海外旅行保険の基礎知識その2:個人賠償責任保険

海外旅行において賠償責任が発生した場合の損害をてん補する、損害賠償責任保険に関してまとめていきたいと思います。

その他の海外旅行保険、海外旅行保険に関する基礎知識に関しては以下のまとめ記事をご覧ください。

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損害賠償責任保険の基本的な考え方

損害賠償責任保険の一般的なとらえ方は、他人の身体・モノに対して損害を与え、かつ法律上の損害賠償責任が発生した場合に、その賠償金の支払いなどをてん補する、というものです。

ここで注意が必要なのが、まず「他人の」身体、モノに対する損害である、ということです。「他人」とはなんでしょうか?例えば、AIU海外旅行保険の個人賠償の項目を見ると、以下の場合は保険金が支払われないと書かれています。

「被保険者と同居する親族および旅行行程を同じくする親族に対する損害賠償責任」

家族は、他人とは見なされません(「他人」の定義は、会社ごとに異なりますので、注意してください)。つまり、旅行中に子供が父親を誤ってケガさせてしまったとしても、賠償責任保険としての保険金は発生しません。また、同じように、被保険者が法人の場合、自分の使用人なども他人とは見なされないので、注意が必要です。

そして、もう一つここには注意すべき文言があります。「法律上の損害賠償責任が発生した場合」に限り、保険金を支払う、ということです。ありがちなのが、自動車事故などで、自分がほとんど悪いような事故で「全部保険会社に負担させますので、許してください」と勝手に交渉することはできない、というわけです。

交通事故から弁償事故まで、あらゆる損害賠償をめぐる規則は今までの裁判の判例に基づいて決められますので、いくら被保険者が支払う意思があっても、法律上支払う義務のないケースでは保険会社は保険金を支払わない、というわけです。

この原則は、国内の個人賠償責任保険だけでなく、海外の個人賠償責任保険でも同じように適用される考えですので、参考にしてください。

どんな場合に保険金が下りるのか、下りないのか

実際に、おりるおりないを決定するのは保険会社で、そのケースに応じて異なりますのでここではあくまで一般論でお話をします。

AIU海外旅行の事故例を見ると、スプリンクラーの誤作動によって寮が水浸しになり80万円、水道を止め忘れてホテルの部屋を水浸しにして60万円、スノーボードで相手にけがをさせて1200万円、などです。こうした場合には保険金が下り、保険会社から被害者に保険金が支払われることとなります。

逆に、注意すべき保険金が下りないようなケースはというと、一般的に上述のように「法律上の賠償責任がない場合」が対象となります。

また、以下のような場合にも注意する必要があります。先ほどのAIU保険で「支払われない場合」の箇所をもう一度見てみましょう。以下のような文言を発見します。

「被保険者が所有、使用または管理する財物の損壊もしくは紛失について、その財物について正当な権利を有する者に対して負担する損害賠償責任」

咬み砕いて言うと、友人にカメラを借りて、そのカメラを壊してしまったようなケースをここでは想定しています。実際に法律的にどうなのか、それともモラルハザード(保険金詐欺)を防ぐための処置なのかは分かりませんが、注意が必要です。確かに、海外旅行保険の個人賠償責任保険は高額になりやすく、それゆえ保険金詐欺に使われるケースも多く、保険会社も慎重になっています。

ただし、レンタル業者と締結して借りたレンタル用品を旅行中に無くした・壊した場合、その損害を補償する、としている保険会社は多く、詳しい保険の有無責に関しては各保険会社に問い合わせてください。

重複に気を付けなくてはいけない例

国内で自動車保険に加入している方は、多くの場合、自動車保険付帯の特約である「個人賠償責任保険」に一緒に加入している可能性が高いです。これは自動車保険付帯の特約なのですが、多くの保険会社で「海外での事故」も補償する仕組みになっており、それゆえ上述の海外旅行保険との間で重複が起こりやすいです。

ただ、注意しなくてはいけないのは、国内の自動車保険付帯の個人賠償保険と、海外旅行保険付帯のお個人賠償責任保険とでは、微妙に補償内容が違う点です。

まず、国内版の自動車保険付帯の個人賠償責任保険では「国内の事故は無制限に補償」「示談サービス付き」であることが多いです。示談サービス付き、とは要するに自分ではなく保険会社が被害者との間で交渉を進めてくれる、というものです。一方で、海外でおきた事故に関しては「1億円まで」「示談交渉サービスなし」というケースが多いです。

さて、海外旅行保険付帯の個人賠償責任保険をみると、こちらもやはり「示談サービス」をおこなってくれる保険会社はあまりありません(ただし、弁護士特約を付帯することで、弁護士を介入させるkとができる会社はあります)。ただ、補償額が1億限度ではなく、無制限で選べる点が特徴です。

個人賠償で実際に無制限を選ぶ必要はあるのか、と問われると微妙なところです。ただ、国内の事故でも、自転車で相手にケガをさせて8000万円の賠償(自転車や交通用具による事故が支払いの対象かどうかは海外旅行保険によって異なります)などの事例もありますし、可能性としてはゼロではないです。

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