業者は使わない?ドイツの学生式引っ越し方法

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日本では、業者を利用したり、友人に手伝ってもらったりとやり方はまちまちですが、ドイツでは引っ越しはどのように行われるのでしょうか。

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ドイツの学生と引っ越し

学生が引っ越しを決めるにはいくつか理由があります。今住んでいるところが気に入らない、もっと条件の良いところが見つかった、同棲を始めたい、学生寮に空きができた・・などなどです。ただ、引っ越ししたいからといって焦ってはいけません、ちゃんと以下のような手順を正式に踏みましょう。

まず、時系列で追っていきましょう。初めに、家主に対して「いついつに退去したいです」と告げる必要があります。法的には、3ヵ月前までに家主に告げる必要があります。これは、この3ヵ月の間に、家主が次の入居者を探すためです。これは、できれば手紙によって通知されることが望ましいです。というのも、メールや電話だと『言った言わない』の水掛け論になる可能性が高いからです。そして、慎重を期すのであれば『書留郵便(Einscheibung)』で書かれることが望ましいです。

Das Einschreiben bietet Ihnen die persönliche Übergabe Ihrer Sendung durch unsere Zusteller. Mit dem Einschreiben wird Ihre Sendung nur gegen Unterschrift des Empfängers an diesen übergeben.

『Einschreiben(書留郵便)を利用することで、配達員が手紙を届け先に手渡しします。その際に、本人による署名によってのみ、この手紙を受け取ることが可能です。』

ただし、例外的に、3ヵ月以内であっても、引っ越しが認められるケースがあります。それは、次の入居者(Nachmieter)をどこかから探し当ててこれた場合です。そのため、大学の掲示板にはこの『Nachmieter』を募る告知が多く載せられています。

続いて、重要なのが『次の入居先』を探すことです。これは、我々外国人であれば2ヵ月くらいの余裕を見ておきたいところです。逆に、2ヵ月以上前ですと、インターネット上でも中々情報が見つかりません。ドイツですでに大学生であれば、語学学校の学生よりもはるかに見つけやすい状況ではありますので、そこまで心配する必要もありません。

後は、新しい入居先を見つけ、契約を済ませ、敷金を払えば新しい入居先との契約は締結完了です。さて、次の大仕事である『引っ越し(Umzug)』の話に取り掛かりましょう。

引っ越しの手順

引っ越しですが、これはパターンが2つあります。一つ目は、住んでいた部屋に家具がついており、次の入居先に持っていく荷物がそこまでない場合です。この際は、2~3回往復すれば済むことですので、そこまで問題ではありません。

問題は、そもそも家具がついていなかった部屋に家具を揃えた場合です。これは、次の住まいに持っていく必要があります。ソファー、ベット、机などですが、これを引っ越し業者に頼もうとすると、割と費用が掛かります。どうしましょう。

ここは、困ったときはお互いさまということで、友人の協力を得ましょう。以下、私の友人の引っ越しを手伝った際の一日の流れです。

18時
レンタカー屋に集合。60ユーロくらいで自動車保険込みの引っ越し用の車をレンタルしたとのこと。他の友人二人と一緒に古い家へ向かう。

18時半
引っ越し作業開始。部屋にあった荷物は学生生活に必要なものすべてで、二段ベット、ソファー、洗濯機、テレビ、学習机など。ちなみに、部屋は3階(ドイツでいう2階)。全てを運び終えるのに1時間程度。ちなみに、洗濯機を3階から1階まで運ぶのは困難なので、階段でも転がせるような装置を友人が持ってくる。

20時
全ての荷物を積み終え、新しい家に到着。ちなみに、部屋は同じく3階(ドイツでいう2階)であり、壁などを傷つけないように慎重に運ぶ。ちなみに、ベットや机はいったん分解したため、組み立て班と荷卸し班に分かれての作業となる。

22時
全ての作業が完了。本や小物類などの開封作業は本人に任せ、とりあえずピザとビールで打ち上げを行う。

というわけで、引っ越した当人からしてみたら、車代と我々3人の助っ人代(ピザ代)だけで引っ越しが済んだわけで、学生らしいお手軽なやり方とも言えます。これはなにも特別な例でなく、大抵のドイツ人が『引っ越し』と聞くと助けてくれます。できれば、車を持っている友人がいれば車を借りなくていいので非常に心強いです。

Zweischenmieter(ちょっとの間そこに住んでくれる人)

ちょっと日本語でなんて訳せばいいのかわかりませんが、別の形態として「Zwischenmieter」というものがあります。例えば、上述の方法ですと、れっきとして引っ越しですので、持っているものをAからBまで移動させる手間が発生します。

『夏休みを利用して2ヵ月だけ日本に帰りたい』『次のセメスターは3ヵ月別の都市でインターンをしたい』という短期間の場合、この引っ越し作業を一々するのは非常に面倒ですし、そもそも家具を持っている場合、海外に持っていくわけにもいきませんので、処分しなくてはいけません。かといって、その家を借りっぱなしにしておくと、その長期外出中に家賃が発生し続け、とても非経済的です。

ここで便利なのが『Zwischenmieter』という方法です。要するに、短期間の間自分の住まいに住んでくれる人を探すやり方で、この方法であれば一々引っ越しする必要もありませんし、家具を処分する必要もありませんし、そして家賃を払い続ける必要もありません。

この『Zwischenmieter』に関しても、大学の掲示板をみるとよく告知が乗っています。