここで基本概念を理解していただけたらと思います。

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属格とは

日本語では『所有格』ともいいます。
広辞苑によると

格の一。主に所有・所属などを表す。属格。

と書かれています。文字通り、『私の』『あなたの』という意味です。

日本語では代名詞だろうと固有名詞だろうと『の』をつければ属格になるのでわかりやすいですが、欧州言語では少し異なります。

英語における属格

英語の属格には以下の3パターンの種類があります。

  1. 代名詞における属格
  2. 前置詞を用いた属格
  3. 固有名詞を用いた属格
1.代名詞における属格

これは、冒頭で記したとおり、my, your, his, herなどがこれに該当します。
例1:This is my car.
例2:Her mother is very big.

ちなみに、代名詞における属格と、冠詞は重複できません(This is a my carとはいいません)。冠詞が、何か特定の(あるいは不特定の)『○○』を表す名詞の前にくるものなので、同じく特定の『○○』を表す属格と意味が被ってしまいます。

また、My mother’s friend’s watch is very expensive.のように、ダブルで属格を使うのもかっこ悪いです(意味は通じると思いますが)。

そんなときは、以下のように前置詞を用いて属格を表します。

2.前置詞を用いた属格

英語では基本的にofを使いますが、属格が日本語の『の』に該当するので、コンテキストによってはinなどでも通じます。

例1:A watch of my mother’s friend is expensiv.

ofを用いることによって、冠詞やダブル属格との併用が可能になります。

例2:The pain in my left hand is bad.

例2は厳密には属格ではなく『私の左手の痛み』という範囲を表す前置詞ですが、日本語の属格が時に範囲を表すものですので、こうした用法でも通用します。

3.固有名詞を用いた属格

これは簡単です。

Taro’s girlfriend is beautiful.

みたいに、固有名詞のあとに『’s』をつけるだけです。

また、固有名詞の最後の音が『s』で終わる場合、『’s』ではなく『’』のみを付ける場合が多いです。

Carlos’ mother is still beautiful.

さて、次にドイツ語の属格をみていきましょう。

ドイツ語の属格

属格はドイツ語では『genitiv』と言います。

種類は英語よりも一つ多い

  1. 代名詞における属格
  2. 前置詞を用いた属格
  3. 固有名詞を用いた属格
  4. 格変化による属格

の4種類あります。以下、違いをみていきましょう。

1.代名詞における属格

私の        :mein
君の        :dein
彼・彼女の・それの :sein, ihr, sein
私たちの      :Unser
君達の       :euer
あなた達の     :Ihr

そして、後にくる名詞が男性名詞か女性名詞か、あるいはdativかakkusativかなどで、これらの、語尾が変化します。

全部は記しませんが、『mein』を例にとってみてみましょう。
〈主格〉
男性名詞: mein Hund
女性名詞: meine Tochter
中性名詞: mein Fenster
複数系 : meine Hunde

〈属格(2格)〉
男性名詞: meines Hundes
女性名詞: meiner Tochter
中性名詞: meines Fensters
複数系 : meiner Hunde

※男性名詞と中性名詞の場合には、語尾に『s』か音によっては『es』がつきます。

〈dativ(3格)〉
男性名詞: meinem Hund
女性名詞: meiner Tochter
中性名詞: meinem Fenster
複数系 : meinen Hunde

〈akkusativ(4格)〉
男性名詞: meinen Hund
女性名詞: meine Tochter
中性名詞: meines Fenster
複数系 : meine Hunde

このmein+『○○』の語尾変化のところは、不定冠詞における語尾変化とほぼ同様です。

deinもseinも同じように語尾が変化するのですが、『君たち』を表す『euer』だけは以下のように変化するので注意してください。
〈主格〉
男性名詞: euer Hund
女性名詞: eure Tochter
中性名詞: euer Fenster
複数系 : eure Hunde

2.前置詞を用いた属格

これは英語と同じです。

英語の場合ではofでしたが、ドイツ語ではvonを用います。

ちなみに、口語体では比較的vonを使う機会の方が多いようにみえます。

例1:Die neue Freundin von meinem Bruder ist klein.
例2:Die neue Uhr von Tom ist teure.

3.固有名詞を用いた属格

これは少しだけ注意が必要です。

英語  :Tom’s car is gud.
ドイツ語:Toms Auto ist gut.

ドイツ語の場合には『’』が付きません。また、Carlosのように語尾がsで終わる場合はどうでしょうか?

英語  :Carlos’ car is gud.
ドイツ語:Carlos’ Auto ist gut.

この場合は英語と同じように『’』をつければ属格の完成です。

4.格変化による属格

ドイツの格の種類は4つ存在します。
主語を表す〈主格〉

主語は必ず文章の『主体(Subject)』であり、『主格・1格(nominativ)』という格をとる

目的語を表す〈対格(直接目的語)〉と〈与格(間接目的語)〉

ドイツ語で、間接目的語を『Dativ』、直接目的語を『Akksativ』といいます

そしてもう一つが、今回登場した〈属格〉です。

定冠詞の属格は以下のように変化します。
男性名詞: des Films(映画の)
女性名詞: der Sonne (太陽の)
中性名詞: des Fensters (窓の)
複数系 : der Hunde (犬たちの)

ここでも、『男性名詞』と『中性名詞』には語尾に『s』がついていることに注目してください。これは結構忘れやすいのですが、忘れないでください。

また、語順も英語のように『持ち主』→『持ち物』ではなく、逆の語順になります。以下、一つ例を出してみます。

例:Das Ende des Films ist gut.
その映画の終わり方はよかったね。

不定冠詞の場合も同じような格変化をします。

属格を用いた前置詞

以前、前置詞のところで『dativ』と『akkusativ』とくっついた形の前置詞を紹介しましたが、『genitiv(属格)』を用いた前置詞も存在します。

そして、ドイツ語の前置詞はあとにくる名詞の格を変化させますので、それぞれの前置詞があとにくる名詞をどのように変化させるのか、を必ず一緒に覚えるようにしておきましょう。

wegen(~のせいで)やtrotz(~にもかかわらず)といった前置詞がそうです。これらに関しては後述しますが、一つだけ例を出しておきましょう。

Wegen des schlechten Wetters komme ich nicht.
(天気が悪いのでこれません)

今回はこの辺で終了とします。

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