ケチ?真面目?ドイツ人の性格はどのようなものか

第二次大戦の反動で、戦後、ドイツはすっかり欧州の「模範生」となりました。真面目、厳格、スケジュールを守る、という、日本でもおなじみのドイツ人のイメージは、当たらずとも遠からず、と言ったところだと思います。

今回は、ドイツ人の性格を端的にまとめていきたいと思います。あくまで傾向ですので、必ずしもすべてのドイツ人に該当するとは言えませんが。

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ドイツ人の性格

今回、いくつかドイツ人の性格をまとめていきますが、基本的に、これらすべての元となっているのは、「根が真面目」という部分だと思います。つまり、何かと信じればそれを疑わず、決められたルールは間違っていても守る、まっすぐにしか進めないさしずめ「将棋の香車」のような印象です。

勿論、個人差はありますが、私のドイツに住んだ印象として、いくつか思い当たる彼らの性格をまとめていきます。

1.環境問題が大好き

まず、私がドイツに来て感じたのが、ドイツ人はなんて環境保護を大切にしているのだろう、ということです。別に日本人が大切にしていないわけではないと思いますが、ドイツ人の場合、もはやなにか、環境保護の地縛霊にでも取りつかれたように、しきりに環境保護を訴えます。

電車や遠距離バスのチケットをオンラインで買うときには、自然環境保護の募金スイッチが用意され、ごみの分別は厳格に行われ、街中では人々が募金を訴え、企業はいかに自分たちが自然環境を大切にしているかを企業ブランドの目玉にします。

なので、ごみの分別をしなかったり、ごみのポイ捨てをしたりしようものなら、ドイツ人に厳しく非難されることとなります。でも、その割に、駅前はタバコのポイ捨てでゴミだらけですが。

2.自分の意見をはっきり言う

これは、ドイツの教育カリキュラムからして、このように「自分の意見をはっきり持つ」ことが要請されています。例えば、ドイツの学校では、授業内で討論をすることや、作文で自分の意見を述べる授業があるようで、そこで重要なのは、それが正しいかどうかではなく、「理路整然とした自分の意見をしっかり持っているか」です。

ですので、大学や大学院の授業で討論しようものなら、彼ら/彼女らは決して譲りません。それが正しいかどうかではなく、もはや、自分の意見を述べることが彼らの目的と化しているのです。時には、いつまでたっても議論が終わらないこともあります。

こうした「自分の意見を決して譲らないドイツ人」を前にすると、我々シャイなアジア人はやはり臆してしまいます。こちらのほうが正しくても、次第に、高圧的なドイツ人の態度を見ていると、向こうのほうが正しい気がしてきて、最終的に折れてしまいます。そして、その結果、悪いことが起きても、彼らは絶対に謝りません。

時には、日本社会のように、「鶴の一声」で会議が終わってくれるような風土が恋しくなる時があります。

3.理論的に突き詰めないと気が済まない

例を一つ挙げましょう。ドイツ人以外のヨーロッパ人と、ドイツ人とに、それぞれ可愛い犬の写真を見せるとします。ドイツ人以外の一般的な反応は「かわいい!」「欲しい!」とかいった、感情的なものだとすると、ドイツ人の反応は「これは何の犬種?」です。

「ごめんちょっと遅れる」と言ったら、ドイツ人の回答は「なぜ?(Warum)」です。「この料理はお勧めだよ」と言ったら、ドイツ人の反応は「どの点で?(Inwiefern)」です。

勿論、個人差はありますが、長年ドイツ人社会に住んでいると、ドイツ人の反応はこのように、なんとなく「淡々とした理屈っぽい」ものが多いことに気づきます。

4.ケチ

時と場合によりますが、基本的にケチです。もちろん、友達同士で飲みに行ったら驕り合ったりもしますし、旅行とかにはお金をかけますが、根本的な部分でお金にシビアです。

例えば、日本人の志向と決定的に違うのが、「聞くだけならタダ」という態度です。モノを買わないでも、試しに店でトイレを使わせてくれるか聞いてみるというライトなものから、業務中分からないことがあったら試しに他の会社に電話して聞いてみる、というヘビーなものまで、とりあえず期待値がゼロを上回りそうなことは全部行います。

民泊や乗り合い車(Blablacar)のようなサービスがドイツでは特に盛んなのも、基本的にお金をかけるところにはかけ、かけたくないところにはかけない、というこの合理的な節約精神の現れでしょう。

それゆえまた、自転車の修理や家のリフォームなども業者に頼まず、自分で済ませるドイツ人も多いです。

5.ひたすら合理主義

まず、ドイツ社会自体が、ひたすら合理性を追求した社会です。小学校の低学年の時点で、将来の大学入学組と職人組が振り分けられるのは、この典型的な例でしょう。つまり、勉強して価値のある人間と、勉強してもあまり意味のない人間を、言葉は悪いですが振り分けているのと一緒です。

日本人のように見てくれの美しさを追求しませんので、仕事が終わったら上司がオフィスにいようがさっさと帰りますし、ファッションも無駄に高いものよりも長く使えるものが好まれます。