ドイツ(ヨーロッパ)の大学・大学院生活での友人の作り方

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前回もどこかで書きましたが、ドイツの大学の試験は厳しいので、できれば他の人との連携が要求されます。

そのため、一つの講義に最低でも1人は友人がほしいところで、多ければ多いほど尚のことよいです(je mehr, desto besser)

というわけで、今回はドイツにおける友人の作り方についてです。

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ドイツの大学で友人を作るには

ちなみに、私はそこまでコミュニケーション能力が高いわけではありませんが、そこそこ現地で友人は居ますので、やり方さえミスらなければたぶん誰でも友人は作れます。ただ、日本人のような『あ、外国人留学生だ。寂しくならないように仲良くしてやらなきゃ』的なホスピタリティは皆無ですので、放っておくといつまでたっても一人ぼっちのままです。

以下、ドイツで友達を作る機会をまとめていきます。

1. 日本に興味のあるドイツ人(外国人)を探す

私の最初のドイツ人の友達はタンデムパートナーでした。この場合、相手はこちらの文化のことを重んじてくれますし、大抵知日家ですので、友達としてスタートするには初めからハードルが低いです。まずはそうしたドイツ人と一緒に行動することで、ドイツの習慣を覚えたり、ドイツ語に慣れたり、他の友達を紹介してもらったり、ということが可能です。

ドイツ人に限らずとも、留学生の中で日本語を勉強したがっている外国人はたまにいますので、そうした連中とも仲良くしておくと、友達の輪が広がります。大学によっては、日本語学科があったり、日本語グループがあり、そうしたところからもアプローチ可能です。そうしたものが無い場合には、インターネットサイトや学校の掲示板などで募集するなど工夫が必要です。

2. 同じ学部、学科、セミナーの友人

ドイツ人の場合、初めからグループができていることもありますので、おススメは外国人留学生何人かの友人をまずは作り(できれば欧州系)、グループ同士で交流をはじめていくことです。アジア系でもいいのですが、そうすると「あ、あいつらはアジアでいつもつるんでるから絡みづらいな」と印象を抱かせてしまいますので、分け隔てなく付き合っておきましょう。

また、セミナーなどを選択すると、グループ演習などをさせられることもあり、必然的に一緒に研究したりして、顔を合わせる機会が広がります。ただ、セミナーの場合、単なる講義よりもさらに高度な語学力が求められますので、自信がない人は2セメスター目から始めるなどでもよいでしょう(私も、2学期からセミナーを始めました)。

3. スポーツ・趣味など

日本の大学のようなサークル活動はありませんが、大学のスポーツセンターではサッカー、バスケなど様々な球技が行えますし、Vereinといって、緩いクラブ活動のようなものも存在します。こうした活動も、できれば友人を誘って2~3人で参加し、徐々に友人の輪を広げていくようなやりかたが理想的です。大学が始まって間もなく、いきなり一人で飛び込むのは、やはり厳しいものがあります。

4.同じWG,ルームシェアの友達

これも、毎日顔をあわせるわけですので、必然的に仲が良くなります。WGにはドイツ人だけでなく、多種多様な人種がいるわけで、そうした連中と一緒によるご飯を食べたりすることで、様々な文化や各国料理を学ぶことができます。ただ、ほかの機会と違って、WGの同居人というのはこちらから自由に選択できるわけではありませんので、当然、人によっては合う合わないもあることを注意しましょう。

5. 友人の友人

日本ですと、割と決まりきったグループ内でつるむことが多いと思いますが、ドイツは非常にその辺が緩く、飲み会に行くと毎回知らない人が現れます。誕生日会などでも、主催者の他の友人が集まりますので、おのずと新しい人とコミュニケーションする機会が生まれます。

あとは、クナイプなどに行った際も、知らないグループに絡む、絡まれることも頻繁にあります(時に悪い絡まれかたもありますが)。この辺は、ナンパとかそういう意味合いでなく、単に純粋に色々な人との交流を求めているだけです。居酒屋ではタバコが吸えないので、外で一人で吸っていると、ちょいちょい知らない学生に絡まれます。私の仲の良い友人の一人も、もとはといえば居酒屋で知り合ったのがきっかけですし、その辺は非常にオープンな文化です。

日本人はヨーロッパで友達が作れるか

心理学的な領域ですと、人は、自分と似た価値観の人間と群れたがる傾向にあるようです。例えば、黒人、白人、黄色人種、老人、学生、サラリーマンなどの写真を道行く人に見せて「どの人と気が合いそう?」と尋ねると、大体自分と同じ人種、同じくらいの年齢、同じような職種の人を選ぶ傾向にあります。

というわけで、必然的に、我々アジア人にとってみると、欧州系の友人を作ることは、風貌からして異なるわけで、初めから微妙にハードルの高い作業です。これは逆もしかりで、私の友人のドイツ人が日本に半年留学して、結局現地で一人の日本人の友達もできずにドイツに帰国していました。

ただ「気が合いそう」と「実際に気があう」というのは、これはまた別の問題です。日本人同士で気が合わないなんてことは当然よくありますし、逆に外国人や異性、年配との方が円滑なコミュニケーションが行える場合も多々あります。あくまで「最初のハードル」が高いだけで、話し始めてからあとは個人の性格の問題です。また、上述の通り、共通の趣味(スポーツ)、共通の学部、共通も目標(語学の勉強)など、何かしら共通するものがあると、これまた人間関係の構築には有利に作用します。

ドイツ人はビールが好きなので、お酒好きであれば一緒に飲みに行き、コミュニケーションをとる機会も増えますが、中にはビールが嫌いなドイツ人もいますし、サッカーが嫌いなドイツ人も当然います。それは、日本人全員が寿司好きなわけでもなければ、日本人全員がマンガ好きなわけでもないのと同じです。というわけで、いろいろ人と会う機会を増やしていけば、ドイツだろうとマダガスカルだろうと、自分と似た価値観を持った友人は必ず作れる(国によっては分母が少ないかもしれないが)、というのが私の持論です。

ただ、コミュニケーションの土台にはやはり「言語」による意思疎通が前提とされていますので、100%とは言いませんが、日常的に問題ない程度のコミュニケーションが、英語なりドイツ語なり、日本語なりではかれることがやはり理想ではあります。こうした日常会話で使われるドイツ語、英語は、試験や講義のそれとはまた異なりますので、自習したい場合には現地のテレビや映画を見て磨いていくことをお勧めします。