私のドイツ留学5:TestDafにまさかの合格!受験準備で日本へ一時帰国

以前も述べましたが、人生にはいたるところに分かれ道が潜んでいます。私が人と出会ってドイツに留学したこと、語学学校の紹介で良いタンデムパートナーに恵まれたこと、など、自分で決断した部分もあれば、偶然の要素が強い部分もあります。

ドイツの大学受験を志すものにとって最大の難関であるTestDafの試験ですが、私は周囲の止めるのも聞かずドイツ渡航から7ヵ月後に受験しました。確率的には、1%もないような無謀な挑戦だったと思います。にもかかわらず、偶然とは面白いもので、周囲の並み居る優秀な生徒たちが不合格の中、私一人、なぜか合格しました。

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TestDafに偶然合格する

試験の手ごたえとしては、正直可もなく不可もなく、というところでした。不合格で当たり前と思っていたので、試験後もまったく期待せずに、来たるべき次回のTestDafに向けての勉強を続けていました。

ところが、試験後1ヵ月くらいして後、学長とたまたま廊下ですれ違った時に「おめでとう、あなた合格したわよ」と声をかけられました。

最初は何のことか分かりませんでしたので、何の件か尋ねると「TestDafのことに決まってるじゃない」とのことです。私は最初、私が彼女のドイツ語を間違って解釈していると思いましたが、どうやら本当に合格していたようです。信じがたかったので、念のため合格の証拠となるパソコンの画面を写真に撮り、ドイツ人の友達に見せて、合格していることを確認しました。

私にとって幸いだったのが、TestDafは、DSHのように厳密にドイツ語の文法知識を必要とする試験ではなかったことです。そのため、文章の「大意」さえ理解すればなんとかなるのです。タンデムパートナーとその友人との交際を通じ、私は、「ドイツ語をなんとなく理解する」能力には自信がありました。

方や、授業中は私のできない問題をすいすい解いていた別の学生たちが不合格になっており、改めて偶然の力を思い知りました(ちなみに、この時に運を使い切ったのか、その後ドイツの大学院に入学したら、日本から送った荷物が途中で盗まれたり、詐欺まがいのアパートを引き当てたりと、ちゃんと揺り戻しがきました)。

私に合格の実力が無かったのは明確ですが、ともあれ合格は合格です。

TestDafには合格したが・・・

さて、そうすると今度は、本腰をいれてドイツの大学院受験に取り掛かることになります。その日は、TestDafに合格した日なので、自分へのご褒美になにもせずにのんびりとしたかったのですが、何か虫の予感がして、いくつかの大学の募集要項を見てみることにしました。

すると、どうも、どの大学を受験するにしろ、英語の証明書が必要です。日本人の持っているTOEICではなく、TOEFLかIELTSです。念のためホームページを確認すると、TOEFLの締め切りは翌日とのことでした。これを逃すと、翌学期に応募するチャンスを逃しかねません。慌てて応募し、その1か月後に行われるTOEFLの試験に向けて慌てて勉強を開始しました。

これは、ドイツ語を勉強する者の宿命でもあるのですが、ドイツ語と英語とは非常に似通った言語で、学習していると混ざってしまうのです。今まで7ヵ月間、ドイツ語をばかりを勉強していたので、頭をすべて英語に切り替える必要がありました。語学学校は翌月分を前払いしていましたが、もう行かずに、家にこもって英語の勉強を黙々と行います。

街に出るとドイツ語を使う恐れがあるので、極力外出せずに、ひたすら頭の中のドイツ語をすべて英語に変換させるよう集中しました。ドイツで英語を勉強するのは高いので、この時期、日本のオンライン英会話会社を利用し、英語のスピーキングの勉強をしました。

目標とする点数は英語のB2レベルですので、TOEFL基準で80点だったかと思います。ちなみに、一ヵ月頑張ったかいもあり、試験後の私の点数は82点、まさに紙一重での合格でした。ともあれ、これで私は複数の大学の入学基準を満たしました。ドイツ渡航から8ヵ月後の出来事です。

日本への一時帰国

最後の2ヵ月ほどは、TestDafとTOEFLの準備でろくに寝ていませんでしたし、外出もしていませんでしたので、心身ともに疲弊した状況でした。資金的にもこれ以上ドイツに滞在するのはきつくなり、オープンチケットも残っていることですし、一度、日本に帰国することにしました。

ちなみに、この後念のためIELTSの試験も日本に帰って受験するように応募しました。理由は、一部の大学院ではTOEFL87またはIELTS6.0という基準があり、IELTS6.0のほうがなんとなく受かりやすい気がしたからです。実際に、その後日本で受験した時は、IELTSのほうは6.5に達しました。TOEFLは丸一日缶詰にされて疲労困憊するのに対し、IETLSはスピーキングが別日程なのでお勧めです。

ともあれ、ドイツ渡航から8か月後、久しぶりに日本に帰ってきました。真っ先に、空港で日本食を食べ、地元の駅に着いたら松屋の牛丼を食べました。しかし、私はまだドイツの大学院留学のスタート地点にすらたっていません。今後、書類を整え、大学院に出願し、入学許可を得なくてはいけないのです。