ドイツで漫画は人気か?ドイツで売れている有名な漫画を調べてみた

今や漫画やアニメは、日本の誇る一大文化になりました。実際に、中国や韓国では多くの一般人が漫画やアニメを見ており、あまり暗い印象はありません。また、フランスやスペインなどでも、ドラゴンボールやナルトがメジャーで、気さくな若者たちもそうした文化を楽しんでいるような印象です。

ところが、ドイツでは漫画・アニメのたぐいはどちらかというとオタクの、どこか反社会的な文化だという認識が一昔前までありました。現状、ドイツの漫画マーケットはどのような形なのでしょうか?

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ドイツと漫画マーケット

自動車のように明確に産業の統計データがないので具体的な数値は分かりませんが、例えばドイツ語版のwikipediaなどを参照すると、ドイツにおける漫画の売り上げは1995年にはわずか40万ユーロ、それが2000年には400万ユーロ、2002年には1600万ユーロを越え、2005年には7000万ユーロ(80億円程度)に達したようです。

直近の売り上げは不明ですが、一部のデータによると、ここ数年は常に売り上げが伸び続けているとのことですので、2005年当時よりはマーケットが拡大していることは間違いないでしょう。

Deutschlandweit kletterten die Umsätze 2014 im Vergleich zum Vorjahr um fast 15 Prozent nach oben. In Österreich betrug das Wachstum 17 Prozent; in der deutschsprachigen Schweiz wurde ein Plus von 13 Prozent erzielt. Noch augenfälliger ist der Trend im Fünf-Jahres-Vergleich: Seit 2010 finden Mangas/Manhwas kontinuierlich mehr Käufer.

「ドイツでは2014年と比較し、2015年には15%も漫画の売り上げが拡大した。オーストリアでは17%、スイスのドイツ語圏では13%の増加率である。2010年以降、ここ5年続けて漫画の購入者は着実に増え続けている。」

例えば、大きな本屋に行けばほぼ確実に「漫画コーナー」を発見することが可能です。ワンピースやナルト、ドラゴンボールのような有名どころから、私のよく知らないマイナーなものまで、ドイツ語で陳列してある姿はなんとも興味深いです。

また、年に一度開催されるデュッセルドルフのJapan Tagでは、欧州最大のコスプレ祭りが開催され、ヨーロッパ中から多くのアニメ・漫画ファンが押しかけます。ドイツでも、漫画・アニメファンのイメージは、暗いオタクのようなものから、大衆社会に受け入れられるようなものに少しずつではありますが、なりつつあるようです。

ドイツではどんな漫画が人気なのか

ハンブルグにあるCarlsen Verlagという出版社が、ドイツの漫画界では割と大きな売上高を抱えているようで、ここのインターネットサイトから「ベストセラー漫画」をピックアップしてみると、例えば少年漫画では「進撃の巨人」「ドラゴンボール」「フェアリーテイル」「ワンピース」「ナルト」「東京グール」あたりが去年~今年あたりでは売り上げが大きいようです。

少女漫画系では、「ショコラの魔法(みづほ梨乃)」「会長はメイド様(藤原ヒロ)」「黒執事」などが人気のようです。あと、今年亡くなった谷口ジロー氏の短編集や、「漫画の描き方」のような実用書もベストセラー入りしていました。

他にも、エログロ系、ボーイズラブ系、浦沢直樹系(浦沢直樹の漫画はよくドイツが舞台になりますね)、あたりは人気があるようです。この以下のサイトを見てみれば、どんな漫画がピックアップされているのか分かりますので、参考までに。

https://www.carlsen.de/manga

ただ、見た感じですと、出版社ごとに取り扱っている漫画の版権が異なるようで、例えば「egmont manga」という別の出版社を見ると、ベストセラーは「名探偵コナン」「亜人」「未来日記」「セーラームーン」、などのようで、こちらの出版社もボーイズラブをわりとピックアップしていました。

https://www.egmont-manga.de/

出版社ごとにカラーが違うということが分かったので、参考までにもう一つ、同じくドイツの漫画界で有名な「tokyo pop」を調べてみると、売り上げの上位は「ブリーチ」「the beaker(韓国漫画)」「grimms monster(邦題不明)」「ナイツ(杉崎ゆきる)」「よつばと」「エルフェンリート」などが売れているようです。

http://www.tokyopop.de/manga/tokyopop-manga/

傾向からみるに、大体漫画を買っている層は中高生で、あとは青年層もちらほら、というところでしょうか。どこの漫画サイトでもボーイズラブがピックアップされているのは割と面白いポイントです。