赤信号無視で1万円!?ドイツの自転車の交通規則と罰金には要注意

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以前『自転車を乗り回そう』という記事を紹介しましたが、実際に私も当初は交通規則を知らずに乗っていました。

そうしたちょっとした所要の際に、やはり自転車はあると便利だと思いますので、今回はドイツの自転車についてまとめていきたいと思います。

最近、インターネットでドイツの交通規則(自転車向け)を発見したので、ここに紹介しておこうと思います。知らずに違反していることも多くあり、今まで警察に見つからずに良かったです。

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ドイツの交通規則

日本でも交通法で優遇されるのは弱者の側です。そのため、交通法上では歩行者>自転車>自動車という立場でヒエラルキーが定められています。

自動車はよくわかりませんが、ドイツの自転車の罰則規定に関してはBußgeldkatalog(罰金カタログ)という目録に掲載されています。

もしこれらに違反すると、その場でどこからともなく警察が現れて(本当にいろんなところから現れます)、現金で払わされます。その場でなくても当然後日徴収されます。

ちなみに、フランス人の友達が言っていましたが『ドイツの警察は頭が固い!だって買収できないんだもん』と言っていました。

フランスでは違反しても知り合いに警察がいれば見逃されることもあるそうですが、ドイツでそんなことをしようものなら罰金が2倍になりますので注意しましょう(ドイツは超法治国家です)。

ドイツの主な自転車の交通規則

以下、特にうっかり違反してしまいそうな項目を中から抽出して日本語訳しましたので、参考にしていただければと思います。

参考にしたのは以下のリンクです。罰金の安いものから徐々にランク付けしていますので、テレビ番組感覚で読んでいただければと思います。

http://www.adfc.de/bussgeldkatalog/

1.Freihändig fahren

案件:『手放し運転をした場合』
罰金:5ユーロ

最初の罰則は『手放し運転』です。5ユーロですので、円安の今では7~800円くらいの罰金です。あとから出て来る罰金の額に比べたらまだまだかわいいものです。

日本ではどうだか知りませんが(もしかしたら罰則があるのでしょうか)、手放しで自転車を漕ぐ行為はドイツでは道路交通法違反にあたります。私も小さいころよくやって、ドイツでも寒い日など両手をコートにつっこんで走行していたので、この規則を知った時には少しびっくりしました。

2. Fahrzeug geführt, obwohl das Gehör durch ein Gerät beein trächtigt war

案件:『音楽装置などをつけているにもかかわらず、自転車を運転した場合』
罰金:10ユーロ

自転車を漕いでいるときなど暇なので、ついつい音楽など聴きたくなりますが、実はこれも道路交通法違反で、10ユーロの罰金が科されます。

恐らく、ベルや自動車のクラクションが聴こえなくなる、というのが原因でしょうが、それにしてもドイツの罰則は厳しいと実感させられます。

3. Bremsen oder Klingel entsprechen nicht den Vorschriften, sind nicht vorhanden oder betriebsbereit

案件:『ブレーキや自転車のベルが機能しない、あるいは具備されていないなどの場合』
罰金:15ユーロ

ブレーキはともかく、ベルの有無も罰則規定に定義されています。

自転車を買うときには、こうした細かい部分にもこだわっておかないと、あとあと機能しなくなった場合に、一々新しいものを買う羽目にはりますので注意しましょう。

4. Beleuchtung trotz Dunkelheit oder schlechter Sicht nicht benutzt oder verschmutzt/verdeckt

案件:『暗かったり、視界不良にもかかわらず、電気をつけなかったり、ランプが汚れていたり、ランプが隠れていた場合』
罰金:20ユーロ(通常時)

罰金のあとに『通常時』と書いたのは、これが周りに誰かいる状態の走行であったり、事故を起こした場合などには罰金の度合いが変化するからです。ちなみに、事故を起こした場合は罰金が35ユーロに増えます。

『3』のブレーキや、ベルとあわせて、ランプも必ず自転車の購入時に確認してきたいポイントです。

5. Benutzung des beschilderten Radweges in nicht zugelassener RichtungまたはNichtbenutzung des vorhandenen, beschilderten RadwegsまたはBefahren einer Einbahnstraße in nicht vorgeschriebener Fahrtrichtung

案件:『自転車の通行の認められている道路以外を走行したり、あるいは反対側の道路や一方通行路を走行した場合など』
罰金:20ユーロ(通常時)

事故を起こした場合は35ユーロです。これは以前『自転車に乗ろう』の記事で写真付きで解説しました。

自転車の走行可能な道路

自転車の走行可能な道路

上記写真では右側に歩行者のマーク、左側に自転車のマークが書かれていますので、自転車は歩道の赤くなっているところを走行しなければいけません。この赤くなっている自転車の通り道は、時には歩道でなく道路のうえに車道と並行して書かれている場合もありますので、そうした場合は歩道ではなく車道を走行する必要がでてきます。

これも道路交通法だったようです(知りませんでしたが)。私の知り合いが先日、これに違反して20ユーロとられていましたので、日本の自転車の交通規則のように有名無実なものではないようです。

6. Benutzung eines Mobiltelefons (ohne Freisprecheinrichtung)

案件:『携帯を使用しながらの走行(固定具は除く)』
罰金:25ユーロ

音楽を聴きながらの走行がダメですので、当然通話したり、アプリをいじりながら走行するのもダメです。罰金25ユーロは日本円で3500円程度です。この辺りからあまり罰金を取られたくないレベルになってきます(5ユーロでも嫌と言えば嫌ですが)。

7. Fußgängern am Fußgängerüberweg (Zebrastreifen) das Überqueren nicht ermöglicht

案件:『横断歩道(ゼブラゾーン)を歩行中の歩行者の横断を妨げる』
罰金:40ユーロ

なにを持って『妨げる』ととられるのか定かではありませんが、道路交通法にはこう書かれています。どこの国でも歩行者の立場>自転車の立場はゆるぎないようです。

横断歩道や交差点、人通りの多いところなどでは自転車は降りて押した方が無難です。

8. Missachtung des Rotlichts an der Ampel

案件:『赤信号無視』
罰金:60ユーロ(通常時)

下にも赤信号無視がでてきますが、こちらは軽度の赤信号無視のようです。何をもって軽い重いかを判断するかというと、赤になってから1秒以内であれば『軽い』1秒以上たっていると『重い』『悪質な』赤信号無視とみなされるようです。

ドイツでは、信号の近くに割と警察が待ち構えているので、誰もいない、車もない、からといって横切るといきなり警察が現れて60ユーロ出費することになるので注意しましょう。

自転車用の信号

自転車用の信号

9. Fahrzeug nicht vorschriftsmäßig, dadurch Verkehrssicherheit wesentlich beeinträchtigt

案件:『交通規則を守らず、交通安全を著しく損ねる行為をした場合』
罰金:80ユーロ 減点:1

ちょっと抽象的すぎて今一歩つかめませんが、大意としては『交通安全を著しくそこねる』というところが肝のようです。

とりあえず、警察の胸先三寸で『こいつ交通安全を著しく損ねているぞ』と思われたら80ユーロ(11,000円)ほどとられるので気を付けましょう。

10. Die Ampel war bereits länger als eine Sekunde rot

案件:『赤に変わってから1秒以上たった赤信号の無視』
罰金:100ユーロ(通常時) 減点:1

ついに罰金が100ユーロの大台に突入しました。

上述しましたが、こちらは『悪質な』信号無視のようです。警察がカウントして『はい1秒たった!』といって現れるのでしょうか。それとも私が直訳し過ぎただけで、本当は裏の意図があるのでしょうか。

とりあえず、信号無視は1万円近い出費になりますので、必ずしないようにこころがけましょう。

11. Bahnübergang trotz geschlossener (Halb-)Schranke überquert

案件:『すでに閉まった、または閉まりかけた踏切を無理矢理横切ろうとした場合』
罰金:350ユーロ 減点:2

ひとつだけ罰金の額がけた外れのものがあります。この踏切無視をおこなうと、日本円に換算して50,000円近く罰金を課せられる計算になります。

ちなみに、この罰金規定には『事故になった場合』の罰金額が書いていませんが、踏切で事故になったらそもそも払う必要が無い(払えない)、というジャーマンジョークでしょうか。

番外編:Bei Radfahren mit Alkohol

案件:『飲酒運転』
罰金:不明、または懲役刑

最後に番外編です。知らなかったじゃ済まされない、一番重要な処です。ドイツで酔っ払った状態で自転車を走行した場合、罰金ではなく刑事罰の対象になり、最悪の場合懲役に科せられる可能性もあります。

Das Radfahren im betrunkenen Zustand ist keine Ordnungswidrigkeit aus dem Bußgeldkatalog, sondern eine Straftat

『飲酒運転をした場合、過料目録の対象ではなく、刑事罰の対象となる』

具体的にいくら、具体的に何か月、といったものは不明と書かれていますが、血中のアルコール濃度が0.3パーミル以上か、1.6パーミル以上かでかなり罰則がことなるようです。

また、飲酒運転をして事故を起こした場合の過失割合は飲酒した側の責任になります(相手が自動車であろうとも)。ですので、自分がケガまでして、しかも相手の自動車の修理費用まで負担しなくてはいけない、というケースもありえるということです。

無難に、お酒を飲んだ後には自転車に乗らずに、多少出費であっても夜行バスかタクシーで自宅に帰る、というのが一番です。