ジャガイモだけじゃない!ドイツの食卓を彩る様々な食事たち

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一般的にドイツ人の食生活に対する考え方というものは、以下のように言われています。

朝食:普通に食べる
昼食:たくさん食べる
夕食:そこそこ食べる

ドイツ人にとって一番ウェイトが高いのは昼食のようです。たしかに、レストランとかに行くとランチメニューでもしこたま多い量のランチが出てきてびっくりします。

日本人は朝食をそこそこ食べて、昼食と夕食のウェイトが同じか、夕食のウェイトがやや高いくらいでしょうか。健康には、朝たくさん食べて夜は胃に負担をかけないようあまり食べないのがいいと言われていますが、諸説あるのでよくわかりません。

さて、というわけで今回はドイツの食生活についてのまとめです。

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ドイツの食文化

ドイツの食文化を語る上でかかせないのが『die Kartoffel』(ジャガイモ)です。これは元々理由があって、近代化をする前のドイツはあまり土地が肥沃でなく、取れるものと言ったらジャガイモくらいしかありませんでした。

北海道と同じくらいの緯度なのでイメージしていただければ分かると思いますが、とにかく寒いので野菜はあまり育ちません。というわけで、昔からドイツ料理といったらジャガイモ、ジャガイモと言ったらドイツ料理というほど、ジャガイモ文化です。

また、他にもソーセージやビールも盛んですが、基本的にはジャガイモ+何か、という図式がなりたっています。我々がサカナを食べるように、ドイツ人はジャガイモを食します。

ちなみに、日本料理といったら寿司、イタリアといったらパスタやピザ、というように、ドイツ料理と言ったら『これ!』といったメインの料理は特にありません。ドイツといったらジャガイモや、ソーセージや、パンを使った『何か』なのです。

また、日本と違ってユーロ圏内は出入り自由なので、様々な国籍のレストランがごった返しています。やはり移民の大多数を占めるトルコ系の営む『ケバブ屋』や、イタリア系の営む『ピザ・パスタ屋』などが多い印象です。

個々のレストラン事情に関してはまた別の項で触れますので、今回は、主にドイツ滞在中に必要なドイツの食材に関する知識についてまとめていこうと思います。

すなわち、以下の通りです。

  1. ジャガイモ(Kartoffel)
  2. パン(Brot, Brotchen)
  3. ソーセージ(Wurst)
  4. 野菜、果物(Gemüse, Obst)
  5. チーズ(käse)
  6. 米(Reis)

です。まあ、日本と同じように基本的にスーパーに行けばカレー粉もカップヌードルも売っていますし、デュッセルドルフなんかは日本料理屋が多いのですが、とりあえず典型的なドイツ食材ということで以上をあげさせてもらいました。

ちなみに、ドイツで日本料理を食べようとすると100ユーロ(1万4000~5000円)程度することもありますし、スーパーで日本のレトルトやお菓子を買うと日本で買うのの3倍くらいしますので、日本食が恋しい方には厳しい環境かもしれません。

1.ジャガイモ(Kartoffel)

ドイツ料理と言ったら、何はさておきジャガイモです。肉の付け合わせにマッシュドポテト、フィッシュ&チップスの付け合わせにフライドポテト、ととにかくジャガイモが大好きです。

スーパーに並ぶジャガイモ

スーパーに並ぶジャガイモ

じゃがバターのように付け合わせで丸々茹でたジャガイモが付く場合もありますし、フライドポテトにして食べるのも当然人気です。

よく、レストランやファーストフード店に行くと『ポテトは?(Pommes?)』と聞かれます。欲しいと言ったら(大体別料金で)ポテトフライをつけてくれ、あとはケチャップかマヨをつけて食べるのが定番です。

また当然、その国を代表するような作物ですので、経済に与える影響も大きいです。以下のように新聞でも取り上げられていました。

Die Kartoffel ist eines der wichtigsten Lebensmittel in Deutschland. Die Landwirte haben in diesem Jahr fast ein Fünftel mehr von den Feldern geholt als 2013.

『ジャガイモはドイツにおいて最も重要ともいえる食糧である。農家は今年、前年度比で25%増しに近い量のジャガイモの収穫をおこなった。』

今年は記録に残る豊作だったので、ジャガイモの値段が安くなったようです。そういわれてみるとそんな気もします。

2.パン(Brot)

ジャガイモと同様、パンもドイツの国民的主食です。日本の米に当たるものが、このドイツのパンに該当します。例えばスーパーに行けば、以下のような種類のパンがずらーっと並んでいます。

スーパーのパンの棚

スーパーのパンの棚

パンに関しては奥が深いので、今回はさらっと紹介するにとどめます(パンの種類に関しては、パン屋の項でまとめていきます)。ドイツでは、基本的におかず+ジャガイモ、おかず+パン、あるいはジャガイモもパンもとりあえず食べて置く、みたいなチョイスのされ方をされます。

そしてなんせ価格が安いので、軽食としても重宝されています。なにもついていないパン一個30円くらいから買えますし、パン一斤でも100円くらいです。

年間の消費量に関しては、以下のような記述がありました。

In Deutschland werden davon durchschnittlich 234 Gramm pro Tag verzehrt.

『ドイツでは毎日一人当たり平均して234gのパンが消費されている』

グラムでは少し分かりづらいですが、例えば日本で売られている8枚切りの食パンは50g程度ですので、それを毎日5枚は食べる計算です。下の写真のパンは500g詰めのものですので、これの半分程度ともいえます。ちなみにこれで50セント程度です。

500gのパンのパック

500gのパンのパック

3.ソーセージ(Wurst)

多分ドイツ料理と言われて真っ先に思いつくのがこの『ソーセージ』ではないでしょうか。ちょっと統計情報がないのでなんとも言えませんが、日本人が毎日寿司を食べるわけではないのと同じように、ドイツ人もソーセージばっかり食べてるわけではありません。

また、単純に長い腸詰のソーセージ以外にも、サラミやハムのようなものも広義にはソーセージに属するようで、そういったものとの組み合わせで食事をするのが主流です。

ソーセージとジャガイモ

ソーセージとジャガイモ

Wurst hat in Deutschland eine lange Tradition und ist Ausdruck regionaler Vielfalt. Heute werden in Deutschland etwa 1.500 Wurstsorten hergestellt. Deutsche Wurst erfreut sich dank dieser Sortenvielfalt und ihrer hohen Qualität im In- und Ausland großer Beliebtheit. Das war schon früher so. Bereits 1769 wurde die Göttinger Mettwurst nach Holland, England, Dänemark, Schweden, Rußland, in die Türkei und sogar nach Indien exportiert.

『今日、ドイツでは1500種類ものソーセージが生産されている。ドイツのソーセージは、その種類の豊富さと、質の高さによって国内外を問わず大きな人気を博している。1769年ごろからすでに、ゴッティンゲンのソーセージは、オランダ、イギリス、デンマーク・・・トルコ、それどころかインドにさえも輸出されていた。』

確かに種類は多いです。また、炒めるだけで簡単に料理できるので、自炊される方には割と重宝されるものかも知れません。

4.野菜、果物(Gemüse, Obst)

医療の発達しているドイツですが、技術だけに頼るのではなく、野菜や果物を摂って健康にしましょう、とよくラジオなどでも言っているのを聞きます。

農薬には比較的厳しいようで、日本と同様、ドイツ産のものの食の安全に関してはある程度安心していいと思います。遺伝子組み換え食品に関する論議もおこなわれていますが、その辺は長くなるので今回ははしょりましょう。

野菜・果物のうちで、日本で手に入るものの大半はドイツでも手に入ると考えていても問題ありません。もっとも、カボチャやナスなどは微妙に水っぽい気がします。

オーソドックスなメニューとしては、パンやジャガイモのような付け合わせと、おかずにもう一品加えて食べる際に、下の写真のように野菜の盛り合わせみたいなものを付け加えることが多々あります。

ジャガイモのグラタンと付け合わせの野菜

ジャガイモのグラタンと付け合わせの野菜

また、以前シュレーバーガーデンの歴史で少し触れましたが、家庭菜園をおこなっている家庭も多く、自分で作ったものを自分で食べることが珍しくありません。

現在、ドイツ国内には花や果物などが植えられた賃貸農園が数多く設けられています。
これは、自宅の庭ではなく、郊外などに庭を年間をとおして賃貸しておき、そこで野菜を育てたり、バーベキューをしたりする仕組みです。

家庭菜園でとれたカボチャ

家庭菜園でとれたカボチャ

5.チーズ(käse)

『なんであなたたちはそんなに背が高いの?』と以前私が知り合いのドイツ人に聞いたところ『チーズを毎日食べているからさ!』と言っていました。科学的に根拠があるかは知りませんが、とりあえず彼らは毎日のようにチーズを食べます。

スーパーのチーズ売り場

スーパーのチーズ売り場

スーパーにいくと、このように豊富なチーズの種類がたくさん並んでいます。食べ方は様々で、パンに乗せて食べたり、おかずの付け合わせにしたり、それだけで食べたりと、まあやり方は色々です。

ちなみに、最近はこんな記事もあります。

Russlandsanktionen machen Käse billiger

『ロシアの経済制裁によってチーズの価格が下落した』

ウクライナ絡みのごたごたで、ロシアへ輸出されるチーズや日用品が減少したため、現在ドイツ国内ではチーズに限らず様々な物価が安い状態です。

6.米(Reis)

日本人として気になるのが米は果たして食べれるのか、というところでしょう。結論から言うと、米という食べ物は食べれますが、日本のみずみずしい米とは別物で、タイ米のように水気のないものをイメージしていただければいいかと思います。

スーパーなどにいけば、パック詰めで1kgくらいの小さなものが売っていますが、炊飯器などはあまりみかけないので、例えば以下のような調理器具で電子レンジで作るなどのやり方です。

電子レンジで米を炊く器具

電子レンジで米を炊く器具

ちなみに『日本人は米を箸で食べるの?すごいね!』と言って驚かれますが、私もドイツのぱさぱさした米を箸では食べれません。それほど、彼らが思っている米と日本米は違うので注意しておきましょう。

カレーとドイツで食べられるお米

カレーとドイツで食べられるお米

基本的にはこのようにスプーンで食べる形になります。