ドイツにおけるテロへの反応と、国内の危険性・防犯体制に関して

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フランスでのテロが勃発し、世界中が悲しみに包まれています。お隣の国、ドイツも例外ではなく、広場には花が飾られ、私の大学でも黙祷の時間がありました。今回は、ドイツ国内のテロ報道と、テロ対策についてまとめていきたいと思います。

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ドイツ国内の反応:フランスのテロへ

災害にしろ、戦争やテロにしろ、その国の反応、というよりは、その国に住む人々の反応です。メディアと国民は違います。東日本大震災の時にもフランスの大衆紙が原発を面白おかしく煽るような記事を載せていましたが、私の知り合いのフランス人はあんなの面白くもなんともない、誠に遺憾だと言っていました。

なにが言いたいかというと、よく一部の国民やメディアの声が『○○国の反応』として取り上げられがちですが、そんなもの、千差万別です。中にはこれを期に難民排斥を唱える人もいれば、嘆く暇があるならテロリストのために反撃を開始せよ、と言っている人もいます

勿論、私の書く記事も、私の信条に左右されていますし、周りの意見というのもあくまで『私と付き合いのある人々の意見』ですので、テイストが私と似たようなものになっている可能性が高いので、注意してください。

という前提を踏まえたうえで、ドイツ国内の反応を語ると、基本的には『弔い』モードです。上述の通り、広場にはトリコロールとともに花が飾られています。大学からは全員宛にメールが流れて来て、時間になったら祈りを捧げましょう、と伝えられました(ただし、フェイスブックのトリコロール加工をしている人はほとんど見ません)。新聞やメディアは、まあ紙によって傾向が違います。

Frankreichs Präsident Hollande spricht von “beispiellosem Terror”, Kanzlerin Merkel ist “tief erschüttert”, der britische Premier Cameron zeigt sich “schockiert”, und US-Präsident Obama sichert Frankreich “jegliche Hilfe” zu. Die Reaktionen auf die Anschläge von Paris.

『フランスの大統領は「未曽有のテロ攻撃だ」と語り、メルケル首相は「深いショック」をおぼえ、イギリスのキャメロン氏は「ショック」を露わにし、アメリカのオバマ大統領はフランスに対する「あらゆる援助」を約束した。これがパリ事件に対するリアクションである。』

テレビでも、とりあえずメルケル首相がニュースを耳にして、強いショックを覚えたとの内容のモノが流れています。しばらくは、このパリ攻撃の記事や話題で埋め尽くされそうな形です。

また、私の友人は『Terror Alarm』というアプリだかサイトだかを頻繁にチェックしており、防犯意識は高まっていると言えます。

ドイツの防犯体制は万全か?

私は専門家ではないので詳しくは知りませんが、今のところドイツの警察は優秀な気がします。今回も、どうやらドイツからフランスへ行こうとしていた人の車の中から武器が見つかったとの情報も上がっていますし。

Die Bundesrepublik steht schon lange im Visier von islamistischen Terroristen. Die Bedrohung sei unverändert groß, sagt de Maizière. “Die Lage ist ernst.” Auch in Deutschland sei ein Anschlag nicht auszuschließen, heißt es in Sicherheitskreisen. Nach den Terrorattacken in Kopenhagen und Paris zu Jahresbeginn ging auch bei den deutschen Sicherheitsbehörden eine Flut an Hinweisen auf mögliche Anschlagspläne ein. Das erwartet de Maizière auch jetzt wieder. Allerdings seien erfahrungsgemäß viele Botschaften von “Wichtigtuern und Trittbrettfahrern” darunter, meint er. Nachgehen müssen Polizei und Geheimdienste trotzdem jedem Hinweis. Bislang gab es nur einen islamistischen Anschlag auf deutschem Boden: Ein Attentäter erschoss im März 2011 am Frankfurter Flughafen zwei US-Soldaten und verletzte zwei weitere schwer. Andere Attentatsversuche wurden vereitelt.

『ドイツ政府は長いこと、イスラムテログループを警戒し続けている。この脅威は不変的かつ強大である、とde Maizière(ドイツの政治家)は述べている。「状況は深刻だ。」ドイツ国内でも決して企てが防がれたわけでは無く、安全体制の危機にさらされていると言えよう。2015年初頭に行われたコペンハーゲン、およびパリでのテロ行為以降、ドイツの治安当局にも、テロに関する情報が数多く寄せられている。そのことをde Maizièreは再び念頭に入れている。もっとも、経験によるとそれらの中には多くのデマなど(?)が寄せられている、とのことだが、それでも警察と諜報部は足取りを追いかけなくてはならない。ここまでで、ドイツ国内でのイスラム組織の企ては、実際のところ1回しか存在していない。2011年3月に、フランクフルトの空港で2人のアメリカ人兵士が暗殺され、2人が重傷を負った。他の暗殺計画は今のところ成功していない。』

(”Wichtigtuern und Trittbrettfahrern”の部分の訳が少し自信ないのでご了承ください。Trittbrettfahrernは便乗者でいいと思うのですが、Wichtigtuernの適切な和訳が分かりません。)

今回のISにされたのはローマ、ロンドン、ワシントンで、ドイツの都市名は入っていませんし、他国に比べてそれほど積極的に中東に介入していないのでしょうか。ただ、イギリスの外務省の情報によると、ドイツのテロ危険度はフランス以下ですがポーランド以上で、今回名指しされたイタリアやアメリカと同レベルと言われています。

一応、今までドイツで大規模なテロ攻撃はおこっていませんが、外国人の数が多いのも事実ですし、決して安全とは言い切れない状況です。ただ、それを言ったらオリンピックを控えている日本や、宗教・民族間の対立の残る中国、インドなども別に安全とは言えませんので、キリがなくなってきてしまいます。

と、いう記事を書いている最中にも、ハノーファーで爆弾が見つかりましたので引用します

Bei dem Fußball-Länderspiel in Hannover bestand die Gefahr eines Sprengstoff-Anschlags. “Wir haben konkrete Hinweise gehabt, dass jemand im Stadion einen Sprengsatz zünden wollte”, sagte Hannovers Polizeipräsident Volker Kluwe am Dienstagabend.

『ハノーファーのサッカーの国際試合において、爆発物の危険があることが明らかになった。我々は、明らかに何者かがスタジアムを爆破しようとしたのだという確証を持っている。と、ハノーファーの警察長は語っている。』

毎度毎度、未然に防ぐのはさすがです。